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〈ブランド深掘り〉第1回 足まわりのトータルメーカー|2階建ての製品作り【tanabe&SSR】


tanabe & SSR/タナベ&エスエスアール


足まわりのトータルメーカー 解体新書 連載第1回


サスペンションからホイール、マフラーにボディ補強パーツまで。足に関わる用品をここまで幅広く展開しているメーカーは、世界でも稀な存在だ。そんなタナベはどう生まれ、成長してきたのか。そのモノ作りへのこだわり、信念に迫る。

タナベ TANABE SSR チューニング ホイール メーカー ブランド

感動、感激のモノ作りへ

モータースポーツ参戦で得たD.N.Aを継承



1982年に創業したタナベは、一時期をのぞき、常にモータースポーツと共に歩み、成長してきた。始まりは、スプリング。そして始まりは、レースが好き、クルマが好き、という純粋な思いから。レースで鍛えられ、蓄積してきたノウハウが、タナベ製品の根幹である。



2階建ての製品を作ること。それが一貫した、こだわり。

現在のタナベを引っ張る代表取締役社長、田邊一徳は、父親が創業したタナベに20歳のころから関わり、若くしてその役割を引き継いだ。近年はホイールのJAWAで副部会長を務めるなど、業界の牽引にも貢献する。


そんな田邊社長が製品作りに関して、何より重要視しているのが、壊れないモノを作ること。


「常々、壊れるモノは作るなと社員には求めています。タナベはずっとレース活動を行なっていますが、レース用の製品であれば、1レースごとに交換できる。けれども市販品は、走るごとに交換できるわけではありません。


まずは、安全安心、壊れない、が絶対。安全安心にこだわるからこそ、過酷な条件のレースを続けているんです」。


現代のレースで採用されているパーツは、ほとんどが海外メーカー製。スーパーGTやスーパーフォーミュラといった上位のカテゴリーで使用されているスプリングは、国内に限定すればタナベくらいのもの。


その寄せられる信頼が、いまのタナベの市販品にも息づいているのだ。


「タナベの製品は、2階建てなんです。ベースになる1階は、安全安心、壊れないちゃんとしたモノ。その上の2階に、軽いや強い、カッコ良さやブランドのテイストがある。


安全安心が土台として存在していて、レース由来の軽さや強さへのこだわりというDNAが、その上にコーティングされているんです。まず安全、そのうえで感動のある製品を常に目指しています」。

世界は常にアップデート。まだまだタナベも、変わる。

安全安心を確実なものとするため、タナベではJAWAやJIS、JWLといった品質基準で定められている数値よりも、数段上の数値を製品に求めている。


厳しい自社基準を設けていて、そのための試験やチェックは数段階にも及ぶ。時間もかかるし、コストもかかる。だからこそタナベの製品は、壊れない。


「レースに携わってきたDNAが浸透しているのか、タナベの技術者はどうしても軽さ、強さにこだわるんです。例えばリムひとつを作るにも、デザインを犠牲にせず、軽くて強いものを作るのはすごく大変で(笑)。


でも車高調やスプリングも、軽く強くにこだわって作る。タナベの特徴で、伝承でもあります」。


そんな軽さと強さを実現するのが、製法と素材へのこだわり。スプリングは、国内のアフター用品メーカーでは唯一という冷間成形方式を採用し、その材料も国内で精錬された国産材料だけを使用する。ホイールのディスクやリムの材料にもこだわり、選りすぐられた材料、そして高い技術によって造られている。


「材料は、いろんな国のものが当然、あります。でも不純物のなさでは、国産に勝るものはない。不純物が多いと割れることもありますので、それでは安全性が確保できない。


命に関わる部品だから、そこだけは崩せない。だからタナベの基本は、メイドインジャパンなんです」。


そんなタナベは現在も、日々進化を続けている。新しいブランド展開や、新たな試みにも臆せず、チャレンジする計画だ。


「クルマはもっと変わっていくし、都市の中での役割も変わる。その変化へ常に対応することが、タナベとしての責任。


常にアップデートされ続ける時代だからこそ、我々も変わらないと。新しい社会からも、存在を期待される企業になる。まだまだです」。


株式会社タナベ 田邊一徳代表取締役社長

父親が創業したタナベを若くして継承。足まわりなどを総合的に扱う、日本を代表するメーカーへと発展させた。現JAWA副部会長。


SSR/エスエスアール


アフターホイールの黎明期に、組み立ての3ピース構造というかつてない製法で生み出されたマークⅠが、SSRホイールのオープニングモデル。続いて発表されたマークⅡ、Ⅲとともに、レーシング系から絶大な支持を得た。

SPEED STAR MK-Ⅰ

SPEED STAR MK-Ⅱ

SPEED STAR MK-Ⅲ


SSRと言えばレーシング。そんな規定概念を打ち破り、全盛期のVIPシーンを牽引したのがこのヴィエナ・ディッシュ。このヴィエナの誕生を期に、SSRはレーシング系だけでなく、ドレスアップ系ホイールにもチカラを注ぐように。


Tanabe/タナベ


SUSTEC PRO ZT40_自社工場で製造される冷間成形スプリングに、日本を代表するメーカーであるKYBのショックを組み合わせた車高調。ラインアップ多彩。

SUSTEC UNDER BRACE_GTパーツ事業部の一角を担うサステックには、走りのブラッシュアップを図るためのボディ補強パーツが存在する。中空構造など独自技術満載。

medallion GA_タナベ創業からほどなくして、開発スタートとなったのがマフラー。サウンドとポテンシャル、ビジュアルのすべてを兼ね備え、人気を誇った。


スタイルワゴン2020年5月号より



[スタイルワゴン・ドレスアップナビ]



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