エンジンで異なるチューニングメニュー
チューニングと言えば、エンジンのパワーアップなどスポーツカー系のヘビーチューニングをイメージしがちだが、実際のところ目的によってメニューも非常に幅広い。C-HRの場合、SUVというクルマの性格上、サーキットでのスポーツ走行までやる人は少ないと思うが(トヨタは発売前にドイツ・ニュルブルクリンクの耐久レースにC-HRを出場させているが…)、高速道路で気持ちよく追い越ししたり、ワインディングをスムーズに駆け抜けたりといった走りを可能にするチューニングメニューもある。最近は電子制御が進んでいるので、電子パーツを追加することで、簡単にレスポンスやパワーアップを図ることもできる。
C-HRの場合、エンジンはハイブリッドとガソリンターボの2タイプ。ハイブリッドの場合は、スロコンやサブコンで走りを強化。ターボ車の場合は、ブーストをアップすることでパワーアップが可能だ。ここではC-HRに用意されている基本的なチューニングを紹介。最適なプランで自分だけの快適仕様に仕上げてほしい。
レスポンスアップ系
最近の電子制御式スロットルを採用したクルマは、燃費優先セッティングによって一般的にアクセルレスポンスが悪く、発進時のもたつき感など気になる点が多い。それを解消し、鋭いレスポンスを手に入れられるのが、アクセル開度をコントロールするスロットルコントローラー(通称スロコン)だ。メーカーによって異なるが、スポーツモードや燃費重視のエコモードなども搭載していて、モードを簡単に切り換えられるものが多い。写真はピボットのスロコン「3-drive FLAT THF2」。
パワーアップ系
ノーマルエンジンは安全性をたっぷりと取ってあるので、エンジン本来の性能をフルに発揮させるようなセッティングにはなっていない。燃料セッティングもそうで、その余裕がある範囲内で燃料増量を行いパワーアップを図ろうとするのが燃調パーツいわゆるサブコンだ。メインのコンピューターは触らずに、外付けコンピューターで燃料増量をおこないパワーアップを図る。写真はシエクルのサブコン「ミニコン」で、ハイブリッド&ガソリン共に対応。
パワーアップ系 for ターボ車
C-HRのG-T&S-Tグレードの場合、エンジンがガソリンターボなので、ターボ車ならではのパワーアップ方法が用意されている。当然ながらC-HRもターボのブースト圧はコンピューターで制御されているので、電子的に圧力センサー値をコントロールすることで、ブースト圧を上げ、パワー&トルクアップを図るアイテム。いわゆるブーストコントローラーだ。写真はカプラーオン接続が可能なトムスのパワーBOX。
吸気系
エンジンに送り込まれる空気はエアクリーナーでゴミやホコリを除去してから送られる。純正エアクリーナーは、ろ過能力を優先しているものが多いため、吸入効率の高いタイプに交換することで、パワーやレスポンスのアップを狙うこともできる。エアフィルターには、写真のような純正交換タイプのものから、より効率を重視したムキ出しタイプ(キノコ型)などもある。写真はブリッツの純正交換タイプのエアフィルター「パワーエアフィルターLM」。
排気系
排気系のレスポンスアップの定番はマフラー交換。マフラーはエンジンからの排気ガスを車体後方へと導くパーツで、排気ガスをキレイにする触媒と排気音を静かにするサイレンサーを搭載している。最近では排気音規制も厳しくなっているので、音は静かで機能アップする商品が人気。2017年6月には、マフラー出口に関する保安基準が改正されたので、今後サイド出しなども増える可能性がある。写真はカキモトレーシングの4本出し「Class KR」。
制動力系
フル乗車時や、大口径ホイールに交換した場合、明らかにブレーキの効き具合に変化が起きる。どんな状況でも確実な制動力を保つためにはブレーキ(制動力)を強化したい。ブレーキチューニングの1stステップはブレーキパッドの交換。パッド交換だけなら価格も手頃だし、確実な制動力アップや耐久性アップが手に入る。パッド以外にはキャリパーやローターのセットなども用意されている。写真はディクセルのブレーキパッドECタイプ。
ボディ剛性系
C-HRはトヨタ自慢のTNGA採用による高剛性ボディもウリ。いくら高剛性ボディといっても一般車レベルの話なので、走行中の段差越えやコーナリング時などでは間違いなくボディはネジレている。そんなボディのネジレを抑え、サスペンションをスムーズに動かせ、ハンドルレスポンスをアップさせるのがボディ剛性パーツ。フロントサスペンションの上部を連結するタワーバーや、ボディ下部に装着するブレースなどがある。写真はクスコのパワーブレース装着車。
マフラー出口に関する保安基準の改正
これまでマフラー出口の方向は、保安基準で「左向きまたは右向き(いわゆるサイド出し)」はNG。後方または下向きで、上から見た時の角度が左右30度以内と規定されていた。これは歩行者などを有害な排気ガスから守るためのものだったのだが、最近では排気ガスがクリーンになったことから、マフラー出口の向きを定めた規定「排気管の開口方向要件」が廃止され、2017年6月22日以降に適用されている。これによってマフラー出口がボディから大きく突出していなくて、先端が鋭い形状でなければ、サイド出しも車検OKということになったようだ。