シートカバーの素材ってどんなモノが!?
マテリアル目線でシートカバーに注目を
シートカバー選びで必ず目にするものの、いまさら聞きにくい素材のポイントを、要点だけを掻い摘まんで紹介します!
車内の雰囲気を一変させ、かつ純正シートの汚れを防ぐこともできるシートカバー。
車種別専用設計で、様々なメーカーからラインアップされているが、それだけにどう選んで良いか、迷ってしまうことも多い。
基本的には自分のクルマの設定があることを前提に、デザインやカラー、価格、好きなブランド等で選んでいくのだが、今回は素材に注目してみようと思います。
シートカバーに使われる素材は大きく3つに分かれます。これからのシートカバー選びのテクニックのひとつとして覚えておくと便利ですよ。
素材01.PVC&PUレザー
最メジャーなスタンダード素材!
もっとも広く使われているPVCやPUと呼ばれるレザーは、ともにベースとなる布地の上に合成樹脂をコーティング、または貼り合わせて革風に仕上げた、いわゆる合成皮革(=フェイクレザー)と呼ばれるもの。PVC(塩化ビニール)とPU(ポリウレタン)は、塗る樹脂の違いによる。メーカーにより、PVCよりもPUがしっとりとした肌触りや柔軟性、通気性、質感が高いと位置づける場合もあるようだが、同じジャンル内でも現実には様々なグレード(上級のPVCがあれば下級のPVCもあるといったカンジ)があるとされ、一概にどちらがいいとはいえない。耐久性も高く、どちらも手入れがしやすい。
いま話題のアンティーク系は!?
最近一気に選択肢が増えたアンティーク系シートカバーも、PVCまたはPUがベース。表面に特殊な艶処理やシボ加工を施したもので、発色も抑え気味として古さ感を表現。
素材02.本革
高級路線の証といえば断然コレ!
高級車や上位グレード車で設定される本革は、使い込むほどに風合いや色合いが増していく天然素材。天然素材ゆえ、通気性、吸湿性がいいとされ、市販の本革クリーナーが使える。デリケートな一面もあり、傷が付きやすく、水に弱くシミになりやすいなど、合皮に比べ扱いには少々注意が必要。しかし、“本革”という素材が持つステイタス性は高く、シートカバー各社、上位グレードだけの特別な素材として採用するケースが多い。本革にも種類はいろいろとあり、一概にどの本革がいいとは断言できないが、触感は使い始めがやや硬く、徐々に柔らかくなる印象。長く使ってこそ良さが増す、そんな素材だ。
シートカバーにフル本革はない!?
本革の弱点は伸縮性の低さ。張り替えは別だが、シートカバーのようにテンションをかけて被せる商品では、側面まで本革とすることは現実厳しい。カバーでは本革は表面中央のみで、ほかの部分は合皮となる。
素材03.スエード調
パウダリーな肌触りはヤミツキ!
本革と並ぶ高級路線素材として注目度が高いのが、スエード調人工皮革。起毛感のある独特な風合いと、優しい肌触りは注目度高く、国内外の高級車にも純正採用されるなどメジャーな素材だ。カラバリの多さ、メンテナンスのしやすさでも知られる。メジャーな所ではウルトラスエードやアルカンターラ、そしてラムースといったブランドが有名。そのすべての技術は日本が出発点となっている。
ウルトラスエードとアルカンターラとは!?
クルマ業界でもよく聞くこの2大スエードはじつは基本は同じで、日本の東レが1970年に開発した技術が元だ。「ウルトラスエード」は、日本では長く「エクセーヌ」の名で展開されていたが、2013年にアメリカで使っていたブランド名に統一した“日本産”。一方のアルカンターラは東レの技術を基礎とした“イタリア産”。仕上げ処理に独自の処理が施されているもので、基本は同じと考えてOKなのだ。
ラムースとは!?
一方「ラムース」は日本の旭化成が開発したスエード調人工皮革。内部構造が違い、長時間利用でもヘタリにくく、毛玉が起こりにくく、耐摩耗性も高いとされる。
第4の素材、デニム系は!?
今後増えてくるのでは!? と予想されるのがデニム系。一部メーカーでは、児島産の難燃性デニムを使ったり、濡れた際の色落ちやほかのモノへの色移りの可能性を減らしたデニム風素材「アクアティック」(クラボウ製)を使ったりと、確実に盛り上がりつつあり。
素材の肌触りか、スポンジの座り心地か
座り心地は内包スポンジ厚が影響するものの、一般的なシートカバーは大半が10〜15㎜厚と、メーカーやモデル間での違いは正直感じにくい。座り心地よりも、表皮の肌触りで選ぶのが賢いかも。
こちらも注目を。シートカバー、素材だけで選ぶのはNG!
スタイルワゴン2020年5月号より
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