メッキパーツで存在感を高めた新グレードを設定
最大のライバルであるホンダN-BOXを猛追開始
DAIHATSU/TANTO CUSTOM
ダイハツ/タントカスタム 型式:2WD=LA650S 4WD=LA660S
ダイハツの軽スーパーハイトワゴン、タントは2019年7月に発売された現行型で4代目になる。
カスタムに2020年12月に追加された新グレード「スタイルセレクション」系は、フロントグリル、バンパーガーニッシュに華やかさをもたらすメッキを施し、専用15インチアルミホイールによってスタイリッシュな足元を演出している。
もちろん、ミラクルオープンドアによる良好な乗降性や広々とした車内などはそのままに、子育て層に最適なタントにきらびやかな印象を付加している。
好敵手のN-BOXはタントよりも高価格だが、そのぶん装備などには一切の妥協はない。だが「良品廉価」を掲げるダイハツは、タントでも割り切りが見え隠れする。
後席のスライドがテールゲート側からはできないのが一例で、後席下のレバー操作のみ。ミラクルオープンドア側から荷物の出し入れもする人が大半という調査に基づくもので、車両価格に直結するコスト削減策の一環といえる。
それでも必要な機能や装備は十分に用意する。運転席の540㎜の超ロングスライドは、後席に座る子どものお世話などに便利で、ウォークスルーも容易にする。また、衝突被害軽減ブレーキや前後誤発進抑制機能などが「スマートアシストⅢ」に盛り込まれていて、先進安全装備にも抜かりはない。
ターボエンジンによる走りは、中間加速の力強さはもちろん、高速域のパンチ力も備えている。自然吸気エンジンよりもピッチングも抑えられていてフラットライド感が増している。
CVTのベルトにギア駆動を組み合わせることで、高速域のラバーバンドフィールをあまり意識させないのも美点だろう。走りの面でも、十分に実力派といえる1台だ。
インタークーラー付き直3ターボエンジンは最大出力64psと最大トルク100Nmを発生し、パワフルな走りを見せる。
シート生地はレザー調とファブリックのコンビ。前席はベンチタイプでセンターアームレストも備わる。後席シートバックは左右別々にワンモーションでたためる。
スタイルワゴン2021年4月号より
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