Go To トラベルキャンペーンの対象となる「ホテルクレジット30,000万円付き宿泊プラン」を販売したANAクラウンプラザホテル大阪で、レストランの予約が取れない事態が発生している。
「超お得な贅沢ステイ!ホテルクレジット30,000円付きプラン」として販売したこの宿泊プランは、1人あたり3万円分の、宿泊料金や館内レストラン・バー9店舗での飲食代金の支払いに利用できるホテルクレジットが付いたもの。
一休.comでは、クラジックフロアのモダンダブル(26平方メートル)が2名食事なしで72,300円から販売していた。Go To トラベルキャンペーンで25,655円が割引となり、支払い実額は46,645円となる。さらに付与される11,000円分の地域共通クーポンを考慮すると実質35,645円で、ホテルクレジットが宿泊料金の支払いに利用できることから、全額を利用した場合には24,355円が実質的に儲かる計算だった。
10月28日正午の販売開始直後からアクセスが殺到。設定期間である約3ヶ月間の累計販売可能客室数は最大約1.5万室であるものの、推計では1万室程度の予約が入ったとみられている。
このため、ホテルクレジットが利用できるレストランの予約が連日ほぼ満席状態となり、また予約を受け付けていない人のレストランの予約が難しい状態だという。ルームサービスやデリカショップなどの館内サービスでも、混雑のため利用ができない可能性があるとしている。
このプランを販売した旅行会社の一つである楽天トラベルは、予約客に対して、「レストランのご予約をされているお客様を含めて、ホテルクレジットを全額ご宿泊費に充当させていただきたく存じます。ご宿泊費に充当後、ホテルクレジットの残額につきましては、まことに申し訳ございませんが、館内でのご利用が難しい為、後日ご予約いただきました楽天会員様の楽天IDに、楽天ポイントとして付与させていただきたく存じます。」と、メールで案内している。一休は取材に対し、「特に特別な対応も予定しておりません。」と回答した。楽天からのコメントは現時点で取れていない。
一方で、Go To トラベル事務局は、クオカードなどの換金性の高い金券類や、ポイント・マイル付のプランは支援対象外と案内している。このプランのホテルクレジットは、宿泊期間内にホテル内で消費されることから、販売が認められていたものの、換金性のある楽天ポイントでの付与は、実質的にクオカードやマイル付きプランと同様となる。Go To トラベル事務局の判断次第では、支援対象外となる可能性もある。
このプランの販売後、赤羽一嘉国土交通相がTwitterで寄せられたツイートで事態を知り、問題視。観光庁やGo To トラベル事務局に調査を指示した上で、高額なホテルクレジット付きプランは11月6日予約販売分より、Go To トラベルキャンペーンの支援対象外とすることを決めた。このため、ANAクラウンプラザホテル大阪が販売済みのこのプランは、支援対象となることが確定している。