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ボルボXC40のメカニズムを徹底解説!


まずはCセグメントのSUVから市販車採用が始まったボルボCMAプラットフォーム。これまでの同社の技術リソースをふんだんに用いるとともに、さらに高効率化と高性能化を目指し、新型として仕立てられている。多くの人の興味を引くXC40の斬新なエクステリアの内部には、果たしてどのような設計思想が隠されているのだろうか。


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意欲的なスタイリング

Aピラーの根元を寄せ、フロントフードを長くキャビンをコンパクトに見せる。直線基調のスタイルは、ライバルの中にあって非常に個性的。ドア下方の六角形状のプレスラインとウインドウ後端のキックアップライ ンに共通性を見出せる。全長は4425㎜、軸距は2700㎜。

新型プラットフォーム

「CMA」と称するモジュラー設計をボルボとして最初に採用する。前軸とコクピット側フットボードの寸法、 つまりパワートレインの搭載方法を固定条件とし、ほかをフレキシブル設計とすることで開発の効率化を図る。 なお、60/90シリーズには同様の「SPA」を用いる。

パワートレインとシャシー

2018年現在のボルボ車はすべて、パワートレイン横置きのFWDベース。エンジンもモ ジュラー設計思想とし、XC40では2.0ℓの直列4気筒から過給によってバリエーションを 創出する。

コクピットの視界性能

Aピラーを手前に引いたデザインからもたらされる前方視界は良好。セン ターディスプレイがダッシュボード上方に飛び出ていないことも視界性 能を助けている。サイドミラーはドアマウントとし、死角を極力排除する。

前後シートの仕立て

前席は調整幅が大きく、ポジションの設定には困らない。ヘッドレストが前傾しているのは、万一の衝突時の頸椎保護を意識したからだと思わ れる。後席のシート容量も充分、足元のスペースも存分に確保される。


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XC40のボディ部材構成

赤色で示すUHSSでA/B/Cピラーとサイドシル、フロアのサイドメンバーを環状構造としているのがボルボ のボディ構造の特徴。重量比で20%の使用量。郊外においてヘラジカなどの大型動物と衝突すると、高い位置にある胴体が直接キャビンに飛び込んでくることへの対応。路外に逸脱した際の横転時にもボディ変形を抑制する。フロントサイドメンバーやセンタートンネル、 サイドシル中央部にはVHSSを用いることで強度と軽量化を両立させる。一方でアルミ部材の使用はバンパービームとクラッシュボックスのみにとどめている。

生産工程におけるボディ

UHSSで構成されるピラー~ルーフ~サイドシルのフレーム一式。
車台状態での搬送の様子。 リヤ側から眺めたところで、ボディ下部の構造が見て取れる。 サイドメンバーは屈曲点を持たず、なだらかに側方から後方に流れている。


ストラットタワー

SPAでは鋳造アルミとしていたストラットタワーは、CMAでは鋼製部品を用いる。マクファーソンストラットで あることが理由。部材はトップマウント部がVHSS、タワー部がHSS。左右を連結する構造であることがボディ塗色からもわかる。バルクヘッドとも連結する構造とすることで過大入力によるボディ変形を抑制する狙い。

ボンネットフード

フロントフェンダーを横に走るラインから開く、クラムシェル型フードを 採用。部材はアルミ合金。開き角とボディ緩衝を両立させるために、ダブルヒンジを用いている。開閉はガスダンパー式。

側突実験の様子

50㎞/hで90度の方向から進入してきた側突の直後、ほぼ同じタイミングで 右前方と上方から眺めた実験映像。キャビンにのみ直接衝突しているにもかかわらず、変形部は大きく割り込むことなく保たれている。UHSSによる 環状構造の威力がよくわかる。

スウェーデンにおける交通事故種別比

道路逸脱事故と大型動物との接触事故が多いというのがスウェーデンにおける事故の特徴。ともにキャビンの変形が命取りとなる。ボルボが早い時期からボディの強度確保に努めてきた理由のひとつだ。

T5パワートレイン

上が後方から、右が前方から眺めたところ。ご覧のように前方吸気 /後方排気のレイアウトをとる。 直噴式であるインジェクターの最 大噴射圧は20MPa。鈑金製の排気 マニフォールド+タービンハウジ ングを用いて排ガスの低温化を抑 え、タービンホイールに与えるエ ネルギーを最大限活用する。ター ボ直後にセットする触媒への流入 温度も高くできるため、早期活性化にも寄与する構造だ。インタークーラーは空冷式。

電動ウォーターポンプ

エンジン回転数によらず、必要な時に必要な量の冷却水を送り込めるのが電動式のメリット。渋滞時の大流量、暖機時のストップなど、自在な制御が可能だ。エンジン外部に備えることで配置にも自由度がある。吸気マニフォールド下にセットする。

T4エンジン

右ページのT5と見比べても、外見としては瓜ふたつ。事実、ハードウェアの大半は同一だ。 T4は圧縮比を高めバルブタイミングを吸気早 閉じとすることでミラーサイクル化、高効率と出力のバランスをとる。

8速AT

XC40のT4/T5ともに 搭載する8速ATは、アイシン・エィ・ダブリュ製。6速ATとほぼ同等のサイズながら多段化を実現した。V60も同じユニットを用いる。最大許容トルクは480Nm。

カップリングユニット

プロペラシャフトからリヤデフへの湿式多板クラッチを電子制御で断続し、必要な駆動力と効率の両立をシームレスに図るAWDシステム。そのカップリングユニットはボルグワーナー傘下のハルデックス製。油圧発生のための電動ポンプが見てとれる。

リヤサスペンション

ともに右側を前方から眺めたところロワーリ ンクは空力を考慮してカバーを装着する。ナックル前方にはトーコントロールリンクが 接続される。
アッパーリンクはストローク時にサイドメン バーと干渉しないV字形状としている。鋼板鈑金製のモナカ合わせ構造。


パワートレインとシャシー

1ページ目の写真と同じものを角度違いで眺めたもの。双方を見比べると、フロントのサブフレームの形状、ストラットの取り付け角度、リヤのトレーリングリンクの角度とブッシ ュの位置関係、リヤのサブフレームの形状などがわかる。 搭載されるのは4気筒版のパワートレイン。

フロントサスペンション

写真は右側を後方から眺めたところ。ストラット式。 Aアームは鋼板鈑金製のものを上下合わせで用い る。タイロッドは後ろ引き。

フロントとリヤセクション

上がフロント、下がリヤ。フロントはアンダーカバーを外して撮影している。パワートレインの左右構成はほぼ50:50、エンジン/トランスミッションともにトルクロッドを備え、振動騒音対策としている。リヤはアーム類に整流板を備え、空力に配慮している。

RACAMセンサー

ミリ波レーダーとシングルカメラを一体化する「ASDM」をフロントガラス上方に備え、キーデバイスとして用いる。カメラの解像度を高めたことで、赤外線レーザーレーダーを廃することに成功している。

シティセーフティ

高解像度高処理のカメラにより、赤外線レーザーレーダーの範疇だった歩行者/自転車を認識する性能を有する。さらに、大型動物の検知も可能なところがお国柄。ドライバーへの警告と緊急ブレーキ機能を備える。

360度カメラ

4 つのカメラ映像を合成し、センターデ ィスプレイに投影する。自車が周囲に対してどの位置にいるのか、旋回軌跡はどのようになるのかを示す。駐車時はもちろん、狭いところからの脱出などにも非常に有用だ。

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