キャンバーボルトでホイールを履きこなす
J-LINE
レギュラー&鬼キャン仕様をラインアップする
フロントにキャンバーを付けるために用いられることが多いキャンバーボルト。でも、それだけがキャンバーボルトの効果というわけではない。キャンバーを付けることで、少しハミ出したホイールをキレイに履きこなせるのだ。
DEMO CAR 30 PRIUS
デモカーの30プリウスは、MAE(19×F8.5+43、R8.5+35)にルッチーニ(215/35-19)を履く。リアアクスルはキャンバー角5度&40㎜上げ。
キャンバーボルトは、手っ取り早くキャンバーを付けるためのパーツとして、以前からよく使われている。ただ、安いからとホームセンターなどで売っているボルトを使うユーザーも多く、走行中にゆるんでしまうというトラブルも少なくない。そこでオススメしたいのが、ジェーライン・キャンバーボルトプロ。Kカー用リアアクスルキットで名を馳せた、足まわりのプロフェッショナルがこだわりぬいて作り上げた一品である。「ショックのブラケットを固定するボルトを細くして、アソビを設けることでキャンバーを付けるわけですが、ここで重要なのがボルトの引っ張り強度なんです」とジェーライン・氏家さん。強度はボルトのサイズでほぼ決まっていて、細いと強度が低くなる。つまり、ゆるんでしまうケースは、引っ張り強度が不足したボルトを使っているから起こるのだ。そこでジェーラインでは、細くても純正同等(サイズによってはそれ以上)の強度をもった専用のボルトを開発。規定の力で締め付ければ、ブラケットをはさみこんで動かないようになっているというわけだ。
また、表面をクロムメッキ処理していない点も注目。メッキは、金属内部に水素が入り込んで強度が落ちてしまうため〝ズレないこと〟が最低限求められるキャンバーボルトには不向き。そこで、DISGO処理というクロムフリーの表面処理を施し、強度を落とさず、サビにも強いボルトになっているのもポイントのひとつ。
キャンバーを付けた状態で安心して走行できるジェーライン製のボルトだからこそ、そのまま装着すると、ほんの少しハミ出してしまうようなサイズのホイールでも、キャンバーを付けることで履きこなせるというわけ。数㎜のリムの深さやツラ加減など、足元にこだわる人には、もはや必需品のセッティングパーツなのだ。
キャンバー角の変化量を実装着でチェック!!
実際に、デモカーの30プリウスで純正ボルトとジェーライン・キャンバーボルトプロ(レギュラータイプ、鬼キャンタイプ)を装着した状態でのキャンバ角とホイールの出幅の変化を計測してみた。結果としては、純正ボルトに対してキャンバーボルトプロで、約10㎜ホイールのトップが内側に入った。つまり、純正ボルトで5㎜くらいハミ出しているのであれば、キャバーボルトプロに交換することで、ハミタイを避けられるのだ。
純正ボルト
キャンバー角0.3度(5㎜アウト)
キャンバーボルト プロ(レギュラータイプ)
キャンバー角1.3度(±0㎜)
キャンバーボルト プロ(鬼キャンタイプ)
キャンバー角2.1度(5㎜イン)
実験した車両は、車高調を装着。アッパーマウントでのキャンバー調整をしていない状態で検証した。たかがキャンバー角1度というなかれ、その1度によって履けるホイールのサイズでいうと、インセットで数㎜の幅が選択肢に加えられるのだ。
なぜボルトを変えるだけでキャンバーが付くの?
キャンバーボルトに交換すると、なぜキャンバー角が付くのか。そのヒミツは、ブラケットとナックルを固定しているボルトを細くして、あえてアソビを設けることにある。アソビの分、ナックルを倒すことができるので、キャンバー角が付く。「上下2本変えれば、さらにキャンバーが付く」のは理論上正しいが、万が一ゆるんだときのことを考え、キャンバーボルトは片側だけ使うようにしよう。
鬼キャンタイプ
レギュラータイプ
純正
純正とキャンバーボルトプロのレギュラータイプ、鬼キャンタイプの装着状態を比較。ボルト穴にできるスキマの分、キャンバー角が付けられる仕組み。
キャンバーボルト プロ
レギュラータイプ
レギュラータイプ鬼キャンタイプ
■価格:2700円〜4300円(2本1セット)
■タイプ:レギュラー(2〜3度)、鬼キャン(3〜4度)
■対応車種:ミニバン&ワゴン、コンパクト、Kカーなど
※車両や車高によってキャンバー角の変化量は異なります。
純正ボルトと比べて、少しだけ細くなっているレギュラータイプ。鬼キャンタイプは、ブラケットをくぐる部分を、さらに細く設計している。
16㎜は純正がM15-M16(ミニバン)、14㎜はM14-M14.9(コンパクト)、12㎜はM12(Kカー)に対応。乗用車用は長短あり、ブラケット幅によって使い分ける。
ジェーラインのキャンバーボルトは、径が細くなっていても、頭は純正と同サイズか、近いサイズ。同サイズの車種は、工具を使い分ける必要がない。
キャンバーボルトは上と下、どっちに付ける?
ロアブラケットを固定しているボルトは上下2本。では、どっちにキャンバーボルトを使えばいいのか。「どっちに付けても、キャンバー角の変化はほぼ同じです。ただ、上に付けるとブラケットの形状によってナックルが当たってしまい、キャンバー角が付ききらないことがあります。だから、うちでは下側をオススメしています」と氏家さん。