「第46回東京モーターショー2019」で世界初公開となったホンダ CT125。別名“ハンターカブ”とも呼ばれるCT125は、スーパーカブの新たな価値を提案する、オフロードの走破性に配慮したつくりがポイント。1981年(昭和56年)に発売された先代モデル「CT110」を“ほぼそのまま”継承したフォルムに注目だ。
PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
今も人気の高い“ハンターカブ CT110”と瓜二つのコンセプトモデル「ホンダ CT125」
「ハンターカブ」とは、1960年初頭からアメリカで販売されていた、スーパーカブベースのトレッキングバイクの愛称。山や川、荒地、獣道などのトレッキング&トレール走行、ツーリング、街乗りなど、幅広い用途に対応できるよう開発されていたのがポイントだ。
国内では、1968年(昭和43年)に、日本専用の量産型50cc版ハンターカブ「CT50」がリリース。また、1981年(昭和56年)に、「CT50」の復活バージョンとして、CT系シリーズ最大の排気量を誇る105ccの「CT110」が登場。
CT110は、国内では短期で絶版となったが、海外での人気は高く、輸出仕様(CDI点火&サブミッション付きモデル)はロングセラーとなり、国内に並行輸入され、販売された時期もあった。
国内において、ハンターカブの代表的モデルといえば、“赤いCT110”と認識されることが多い。大きな理由は、歴代のハンターカブの中では、国内の中古車市場においてCT110のタマ数が圧倒的に多いから。
今でも多くのフリークに支持されているハンターカブが、「第46回東京モーターショー2019」で見事に復活。そのフォルムは、ハンターカブの代名詞とも呼ぶべき“赤いCT110”に瓜二つ。しかし各部は明確に進化している。
「CT125」は“ハンターカブの代名詞”である「CT110」のフォルムを継承。しかし着実に進化!
「CT125」は、スーパーカブをベースに、街乗りでの使いやすさと、自然の中でも楽しめる機能性を両立。スチール製フロントフェンダーやリヤフェンダーは、悪路走行を想定して、タイヤとのクリアランスを確保。タイヤはオフロードでの走破性を考慮して、ブロックパターンを採用している。
マフラーは歴代のハンターカブに継承されてきた、スクランブラー風のアップタイプ。リヤキャリアは、キャンプ時など大型荷物の積載に威力を発揮する、超ワイドタイプを装備。
左サイドには、個性的な「ハイマウント吸入ダクト」と「サイドエアクリーナー」をレイアウト。吸入ダクトを上部に設けた理由は、悪路走行時のホコリ吸入を防ぐため。小石の跳ねなどからエンジン下部を守るエンジンガード、転倒時のダメージを抑えるバンパーも健在だ。
エンジンのスペックは明らかになっていないが、排気量は“歴代ハンターカブ最大”の124cc、最高出力9.7馬力の「スーパーカブC125」がベースになっている模様。105ccエンジンを搭載した、先代の「CT110」の最高出力が7.6馬力だから、“歴代ハンターカブ最強”と考えていいだろう。
「CT125」の注目点は、前後ブレーキが抜群の制動力を誇るディスク式に進化したところ。前後ホイールは、スーパーカブや先代のCT110と同寸の17インチ。タイヤのサイズは、フロントに2.75-17、リヤに3.00-17を採用している(CT110は前後とも2.75-17)。
CT125の国内発売はいつ頃?
CT125は東京モーターショー2019のために製作されたコンセプトモデル。ホンダによると、国内発売の有無や時期については未定とのこと。「まずは東京モーターショー2019での、一般ユーザーの反応を見てみたい」とコメントしている。