国土交通省航空局は、日本航空(JAL)に対して3月28日付けで、3月21日にパリのシャルル・ド・ゴール国際空港で発生した、搭乗手続きを済ませていない乗客の搭乗と定員超過状態での運航開始について厳重注意を行った。
現地時間3月21日、パリ発東京/羽田行きのJAL046便(ボーイング777-300ER型機)で、駐機場から移動を開始した直後に定員超過が判明し、駐機場に引き返した。JAL046便はシャルル・ド・ゴール国際空港を定刻の午後7時に出発。定員超過が判明したため、午後7時25分に引き返し到着し、午後8時9分に再出発した。東京/羽田には定刻から28分遅れの、翌22日午後3時23分に到着した。出発時には座席を使用しない幼児1名を含む乗客246名と、乗員16名が搭乗していた。
搭乗手続き時に乗客1名に、別の乗客の搭乗券を発券。さらに別の乗客へも同一の搭乗券を発券したため、1つの座席に2名の乗客をアサインしたという。搭乗口などでの地上係員の確認が不十分だったことや、出発前に客室乗務員が問題に気づき調査を開始したものの、客室乗務員間の確認が不十分だったことや、1名の乗客が化粧室を使用していたことから誤認が生じ、正確な状況を把握するまでに時間を要したため、駐機場から移動を開始したという。定員超過判明後に駐機場に引き返し、二重に搭乗券を発券した乗客のうち1名が降機し、再出発した。降機した乗客は後続便を利用した。
国土交通省航空局では、今後このような事態が起きないよう、国際線の搭乗手続きや搭乗口通過時の本人確認と、国内線を含めた一連の搭乗手続きでエラーが発生した際に必要な確認の徹底方法、航空機の移動開始前の化粧室を含む機内での着席確認の徹底、自社と委託先職員に対する適切な業務実施の徹底を求めた。JALは原因究明の上で再発防止策を検討し、4月11日までに国土交通省航空局に報告する。
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