東京地方裁判所に破産手続きを申請したてるみくらぶが3月27日に国土交通省で開いた会見の質疑応答一問一答は次の通り。
■
ー今回IATAに対する支払いができなくなった最大の要因はどういうことか。
弁護士「会社の財務内容が悪化したことにより、23日の支払いに必要な支払額の資金調達ができなかった。会社としてはそれまで関係各所と協議を重ねて資金調達に奔走していたが、結果としては23日の支払いができなかった。」
ー既に旅行代金等を支払っているお客様の数、代金について。
弁護士「かなり現在精査している、はっきりした数字を申し上げられるわけではない。今回渡航された方、渡航をキャンセルされた方によって損害が発生してるかしてないかいろいろあると思う。一つの試算ですので、正確な数字については破産手続きの中で明らかになってきますが、ご迷惑をおかけしているお客様数は36,000件、総金額数は99億円余りが引っかかる可能性がある。」
ー最大でということでよろしいか。
弁護士「現状認識している資料からみる最大。」
ー「件」というのは「人」で置き換えてもよろしいか。
弁護士「お2人で1人の方が代金を払っていたりするので、件というのはその旅行数のグループがいらっしゃるということ。」
ー財務内容が悪化したというところの理由は。
社長「一昨年の春から新聞広告を打ち出しまして、一言でいうと媒体コスト、経費がかかり過ぎということで、それが一番の要因だと思っている。」
弁護士「旅行業はインターネットが非常に発達する中で、旅行会社だけでなくダイレクトに予約するお客さんが増えてくる。そういう中で旅行業として従来のような売上規模が維持できなくなる。そういう中で新しいことを試みられたということは、新聞広告と媒体を使われた。当然広告費用がかかってくるので、そういったことをしても黒字回復に至らずに、結果として資金繰り、財務内容が悪化していったと認識している。細かいことは破産管財人でも調査すると認識している。」
ー札幌、名古屋、大阪、福岡の4ヶ所に営業店があるということでよろしいのか。対面販売を行う拠点だったのか。
社長「対面販売をしておりますのは札幌と大阪の心斎橋支店の2ヶ所で、あとは対面販売はしていない。」
ー36,000件で大体100億円ということだが、各営業店ではどれくらいのお客様の数になるのか。
社長「36,000件の内訳はまだ私は聞いておりません。全体で把握しているだけ。」
弁護士「基本的にはインターネット販売が多いと聞いているので、大部分がインターネット販売だと聞いている。」
ー信用調査会社のレポートには、札幌、名古屋、大阪、福岡に営業所を構えているとある。今は札幌と大阪だけか。
社長「営業所はあるが、対面販売はしていない。」
ー福岡はどういった機能を。
社長「仕入れのための営業所といいますか、あまり人が中々集まらないのでスタッフは雇っているが、東京の業務の下請けなど、そういったことをやらせている。」
ー直前まで広告を出されていたと思う、支払いが滞った23日の新聞にも出ていたのはなぜか。
弁護士「IATAへの支払いができなくなったのは23日の夕方。それ以降は新規の販売は行っていないという理解。」
ー旅行業協会と協議するとおっしゃっているが、JATAに確認すると制度上1億2,000万円まで。金額的に足りないがそれをどのようにするのか。
弁護士「JATAでカバーできない部分は、破産手続きによる配当が有り得るというのが真ん中のお答えです。」
ーランドオペレーターや取引先の会社の未払金、支払いの滞りはどういう状態か。
弁護士「未払いは相応額あったと聞いている。この数字はまだまとまっていない。ただ裁判手続き上に出した仮の数字としては18億円くらい。」
ー一括入金キャンペーンということが書いてあり、一般の消費者は経営状態が悪いにも関わらずキャッシュを集めていたのではないかという見方をしている。
社長「全くそんなことはなくて、とにかくIATAがだめになったとしても、とにかく最後の最後までスポンサーの人、銀行の人とかけあって、きょうこのような状態になり、このような結果を招くととにかく全く考えていなかった。とにかく生きることしか考えてなかった。お客様に当然ですが無事飛んでいただいている。そのようなこと、それこそ本当に考えたことはない。」
弁護士「23日まで会社はいろんなスポンサー、金融機関と交渉。23日夜にIATAが払えないと、どうしますかということで24日以降方策を考えたということ。その時点でそれ以外の意図を持っていたとは聞いていない。」
ー弁済保証金と破産手続きによる配当、被害者のみなさんの総額には届かないと思う。旅行を予定して代金を支払った方、何割くらい返ってくると思ったら良いのか。
弁護士「現状で試算は難しいので何割とは申し上げられない。ただ例えば一般債権、特に顧客の債権が99億だとして、弁済保証金が1億2,000万円ということであれば、JATAからの返済はひとつそういった数字を元に試算できるかなと思う。いまの数字を計算していただければ。」
ーただ半分に満たないとか。
弁護士「1億2000万円に99億ですから、ざっくりいうと1%くらい。弁済保証金の配当の割合。」
ー返ってくるまでどれくらいの時間がかかるのでしょう。
弁護士「今後JATAと協議しなければならない。最低でも60日のお届けの期間があるのでそれ以上はかかる。協議してホームページ等で告知していく。」
ー旅行は代金の問題だけでなく、時間や思いも付随していくことだと思う。改めて被害者の皆さんにどんな思いを伝えたいか。
社長「本当に申し訳ないと思っている。とにかく皆さんのお役に立つことだけを思っていままでやってきたので、こういう事態になって最終的にお客様にご迷惑をかけることになってしまい本当に申し訳ないと思っている。」