旅行予約サイト「Trip.com(トリップドットコム)」を運営する、Ctrip.com International(シートリップ)の日本法人、Trip.com Japan(トリップドットコムジャパン)は12月10日、「当サイトにおける疑惑の見つかった販売業者に関して」と題した声明を、ウェブサイト上に公表した。
トリップドットコムは契約を結ぶ販売業者のうち、疑惑の見つかった10社に対して販売停止の措置を実施した。10社経由での予約は403件で、12月7日午後6時までにそのうち8割では部屋の確保を行っていたことが確認できたという。残り2割の予約については12月12日までに改めて状況を報告するという。同日までに確認ができなかった場合、部屋のアップグレードもしくは全額返金に加え、1泊目の料金を賠償する。さらに、部屋の手配ができなかった場合には、最初の1泊目の料金の3倍相当額を賠償する。一方で、不当に高額のプランを予約し、予約が確定した人に対する返金については触れられていない。販売業者が存在しないのではないかという疑義については、「観光庁観光産業課観光業務適正化指導室に対して関連する資料を提出済みであり、審査の結果により販売業者の存在が証明されるものと考えている」とした。一方で、疑義のある販売業者名は現在までに公表していない。
予約確定後に宿泊施設側が予約を確認できなかった事例については、トリップドットコムが販売業者からの確定連絡を受けたことから、利用者に予約確定の連絡を送付していたという。販売業者に事実確認したところ、販売業者は仕入れ先から予約確定の連絡を受けてから、利用者に予約確定の連絡をしたものの、その後、販売業者が仕入れ先から予約確定を覆されたという。販売業者はその予約を成立させるために、他の仕入れ先で同様の宿泊プランを探していたため、即時に連絡を取らなかったとしている。利用者は宿泊日の食事の件などで宿泊施設に連絡した際に予約が入っていないことに気づき、トリップドットコムのカスタマーサポートセンターへ連絡し、何度かやり取りしたかものの予約確認が直前までできないとの事に納得せず、キャンセルを希望したという。トリップドットコムではこの際、予約が実質的に確定していないにも関わらず、全額キャンセル料を徴収すると案内していた。この利用者に対しては、12月7日に代わりの部屋を無料で手配することで、和解が成立したとしている。
高額なキャンセル料については、販売業者から提供されている宿泊プランのキャンセルポリシーを掲載していることから、今後は機能を細かく設定できるよう充実させ、販売業者により正確なキャンセルポリシーを提供するように求めていくという。予約が成立していない場合、利用者からキャンセル料を徴収することはないとした。
宿泊施設のプランや部屋タイプが当初から存在しないものになっていたことについては、宿泊施設の画像や宿泊可能人数、部屋タイプ、食事、宿泊料、キャンセルポリシーなどはそのまま掲載しているといい、問題があった際にはすぐに修正するという。販売業者から提供された金額が高額な場合、現在の価格管理システムを改善し、特に日本市場に対してより厳しい管理を行っていくとして、「掲載された情報に誤りがございましたら、ぜひご連絡いただきたく思います」とした。
利用者からの問い合わせはカスタマーサポートセンター(電話:0120-925-780/24時間対応・年中無休、メール:jp_customerservice@trip.com)で受け付けているほか、宿泊施設からの問い合わせは対応窓口(電話03-6262-7341、03-6262-7343、03-6262-7345/平日午前9時30分から午後10時まで、メール:hotelresoversea@trip.com)を開設するほか個別に案内を行い、各地で説明会などを行うという。
観光庁は、「海外OTAを利用する際はご注意ください!」と題した注意喚起文をウェブサイト上に掲載したほか、東京都ホテル旅館生活衛生同業組合と日本旅館協会東京都支部も12月5日付けで、「オンラインにて架空の客室が販売されている件」と題した書面を、組合員・会員に送付し、注意を呼びかけている。
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