北海道の高橋はるみ知事は、7月10日の定例記者会見で、JR北海道の経営見直し策の一環として、新千歳空港駅を苫小牧、室蘭方面へ延伸することを検討していることに対してコメントした。
高橋知事は、以前から国土交通省鉄道局も関心を示しているとした上で、現状では新千歳空港に到着した利用者は、隣駅の南千歳駅まで行った上で、苫小牧や帯広、釧路方面へ乗り換える必要があると説明。空港利用者は多くの荷物を持っており、「南千歳駅での乗り換えなく、新千歳空港駅から直接苫小牧方面、あるいは道東方面に行けるような鉄路ができればお客さまの利便性にも資するもの」として、白老町の民族共生象徴空間、登別温泉、洞爺湖温泉、道東へのアクセス向上により、大きな経済効果が生まれるとしている。
北海道は、過去にも新千歳空港駅の苫小牧方面への延伸を検討し、ワーキンググループを設置している。多額の費用を要することから、一度検討を終了している。南千歳駅と新千歳空港駅の間は単線であることなどから現在のままでは増便が難しく、利用者の増加にも対応できないことや、JR北海道が札幌都心圏で多くの収益を得て、ローカル線を支えていることから、経営見直し策の一環として検討してきた。実現には、国や鉄道建設・運輸施設整備支援機構による支援も必要となる。
