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車高を変えるということ 【後編】
ローダウンやリフトアップはカスタマイズの基本。しかしながら、単に下げる&上げればいいっていうほど単純なものでもない。まずアライメントが変化するし、アームやロッドの取り付け角度も変わってくる。攻めたスタイリングに挑戦しようと思うなら、そのあたりもしっかりと理解したうえで“車高を変える作業”に取り組む必要があるのだ。そんなわけで、ここでは、ローダウン&リフトアップの基礎知識から応用テクニックまで、一挙にまとめて紹介していこう。
車高を変えられる代表的なパーツをCHECK
ダウンサス/アップスプリング
手頃にローダウン&リフトアップ可能
純正ショックと組み合わせて使用するダウンサス&アップスプリングは、手軽に導入できるのが魅力。ピッチが広い荒巻きバネを採用し、動き始めはソフトに、ストロークが増えるにつれて固く……といった味付けも可能。車高の変化量が決まっていて、調整はできない。
車高変化 | 導入費用 | 商品の種類 | 機能 |
---|---|---|---|
△ | ◎ | △ | △ |
近頃では、1本のバネでピッチを大きく変えることで、異なるレートのバネを組み合わせたような特性に仕上げたものもある。不等ピッチの荒巻きならではのメリットといえるだろう。
車高調整式サスペンションキット
自分好みの車高が思いのまま!
元々はレース用として開発されたが、今ではサスチューンの主流となった車高調。Cリング式とネジ式(ロアシート調整式)、全長調整式(フルタップ)に大別され、ダンパーは単筒式/複筒式がある。さらに減衰力調整機構の有無など、様々なタイプが出回っている。
車高変化 | 導入費用 | 商品の種類 | 機能 |
---|---|---|---|
○ | ○ | ◎ | ○ |
乗車人数や走行ステージに応じて、乗り味を変えられる減衰力調整機能付きも多い。ダイアルを回して変更する。
安定したレートが出しやすく汎用性の高い直巻きが主流だが、乗り心地を重視してタル型バネを採用するストリート車高調も決して少なくはない。
ストローク量を変えずに車高を変更できる全長調整式が人気。ダンパーは減衰力がリニアに立ち上がる単筒式と、マイルドな乗り味の複筒式がある。
自動で乗り味を調整できるモデルも!
Gセンサーや車速データから、理想的な減衰力を導き出し、自動的に変更してくれるフルオートモデルもあり。まさに夢の車高調といえるだろう。
エアーサスペンションキット
低さを極めたいひとの必須アイテム
その名の通り、スプリングの代わりに空気の力で車高を調整できるエアサス。コンプレッサーを使い、タンクからエアバックに空気を送り来むという仕組みだ。段差があるときも車内から手軽に車高を上げられるので、接地寸前まで下げてもオッケー。ただ導入コストは一番掛かる。
車高変化 | 導入費用 | 商品の種類 | 機能 |
---|---|---|---|
◎ | △ | △ | ◎ |
ベタベタにしてもスイッチひとつで車高を変えられる。お気に入りのエアロを擦らずに済むのもうれしい。ただし構造変更は必要だ。
システムアップもできる!
エアサスのトラブルの原因になりやすい湿気やホコリを取り除くフィルター。キットによっては標準で付属している場合もあるのだ。
エアバッグを膨らませるために必要になるのがコンプレッサー。スペックの高いモデルに変えれば、タンクへの充填速度もアップ。
電気的に制御するモデルには、車高を記憶させて、ボタンひとつで瞬時に変更できるシステムもある。複数の車高を登録できる。
コンプレッサーからバッグに直接空気を送るシステムも登場。エアタンクが不要なので取り付け場所の自由度も格段に高まる。
スタイルワゴン2020年5月号より
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