3Dプリンターで 作る! 楽しむ!
プラスチックのフィラメントを加熱し溶融、溶かし積層することで立体物を作り出していく3Dプリンター。syunnya0413さんが組み上げれば動くEJ20のYouTube動画を見て、「俺もつくってみたい!」という気持ちにストレートに、なんの前知識もなくスタートした制作活動。トライアンドエラーを経て出来上がったのは手の上から零れ落ちそうな大きさのEJ20だった!
製作者であるsyunnya0413さんが手に持っているのは、長いタイミングベルトでオールドファンにはおなじみの、水平対向4気筒16バルブDOHC、EJ20のミニチュアモデル。
そのスケールは1/3。モーター駆動で各部のパーツが動き、ヘッドやブロックが外れ、カットモデルのようにエンジン内部の作動状態を確認できる仕様となっている。
コトの始まりは、2年前の6月。ユーチューブにアップされていた、エリック・ハレルさんの動画で、ミニチュアのEJ20が動いているのを目にした時。
オイルパンの側面にセットされるプラグからのAC電源で内部にあるモーターを駆動、クランクシャフトを回すことで、エンジン全体のムービングパーツが動く。外観上はタイミングベルトやプーリー、フライホイールなどが回っているだけのように見える。だが、マグネットで留まっている、あの特徴的な赤いインテークマニフォールドを外すと、そこでは2気筒分の短いカムシャフトが、さらにカットされているエンジン上面を外すと、そこでは4本のピストンと16本のバルブが動いているのが見えるのだ。
GDBE涙目インプレッサ WRX STi
スバルのカタログで見るようなカットモデルの世界。それが手のひらの上で動いている様は、感動的なもの。自らもGDBに乗るsyunnya0413さんは、この模型がイッキに欲しくなった。しかし、この模型、世界中を探してもどこにも売っていないモノ……。というのも、このモデルはネット上でエリックさん本人がオープンソースとして公開した図面を用いて、自分自身の3Dプリンターでプリントアウトしたものだったからだ。
マグナカルタレプトン
そこから試行錯誤の日々がはじまった。3Dプリンターを吟味し、CADの経験のない中でデータと格闘、プリンタの精度誤差やエラーと戦い、仕事が終わってからの2、3時間の作業を淡々と続け、練習のための他エンジンのプリントを経て、EJの完成まで10ヶ月がかかった。樹脂パーツだけで46個。しかしディテールまでこだわったエンジンは今、syunnya0413さんの手元にある。
「丸いものをプリントしたら楕円がでてきました」というレベルから体当たりで始めて、辿り着いたEJ20は軽々と回るだけでなく、モーターの回転数も変えられるモノ。「入手が容易い市販のベアリングやナットを使用できることも1/3サイズの理由かも」とsyunnya0413さん。
図面どおりだと逆転インマニ的なレイアウトの赤いインテークマニフォールド。
赤い樹脂でプリントされたヘッドカバーを開けるとカムシャフトが覗く。
エンジンの主役のムービングパーツが一同に見渡せるのも見どころ。
プリンターなどに使う市販品のベルトを流用した長いタイミングベルト。
動くカットモデルで、ピストンとバルブの作動タイミングが一目瞭然。
3Dプリンターでつくる日米エンジン模型の世界をチェック!
Amateur 3D Printer
EJ20をはじめ、syunnya0413さんの「動くエンジン」動画はYouTubeサブチャンネルAmateur 3D Printerにて公開されている。今では自ら図面を作成し、ロータリーエンジンなどを製作するまでに。メインチャンネルは板金業を営むプロ目線から、DIYのさじ加減で行うお手軽補修などの動画も。
https://www.youtube.com/channel/UCef2WFy1y8g5Pg9Hq1r2VWA
ericthepoolboy
syunnya0413さんがエンジンの3Dプリントにハマるきっかけとなったエリック・ハレルさんのWEBサイトには、YouTube動画へのリンクのほか、いままで製作されたパーツの図面データなどが公開されている。アナタも挑戦してみては?
https://www.thingiverse.com/ericthepoolboy/
スバルスタイル vol.002より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ_古川教夫]