ジェットスター・ジャパンの中村泰寛取締役は7月3日、成田空港で行った就航7周年記念イベントにおいてメディアの囲み取材に応じた。
ジェットスター・ジャパンは2012年7月3日、3機のエアバスA320型機で東京/成田〜札幌/千歳・福岡線に初就航した。この7年間で機材は25機、路線網は国内15都市23路線、海外4都市7路線に拡充。2018年7月から2019年6月までのこの一年を振り返ると、搭乗者数は552万人で前年同期比16万人増、搭乗率は86.8%(いずれも速報値)と、運航実績は堅調に推移している。直近では、3月に下地島空港へ就航、5月に国内LCCとして初めて累積搭乗者数3,000万人を達成している。中村取締役は「引き続きLCC国内シェアナンバーワンを維持できるよう頑張りたい」と決意を新たにした。
今後、8月1日には東京/成田〜庄内線を開設し、これまで”LCC空白地帯”となっていた東北地方への進出する。これについて中村取締役は、「庄内はチャレンジでもあり、喜びでもある」と話し、「我々の使命は地域活性化や人材交流に貢献すること。社会に貢献できる路線網を考えたい」と今後の展望を口にする。
一方、6月には乗員繰りのため多数の欠航便を出し、信頼性に禍根を残している。中村取締役はこの原因について「乗員不足と伝わっているが、正確には我々の業務手順や管理面(の不足)」と説明し、「ご迷惑をおかけした」と陳謝した。今回の件を通じて体質やシステムを広く見直し、信頼回復に努めたいという。
今年度中にはピーチとバニラエアの統合が完了する。新生ピーチの売上高はジェットスター・ジャパンを上回る見込みだが、中村取締役は「他社を見ている余裕はない。今ある自分たちの仕事をしっかりやっていく」と泰然とした構えを見せた。