関西エアポートは9月8日午後3時から会見を開き、山谷佳之代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)とエマヌエル・ムノント代表取締役副社長兼Co-CEOが関西国際空港の現状について明らかにした。
第1ターミナルは1週間程度で一部再開できる見通しを示した。比較的損傷具合が軽い南側から運用を再開する。A滑走路や誘導路の洗浄を開始しており、A滑走路は計器着陸装置(ILS)が損傷したことから、運用再開時にはカテゴリー1での再開となる見通し。
地下部分の浸水は解消しており、清掃作業や補修の必要がある箇所を確認している。滑走路や誘導路の排水は電源が確保できたことから、ポンプ車のほかに島内に備え付けのポンプも利用できるようになった。
また、神戸空港と伊丹空港での代替は、伊丹空港で20往復、神戸空港で15往復の運航が可能であるとして、航空局に試算を提出しているという。一方で、就航には地上ハンドリングなどの準備が必要で、準備している間に第1ターミナルの運用を再開できる可能性もあり、就航は復旧の進み具合に応じて判断することになるだろうとした。伊丹空港は全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)、神戸空港はスカイマークがすでに就航していることから、国内線の増便や国際線の運航が可能となるのではないかという。3社は実際に国内線の臨時便運航の検討、要望を行っていると明かした。
貨物地区は損傷が大きいものの、2期島を使用するフェデックスでは、出発便4便、到着便4便の運航をきょう9月8日より再開した。現況の確認は今朝から行っており、損害状況の評価、精査を始める。
空港へのアクセスは、連絡橋は対面通行が可能で、リムジンバスや工事関係者の車両などの一部に限り、通行できる。リムジンバスは16路線の運行を再開している。泉佐野駅・日根野駅から関西国際空港を結ぶシャトルバスは、JR西日本と南海電気鉄道がりんくうタウン駅まで運転を再開したため、りんくうタウン駅発着に繰り替えた。鉄道の復旧は早くて4週間かかる見通しで、関西エアポートはタスクフォースを設置し、アクセスの最適化の検討を始めた。1時間あたりの利用者の移動可能人数などを評価する。