スタッドレスやサマーと何が違う!? 雪道の走行もホントに安心!?
オールシーズンタイヤのすすめ
ここ数年、多くのタイヤメーカーのラインアップに加わってきた「オールシーズンタイヤ」。その言葉の意味からすれば、全ての季節のタイヤ。つまりは冬もイケるってことですよね。でもホントにイケるんでしょうか。雪が降る地域では冬が近づけばスタッドレスタイヤへの交換は当たり前。この手間、コストは結構なもの。これがなくなるなら、オールシーズンタイヤって履いてみたい!
夏も冬もこのタイヤでいいの!?
そもそもオールシーズンタイヤって何!?
オールシーズンタイヤはその名の通り、四季を通じて走れる全天候型。従来は、北米のSUV向けなどに見られる「サマータイヤよりも積雪路を走れる」マッド&スノー(M+S)タイヤが主流だった。
が、近年は、欧州規格であるスノーフレークマークが付いた、いわゆる欧州型オールシーズンタイヤが急激に市場を拡大している。
スノーフレークマークとは、欧州で冬用タイヤとして認証されたマークであり、「積雪路を安心して走れる」というところまで雪上性能を高めたタイヤだ。
オールシーズンタイヤが好まれる最大の理由は、サマーからスタッドレスタイヤへの履き替えがいらないということ。
従来であれば冬前と春に履き替えが必要で、その都度作業工賃がかかるし、タイヤの保管場所も必要。オールシーズンタイヤであれば、その全ての面倒がなくなるのだ。
実際のところ、本当に雪道を走れるのか、スタッドレスタイヤと比べてどうなのか。その位置付けや特徴を分かりやすくチェックしてみよう。
オールシーズンタイヤを表す2つの刻印
❶ M+Sマーク
マッド(泥)&スノー(雪)を意味するマークで、従来からあるオールシーズンタイヤの表記のひとつ。SUV 向けタイヤに多いが、その全てが雪上性能に長けているわけではなく、ドライ路での性能を重視したモデルは雪道走行はあまり期待はできないものもある。
❷スノーフレークマーク
ASTM(世界最大・民間・非営利の国際標準化・規格設定機関)の公式試験によって、極めて厳しい寒冷地でも十分な性能を発揮できると認証された証がこのマークの刻印。日本でもチェーン規制時に走行可能な冬用タイヤとして認められる。
トレッドはどんな形?
トレッドパターンは、独特なV字のパターンを使っているメーカーが多い。サマータイヤのような太溝はセンターに1本のものが多く、水や雪をV 字の溝で外側へと排出している。指で押し込んでも、スタッドレスタイヤのような柔らかさは感じない。
ドライ、ウェットは?
全天候型というからには、各メーカーともに、ドライやウェット路での走行性能も重視したタイヤを開発している。ドライであれば安定感、剛性感のある走り、ウェットであれば排水性を考慮し、しっかりとグリップする走りを実現する。
インチアップできる?
現状では、サマータイヤのようにインチアップサイズが豊富ではなく、純正サイズが多いため、20インチなど大口径へのインチアップを考えると選択肢がほぼない。サイズ豊富な欧州メーカー(ミシュラン、ピレリ)であれば、車種によっては可能。
スタッドレスタイヤと比べてどう?
写真はグッドイヤーが公開しているテスト画像で、50プリウスで、スタッドレス(左)とオールシーズン(中)、サマータイヤ(右)のコーナリング出口の撮影画像を合成したもの。これをみれば分かる通り、雪道での性能はスタッドレスタイヤの方が高いが、サマータイヤのようにコースアウトするようなものではなく、安定した走行が可能だ。
オールシーズンタイヤはどんな状況で使えるか
オールシーズンタイヤ使いに聞いてみました!
実際どうですか?
「この前、箱根方面に行ったのですが、その際ちょうど雪が降ったので最初は不安でしたが、意外というかごく普通に運転できました。これまではスタッドレスタイヤを使っていたので、それに比べると少々不安感はありますが、たまの雪に対処するならこれでいいんだろうと思えました」
神奈川県・余川さん(41歳)・フィット
「去年の春、初めてオールシーズンタイヤにしました。まだ都内は雪も降っていないので、雪上は分かりませんが、ドライやウェットを走っている感じは、サマータイヤとなんら変わりは感じられませんね。ブレーキの効きが悪いとか燃費が悪いという印象もないです。はやく雪道走ってみたいですね」
東京都・Mさん(37歳)・ヴォクシー
「履き替えるのが面倒で、スタッドレスタイヤを交換せずに夏過ぎまでダラダラと履いてたんですが、溝がなくなってきちゃったので、店員さんに薦められてオールシーズンタイヤにしました。スタッドレスだと雨の時ちょっと不安だったのですがオールシーズンタイヤは全然気にならないですね」
埼玉県・Salasさん(35歳)・セレナ
「ベクターフォーシーズンズをずっと使ってます。スノボーしに雪山も行くのですが、凍った所を通らなければ問題無いですね。念のためチェーンも持っていくので、危なそうと思ったらチェーンを付けてます。スタッドレスのコストと保管がなくなったのがほんとに楽です」
神奈川県・熊さん(43歳)・アルファード
次からはメーカー別にオールシーズンタイヤのラインアップをチェック! お楽しみに♪
スタイルワゴン2020年3月号より
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