「ことでん」こと高松琴平電気鉄道の人気キャラクター「ことちゃん」と、ひたちなか海浜鉄道那珂湊駅の人気者「黒猫“おさむ”」がキャラクターグッズで“共演”します。香川県と茨城県、遠く離れた2つのローカル鉄道を結んだ縁は「鉄道演劇」でした。
ことでんとひたちなか、合わせるとハート型に
香川県の「ことでん」こと高松琴平電気鉄道と、茨城県のひたちなか海浜鉄道が2015年9月19日(土)から、新しいキャラクターグッズを販売します。
「ラバーキーホルダー」はことでんのキャラクター「ことちゃん」バージョンと、ひたちなか海浜鉄道のキャラクター「黒猫“おさむ”」バージョンがあります。2つを合わせるとハート型になり、恋人同士や仲良しのお友だちと揃えたくなる仕掛けです。
「クリアファイル」は香川県の「うどん」、茨城県の「ほしいも」といった名産が日本地図の上に描かれ、その真ん中で「ことちゃん」と「おさむ」がハイタッチした絵柄です。日本の東西を結んでいるようなイメージになりました。
販売場所は、「ことちゃんラバーキーホルダー」がことでん瓦町駅窓口、ことでんオンラインショップ、「おさむラバーキーホルダー」がひたちなか海浜鉄道那珂湊駅窓口です。クリアファイルは上記の各窓口・オンラインショップで販売されます。
「ことちゃん」は、「ご当地キャラ総選挙2013」で第3位に入賞したイルカのキャラクターです。「黒猫“おさむ”」は、ひたちなか海浜鉄道の那珂湊駅に住む実在の駅猫がモチーフです。どちらもメディアなどで有名になりました。今回のコラボグッズは、それぞれのキャラクターのデザイナーが新たに描き下ろした絵柄になっているそうです。
しかし高松琴平電気鉄道とひたちなか海浜鉄道は、香川県と茨城県、電化路線と非電化路線、キャラクターはイルカとネコ。共通点が見当たりません。どうしてコラボグッズが誕生したのでしょうか。
「ローカル鉄道演劇」が結んだコラボレーション
8月30日に東京・青山で開催された「ローカル鉄道演劇ナイト」。「シアターキューブリック」劇団員、客演女優、主題歌を担当したシンガーソングライターのオオゼキタクさん、これまでに「鉄道演劇」の舞台になった銚子電鉄、樽見鉄道、そしてこれから上演が行われるひたちなか海浜鉄道の担当者も登壇しました。
実は、このコラボグッズのきっかけは「ローカル鉄道演劇」です。東京・墨田区の劇団「シアターキューブリック」が、ローカル鉄道会社とタッグを組んで創作するコラボ企画です。走行中の列車が劇場となり、役者さんは列車のなかで演じ、観客も車内で繰り広げられる物語を至近距離で鑑賞します。その日、その時刻だけの車窓風景、天候によって異なる遮光、列車の走行音も演出効果に取り込むという斬新なスタイルで、「旅をしながら演劇を楽しめる」エンターテインメントとのこと。脚本には土地ごとの魅力が盛り込まれ、幕間のイベントとして、折り返し駅で観客も下車し「まちあるき」を楽しめます。
「シアターキューブリック」はいままで、銚子電鉄や樽見鉄道で公演してきました。そして今年9月に高松琴平電気鉄道、11月にひたちなか海浜鉄道でも公演を行う予定。それぞれ演目は別の物語ですが、配役や背景がリンクしているそうです。そこで、ふたつの鉄道会社を結ぶ架け橋のひとつとして、先述した両社公認オリジナルキャラクターが作られました。これらのグッズは、先ほど紹介した鉄道会社の窓口だけではなく、公演期間中のグッズ売り場でも購入可能。「シアターキューブリック」ネットショップでは全種類を扱っています。
「シアターキューブリック」のローカル鉄道演劇は、高松琴平電鉄では9月19日から23日までの毎日、ひたちなか海浜鉄道では11月7、8、14、15日に、それぞれ1日2~3回上演されます。