アリタリア-イタリア航空の従業員は、10月31日までに会社の売却などについての回答がない場合、ストライキを実施することを通告した。AIR TRANSPOT WORLD(ATW)などが報じた。
アリタリア-イタリア航空は2017年5月に、破産手続きにあたる特別管理を開始すると発表。エティハド航空などからの20億ユーロの資金調達の条件となる従業員の削減策を、労働組合の了承は取り付けたものの、従業員が反対したことが理由で、イタリア政府から融資を受けて運航を継続しながら資産の売却や人員削減を進めていた。当初は売却先の選定を2017年11月までに行う予定だったものの、今年4月、さらに10月に度々延期されている。ロイター通信は交渉期限を12月15日まで延期する方針をイタリア政府が固めたと報じており、ストライキが実施される可能性が高まっている。
関心を示していると報じられている航空会社は、イージージェット、ウィズエアー、ルフトハンザグループの3社で、イタリア国鉄の傘下に置かれる可能性もあるという。短期的な緊急融資のみを認めている欧州連合(EU)のガイドラインに抵触する可能性もあり、売却先の選定を急ぐ。
アリタリア-イタリア航空は1946年に設立された、イタリアのフラッグキャリア。2008年には会社更生手続きを行い、不採算部門を切り離した。2014年にはエティハド航空が株式の49%を取得し、経営再建を行っていたものの、競争環境の激化により、赤字が続いていた。
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