どうして車高が変わる? どうやって使う?
エアサスの仕組みと使い方
ローダウン。ノーマルよりも車高を下げることで、ワイド&ローなスタイリングを生み出すカスタムの人気メニューのひとつ。
その方法はいくつかあるが、最もハイエンドで便利とされているのが、エアサス=エアサスペンションへの交換だ。手軽に車高を落とせるが調整ができないダウンサス、ショックアブソーバーの全長やスプリングシートで車高を変える車高調(=車高調整式サスペンション)と、エアサスは少し勝手が異なる。
まずはエアサスがどんなパーツで構成されていて、どうやって車高を変化させるのかをじっくりとおさらいしよう。
MECHANISM〜仕組み〜
エアバッグ内の空気量で車高が変わる
空気を入れて車高アップ下げるときは空気を抜く
車高調と違い、かなりのパーツが絡み合って車高を変えるエアサス。それ故に、ちょっと敬遠しがちな人もいると思う。そこで、まずはエアサスを構成するパーツと、それらがどんな役割を担っているのかを知ることから始めよう。
エアサスによって車高が変わる仕組みを簡単にいえば、エアバッグ内の空気の量。空気がたくさん入っていれば車高が高くなり、少なければ車高が下がる寸法だ。
空気を入れたり抜いたりするのに必要なのが、コンプレッサーやエアタンク、電磁弁(あるいはスイッチ)といったパーツ。それらが正常に動作するようメンテナンスも重要だ。
参考にしたエアサスはコレ!
イデアル/エアマックス
新型電磁弁と大画面リモコンを採用したフラッグシップモデル。さらに通常はオプションのミストフィルター、ウォーターセパレーターを同梱したお買い得キット。
【PARTS SPECIFICATION】
対応車種:ミニバン&SUVほか多数
価格:54万9900円~(2独)、64万9900円~(4独)
空気の流れで各パーツの役割を知る
覚えておくべきサブパーツ
アッパーマウントはモデルによって様々
イデアルのショックは、車種により、キャンバー角調整式と強化ゴムの2タイプのアッパーマウントを採用している。
リア用はどうなってる?
リアも基本的にはエアバッグ内の空気量で車高が変わる。減衰力や全長調整式ショックの長さは走行する車高に合わせたセッティングにするのが基本。
CONTROL〜制御〜
4輪独立制御と2輪独立制御は何が違う?
エアサスを選ぶポイントにはいくつかあるけど、意外と盲点なのがエアバッグの制御方法を4輪独立と2輪独立のどちらにするかということ。
前後左右のエアバッグが個別に制御される4輪独立式は、ロールが抑えられるので、低いまま走りやすい。
一方で2輪独立式は、前後のホースが途中で分岐して左右のエアバッグにつなげられる。左右のエアバッグで空気を共有することになり、コーナーリング時などに違和感を感じやすい。
予算と乗り味の好み次第だが、4独と2独は、エアサスならではの選択肢。とはいえ、予算が許すなら低く乗れて走りも上々の4独を選ぶのが吉。
2輪独立制御でもオプションのロールカットバルブを左右のエアバッグの間にかませば4輪独立に近い感覚になる。
OPERATION〜操作〜
機械式と電磁弁式の違いとは?
多くの人が、エアサスを選ぶにあたり、頭を悩ませるのが機械式か電磁弁式かという点。ものすごくシンプルにいえば、どうやって操作したいかによって、どちらを選ぶか変わってくる。
機械式は、操作スイッチ(パドルともいう)の裏側にエアホースがきていて、スイッチ操作によって弁が開閉して空気をエアバッグに送り込んだりする。
電磁弁式の場合は、操作自体はリモコンなどを活用するが、弁の開け閉めをコンピューターに任せるというもの。その恩恵は、記憶した車高に合わせるなど、エアサスをより便利に使えるもの。よほどのことがない限り、電磁弁を選ぶのがオススメなのだ。
機械式
機械式は最もベーシックなシステム。操作スイッチとエアゲージがセットになっていて、ゲージの針によってエアバッグ内の空気量を把握することができる。リモコンなどは使えないので注意しよう。
電磁弁式
リモコンなどで操作する電磁弁式は、最近の主流。リモコン上にエアバッグの空気量を表示したり、記憶しておいた車高にボタンひとつで合わせたり、一度体感したら手放せない便利さだ。
HOW TO USE〜使い方〜
スイッチやリモコン操作で好みの車高に
どうやってエアサスを使うかは、実はとっても簡単。自分にとっての基準となる車高(いわゆる走行車高)から、リモコンやスイッチを操作して、上下するだけ。例えば、ミーティング会場などでアピールしたいときは全下げにして、段差などを避けるために車高を上げるなど、思い通りに車高を変えられるのはエアサス最大の魅力だ。
電磁弁式ではリモコンのボタンで操作、機械式はスイッチを上下する。4独式なら前後左右、2独式なら前後に対応したボタン/スイッチで操作するのだ。
基本は、普段走る車高を基準に、シーンによって車高を上下する。車高調だと手間のかかる車高調整が、ボタンやスイッチ操作だけで行える。これこそ、エアサスの一番の推しポイントなのだ。
撮影協力
イデアル 086-250-9000
https://ideal-japan.net