アゲのプロフェッショナルロードハウスに聞いてみた
UP!STYLEのキ・ホ・ン
まずはアップスタイル、つまりアゲ系とはどんなものか。簡単に言えば、ノーマルよりも車高を上げたスタイルのこと。ルーツは、ランクル、パジェロ、ジムニーなどのクロカン四駆が、悪路を走るときのアプローチアングルに余裕を持たせるために車高を上げていたことで、つまりは機能性向上のため。それが今では、ひとつのカスタムスタイルとして幅広い車種に浸透し、車高上げとブロックの大きなタイヤ、力強いホイール、ランプステーなどの定番アイテムとともに、アゲ系スタイルとして確立されてきたのだ。下の3台はノーマル、1・5インチ上げ、5・5インチ上げの比較写真。ノーマルに比べると入門向けの1・5インチ上げでも十分に迫力がある。まずはこのあたりから始めるのがベストだ。
アゲの定番手法
アップサス+純正ショック
上げる手法は足の構造や上げ幅によって変わるが、手軽なのは、純正よりも長いバネに交換して車高を上げる方法。写真はロードハウス製のエクストレイル用アップコイル。これで1.5インチ(約38ミリ)アップ。
さらにアゲるなら…
写真はロードハウス製のボディアップキット。サスペンション上部とメンバー部にブロックを加えることでその分車高を上げる。これで4インチ(約101ミリ)上がる。より高さを求める上級者向けのメニューだ。
ノーマル
現行モデルのエクストレイル(T32後期)。様々な先進安全装備を備えた今どきのSUVだが、ヒルディセントコントロールや防水シート、4WDのモード切替ができるなど、本格的なクロカン性能も併せ持つ。ノーマルからして適度に車高は高いが、オンロードタイヤがちと寂しい。
SPECIFICATION
サスペンション=ノーマル
ホイール=ノーマル(17×7.0+45)
タイヤ=ノーマル(225/65-17)
1.5インチUP
初めの一歩としてお薦めな1〜2インチアップ。ノーマルと比べるとかなり迫力が増すが、純正ショックを流用し、バネだけで実現できる手軽さが魅力。オフ系タイヤはゴツゴツしがちだが、ロードハウスのアップコイルはそれを考慮して開発してあるので、乗り心地も悪くないそうだ。
SPECIFICATION
サスペンション=アップコイル1.5inch
ホイール=ブラッドストック(16×8.0+13)
タイヤ=BFグッドリッチ・オールテレーンT/A KO2(235/70-16)
5.5インチUP
ローダウン同様にハマるとエスカレートしたくなるのがカスタム。1〜2インチアップを経て、もの足りなくなったら5インチ以上のアップに挑戦するのもアリだ。ただし、車種によっては足まわり以外にも灯化類の移設や乗降性の確保などプラスαのメニューが必要になる場合もある。
SPECIFICATION
サスペンション=アップコイル1.5inch+ボディアップキット4inch
ホイール=ブラッドストック(16×8.0+13)
タイヤ=BFグッドリッチ・オールテレーンT/A KO2(265/70-16)
ロードハウス的アゲ系定番メニュー
車高を上げた次には、どんなメイクを進めていこうか。アゲ系にはローダウンスタイルとはひと味違うパーツが定番としてある。まずはどんなアイテムがあるのか、チェックしておこう。
ランプステー
無骨さを生み出すフロントパイプを備えたランプステー。最近ではパイプを模したエアロパーツもある。
ボンネット
山間部に上がるには、エンジンを回す機会も多く、実はエンジンの熱だれ対策は重要。見た目にもスポーティ。
サイドステップ
サイドの迫力を増すサイドステップもぜひ採り入れたパーツ。乗降性の確保にも役に立つ。
ルーフライト
灯化類の追加も人気メニュー。写真はエクストレイル用でロードハウス製ブランド「カディス」の新作。
ルーフラック
ルーフラックは必須メニュー。実際にアウトドアに行く場合、汚れ物を載せられるなど実用性も高い。
マッドフラップ
お手軽パーツとして人気のマッドフラップ。ボディの汚れ防止、後方への石飛び防止など実用性も高い。
タイヤ&ホイール
オフ系タイヤと無骨なホイールは定番中の定番。ロードノイズは多少なりとも出るがそれでも手にしたい。
オーバーフェンダー
ファットなオフ系タイヤを履くなら、オバフェンもぜひ手に入れたい。ボディのワイド感が高まり、迫力が増す。
プロテクター
荷物の積み降ろし時のキズ防止となるプロテクターは、実用性もあり、カスタムのアクセントとしても効果的。
マフラー
車高を上げるとリアが少しもの足りなくなる。パイプのレイアウトにもこだわったマフラーで迫力をアップ。
アゲ系メイクはココに注意
タイヤ外径
オフ系タイヤを履く場合、意図的にタイヤ外径を純正よりも大きくして車高アップ量を稼ぐ手法がある。その場合、インナーへの干渉やフェンダーからのはみ出し、メーター誤差等を気にする必要がある。
灯化類の位置確認
ヘッドライトやバックランプ、ウインカーには、地面やボディ外端からの距離制限がある。車高アップやオバフェン装着により、車種やその度合いによっては写真のような移設や灯化類の追加が必要となる。
ハシゴがあると便利
車高を上げた場合、ルーフラックの荷物の積み降ろしはどうするのという素朴な疑問。足を掛けられるサイドステップやハシゴがあると便利。写真はロードハウスのサイドラダー。使わない時はコンパクトに折りたためる。
ノウハウはココで聞きました
アゲのスペシャリスト
ロードハウス
アップスタイルの基本を教わったのは、アゲ系メイクに長く携わるスペシャルショップ、ロードハウス。店舗駐車場に並ぶデモカーとユーザーカーは全て上がってるほど。アップスタイルを目指すなら欠かせないショップだ。
(スタイルワゴン18年4月号)