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歴代デリカを比べまSHOW Vol.3 スターワゴン4WD 2500ディーゼルターボ クリスタルライトルーフエクシード


武骨さがにじみ出る前期型と、洗練されたイメージの後期型!


スターワゴン4WD 2500ディーゼルターボ


クリスタルライトルーフエクシード【P35W】


4WDエクシード前期後期が並ぶ!




本格的なオフロード走行にも対応するワンボックス4WDという、それまでの国産車には存在しなかった新たなジャンルを生み出したのが2代目デリカのスターワゴンとするならば、そのジャンルを国内市場で確立させたのが3代目デリカのスターワゴンだ。

メカニズム面における2代目からの大きな変更点は2つ。モノコックボディの採用と搭載エンジンの排気量拡大になる。ディーゼルターボは発売当初から2・3ℓに代えて2・5ℓの4D56型が搭載され、ガソリンも89年8月の一部改良時に2ℓから2・4ℓへと切り替えられた。これは2代目よりも車重が軒並み200㎏以上増加したことに対して、動力性能を確保するために採られた策と言える。

また、3代目デリカのスターワゴンは90年9月のマイナーチェンジを境に前期型と後期型に分けられるが、今回取材した2台がまさにそれ。角型4灯ヘッドライトの前期型は90年式、ロービームにプロジェクター式を採用した後期型は91年式となる。どちらもディーゼルターボを搭載するエクシードのクリスタルライトルーフ仕様で、4速ATが組み合わされる。

デリカのイベントにでも足を運ばない限り、この2台が並ぶ様を見る機会はそうそうないが、いざ見比べてみると同じ3代目でも印象は大きく違う。

フロントマスクは前期型が2代目の流れを汲んだ武骨なイメージを醸し出しているのに対して、後期型はヘッドライトユニットだけでなくガーニッシュも追加することでだいぶスマートなルックスになった。“当たり外れ”が常に付きまとう人気モデルのマイナーチェンジにしては大胆なデザイン変更だが、3代目デリカは成功例と言えるだろう。リヤも同様で、テールランプ間に赤いガーニッシュを加え、そこに車名エンブレムを配置。フロントマスクとのバランスが図られている。

後期型オーナーの木戸さんは、05年式スペースギアのアクティブギアV6から乗り替え。その理由を尋ねると、「V6は燃費が5㎞/ℓくらいでとにかくガソリン代がかかったんですよ。3ℓなので自動車税も高いですし。そんな時、エクシードで在庫していたスターワゴンを見つけたので乗り替えました」とのこと。スターワゴンに乗るのは週末のみで、2列目シートはスペースギアよりも足もとが広いということで家族からの評判も上々だとか。「最新のクルマのような過剰装備がイヤなんです。その点、スターワゴンは必要最低限の装備に留められてるのがいいですね。満足度はスペースギアよりも断然高いです」と木戸さん。

運転免許証を取得してから26年。これまで20台以上を乗り継ぎ、基本的に2年ごとに乗り替えまたは増車してきたという。そんな木戸さんが、「スターワゴンだけは手放す気にならないです」と言ったひとことに、このクルマの魅力が凝縮されているように思う。


ステアリングを抱え込むようなドライビングポジション。スピードメーターは160km/h、タコメーターは6000rpmフルスケールとなる。ステアリングコラム右側に並ぶのは、リヤゲートロック/アンロック、リヤデフォッガー、リヤファンの各スイッチ。



前後スライドとリクライニングの他、回転対座モードも備える2列目シート。この状態でも足元のスペースは十分にある。3列目は3人掛けのベンチタイプでセンターアームレストが備わる。



2列目右側に設けられたリヤエアコン用操作パネル。温度、風量、吹き出し口の各調整ができる。また、シガーライターと灰皿も用意される。



ルーフにはクリスタルライトルーフのサンシェード開閉スイッチが。経年劣化によりライナーが割れてサンシェードが開きっぱなしになるのが定番トラブルだが、パーツ供給には問題がないから修理は可能とのこと。


SPECIFICATIONS

●車両型式:P35W

●全長×全幅×全高:4460×1695×2090㎜

●ホイールベース:2240㎜ トレッド(F/R):1430/1415㎜

●車両重量:1860kg

●エンジン型式:4D56

●エンジン形式:直4SOHC+ターボ

●ボア×ストローク:φ91.1×95.0㎜ 排気量:2476cc 圧縮比:21.0:1

●最高出力:85ps/4200rpm 最大トルク:20.0kgm/2000rpm

●トランスミッション:4速AT

●サスペンション形式(F/R):ダブルウィッシュボーン/リーフリジッド

●ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ドラム

●タイヤサイズ:FR215SR15




ステアリングホイールがナルディクラシックに交換される以外、インパネ周りのデザインは前期型と共通。センターコンソールには純正オーディオに代えてアフターのナビシステムが装着される。ミッションは4速ATで2H(FR)、4H、4Lを切り替えるトランスファーレバー付き。



オフロード走行を想定したクルマらしく、ダッシュボード上に装着されるのは傾斜計と高度計。4WDモデルのGLX以上に標準装備されるアイテムだ。



シート表皮には肌触りのいいワルツベロアを使用。後期型でエクセーヌ生地を使った最上級グレード、スーパーエクシードが追加されるが、エクシードでもラグジュアリー感は十分に感じられる。



ドアノブやキーホール周辺には知らないうちに小傷が付いてしまうもの。それを防ぐドアハンドルプロテクターが装着される。純正オプションとして用意されていたアイテムだ。



リヤゲートにガーニッシュが追加された後期型。エクシード以上のグレードは“DELICA”の車名ロゴがスモール/ヘッドライトに連動して光る字光式となる。


SPECIFICATIONS

●車両型式:P35W

●全長×全幅×全高:4485×1695×2090㎜

●ホイールベース:2240mm トレッド(F/R):1430/1415㎜

●車両重量:1880kg

●エンジン型式:4D56

●エンジン形式:直4SOHC+ターボ

●ボア×ストローク:φ91.1×95.0㎜

排気量:2476cc 圧縮比:21.0:1

●最高出力:85ps/4200rpm 最大トルク:20.0kgm/2000rpm

●トランスミッション:4速AT

●サスペンション形式(F/R):ダブルウィッシュボーン/リーフリジッド

●ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ドラム

●タイヤサイズ:FR215SR15


デリカパーフェクトブック 2019年11月11日発売号 より



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