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トヨタ・アイゴ | PSAとの業務提携によって生まれたプジョー107/108&シトロエンC1の兄弟車


「なんでこんないいクルマが日本で普通に買えないんだ!?」




そのブランドのファンや関係者ならずとも、そう憤慨したくなるような日本未導入モデルは、グローバル化がこれだけ進んだ今なお、数え切れないほど存在する。




そんな、日本市場でも売れるorクルマ好きに喜ばれそうなのになぜか日本では正規販売されていないクルマの魅力を紹介し、メーカーに日本導入のラブコールを送る当企画。今回は、トヨタが欧州で生産・販売するAセグメントの3ドア&5ドアハッチバック「アイゴ」を紹介したい。




TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●トヨタ自動車、ステランティス

初代トヨタ・アイゴ

トヨタとPSA(現ステランティス)との協業は2002年に設立された合弁会社「トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモビル・チェコ」(TPCA)と同国内のコリン工場から始まった。その最初の成果として、プジョー107、シトロエンC1とともに2005年に誕生したのが、初代トヨタ・アイゴだ。やがてこの三兄弟は2014年にフルモデルチェンジし、現行モデルの二代目(プジョーは「108」に車名変更)となっている。

二代目トヨタ・アイゴ前期型

現行二代目アイゴが持つ最大の特徴は、日本の若者文化にインスパイアされたというエクステリアデザインだろう。中でも、ドアミラーからヘッドランプ、上下のグリルをX字型に縁取ったフロントマスクは、独創的なデザインを強みとするフランス車のプジョー108やシトロエンC1よりもむしろ大胆かつスポーティだ。それでいながら全体のプロポーションも破綻しておらず、そのデザインの完成度は極めて高いと言えるだろう。

二代目トヨタ・アイゴ後期型

プジョー108
二代目シトロエンC1

2018年のマイナーチェンジ以降は、ヘッドランプとグリルの間がブラックアウトされなくなったことで、ややコンサバティブになったものの、それでもスタイリッシュなAセグメントハッチバックであることに変わりはない。しかもこのデザインを、全長×全幅×全高=3465×1615×1460mm、ホイールベース2340mmという、軽自動車のダイハツ・ミライース(全長×全幅×全高=3395×1475×1500mm、ホイールベース2455mm)を少し大きくした程度のボディサイズで実現しているのは驚きだ。

機能的かつポップに仕上げられた二代目トヨタ・アイゴの運転席まわり

後席の空間は決して広くないもののシートサイズは大きめ。窓ガラスはポップアップ式
フロントシートは全車ともシートバック一体型
後席使用時の荷室容量は168L

室内のデザインはシンプルかつ機能的ながら、グレードによってはボディ同色の加飾パネルが装着されるなど、遊び心のある仕上がり。そしてトヨタ車らしい質感の高さを兼ね備えている。

165/60R15 77Hタイヤを装着

サスペンションは形式こそ初代よりフロント・ストラット式、リヤ・トーションビーム式を踏襲しているが、フロントはロアアームなどの形状を見直しており、リヤもトーションビームをプレート構造からパイプ構造に変更。電動パワーステアリングもモーターの容量をアップしている。




ボディは初代に対しスポット溶接点数を119ヵ所増やして544ヵ所とし、ドア開口部やホイールハウスまわりなどを重点的に強化したほか、フロアブレースの厚みを1.2mmから2.3mmにアップ。空力も全面的に見直してCd値を0.30から0.29へと下げつつ揚力を抑えることで、タイヤの接地性を高めてステアリングレスポンスと直進安定性、乗り心地を同時に向上させている。2018年のマイナーチェンジではさらに、ダッシュボードに吸遮音材を追加することで、室内のNVHを大幅に低減した。




エンジンは72ps&93Nmの1KR-FE型1.0L直3NAエンジンのみを設定するが、トランスミッションは5速MTのほか2ペダルの5速ロボットMTも選択可能。決してハイスペックではないが、車重は840~910kgと軽量なため、初心者でも少ないパワー・トルクをフルに使い切って走る歓びが得られるはずだ。

TMMCZでは2021年より新型トヨタ・ヤリス(右)の生産も担当する予定

この二代目アイゴはデビューからすでに7年が経過しており、三代目への世代交代を早ければ2021年内にも行うと見込まれている。一方、生産拠点のTPCAは2021年1月1日よりトヨタモーターヨーロッパ(TME)の単独所有となり、名称もトヨタモーターマニファクチャリング・チェコ共和国(TMMCZ)に変更されたこともあり、プジョー108とシトロエンC1は現行モデル限りで生産・販売を終了すると予測されている。

トヨタ・パッソ

さて、ここで気になるのが、ダイハツからOEM供給を受けて日本で販売しているAセグメントハッチ、パッソの今後だ。現行モデルの三代目は2016年に発売されたが、2年後の2018年には早くもマイナーチェンジを受けている。また、パッソのモデルサイクルは初代・二代目とも6年間と短いことを考慮すると、こちらもそろそろフルモデルチェンジされても不思議ではない。




となれば、アイゴとパッソを統合し、グローバルで生産・販売するのが合理的ではないか。コストコンシャスな女性向けに特化して作られたパッソよりも、老若男女問わず幅広いユーザー層に受け入れられるアイゴが、世代交代とともに日本へ導入されることを、期待せずにはいられない!

■トヨタ・アイゴJBLエディション *イギリス仕様


全長×全幅×全高:3465×1615×1460mm


ホイールベース:2340mm


車両重量:840~910kg


エンジン形式:直列3気筒DOHC


総排気量:998cc


最高出力:53kW(72ps)/6000rpm


最大トルク:93Nm/4400rpm


トランスミッション:5速MT


サスペンション形式 前/後:ストラット/トーションビーム


ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ドラム


タイヤサイズ 前後:165/60R15 77H


乗車定員:4名


車両価格:1万1203.33ポンド(約160万円)
トヨタ・アイゴ

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