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バンパー修理の作業時間を半減、異種材接合のプライマーとしても幅広く活用可能


幕張メッセで12月4~6日に開催された、業界関係者を対象とする材料・加工機械の総合展示会「第10回高機能素材Week」(注:業界関係者向け商談展のため一般および18歳未満の入場不可)。




同展示会は「第10回高機能フィルム展」「第8回高機能プラスチック展」「第6回高機能金属展」「第4回高機能セラミックス展」「第3回接着・接合EXPO」「第2回高機能塗料展」「第29回液晶・有機EL・センサ技術展」「Photonix2019」の8種類で構成されている。




このうち「第3回接着・接合EXPO」には、「フクピカ」や「ガラコ」をはじめとした一般向けカー用品に加え、業務用洗浄・コーティングツールを数多く手掛けるソフト99コーポレーションが出展。素材の表面を改質し密着性を高める「フレイムボンド」を出品し、その施工作業を実演した。




REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)


PHOTO●遠藤正賢、ソフト99コーポレーション

 コーティング剤のノリともちが悪い、色が早く褪せてくる…。




 愛車の手入れを自分でしているクルマ好きならば多くの人が、ドアやボンネットなど金属(主に鉄鋼)製のパネルに対し、バンパーやスポイラーなど樹脂(主にPP(ポリプロピレン))製のパネルは扱いにくいことを、少なからず感じ取っているのではないだろうか?




 これは、PPが鉄鋼に対し親水性が低く、塗料やコーティング剤などとの密着性も低いために起こる現象。擦ったりぶつけたりして修理するうえで、細かな凹凸を埋めるパテを塗り、はがした色を塗り直す際にも、同様の悩みをプロの鈑金塗装工場でも抱いていた。そうした悩みを解消し、バンパー修理の作業性を大幅に向上させるため、2012年に誕生したのが「フレイムボンド」だ。

フレイムボンドによるステンレス430の電子顕微鏡写真およびシリコンウエハーのレーザーマイクロスコープ観察比較。改質後は表面に酸化ケイ素の微細な凹凸が形成されているのが分かる

 特殊改質剤である有機液体金属を混合した燃焼炎を対象物の表面に吹き付けることで、親水性の高い酸化ケイ素膜をナノレベルで形成。本来は塗料やコーティング剤、接着剤が定着しにくいPP・PE(ポリエチレン)といった樹脂系素材やステンレス・アルミ等のメタル素材、ガラス系素材や木材系素材、ゴム系素材であっても、塗料やコーティング剤、接着剤との密着性・接着性が大幅に向上する。

PP製バンパー塗装工程の時間比較イメージ図

 そのため、特にバンパー修理では、従来の足付け(素材の表面をサンディングペーパーなどで薄く傷つけることで塗料などの密着性を高める作業)やプラサフ(プライマーサフェーサー)塗装による従来の下地処理に対し、作業時間を半減できると同社では見込んでいる。




 このフレイムボンドは、自動車保険の等級制度改定が行われた直後の2012年12月に発売。軽微なバンパーの傷・凹みに対し、車両保険を使って新品部品に交換するのではなく、その後増えるであろう自費修理のニーズに対応するものと目されていた。

フレイムボンドを用いた接合サンプル。樹脂同士、あるいは金属・樹脂・ゴムなど異なる材料を組み合わせた例も

PP同士をフレイムボンドで改質してからテープで接着し、その後剥がそうとしても、写真の通りテープの方が壊れてしまう

 だが、ADASの普及によってバンパーやその内側にセンサーを装着する車両が増えたことで、バンパー修理の工数と難易度が増大。こうした動向なども相まって、「現在では建築を中心に他分野での異種材接合用プライマーとして用いられるのが主流になっている」と、同社営業統括本部副本部長兼新事業開発営業部長の高見敏也氏は説明している。

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