さて前回、「若者のクルマ離れという言葉は現状、的外れだが、将来はわからない。今後もクルマ趣味界隈が存在し続けるには、やはり若い人や子供たちの参加は不可欠だから、なにか自分にできる手立てを考えよう!」といった内容で話を締めました。今回は、その続きになります。
クルマを「好き」になってもらうのは、押しつけず、自然になってもらうのが理想的
若い人や子供たちがクルマを好きになる、あるいは興味を抱くきっかけは、「実車を見て」、「実車に乗って」の他に、「クルマや乗り物に関する書籍や映像、玩具、ゲームに触れて」も多いと思います。とくに「クルマや乗り物に敬意を持った人」が手がけた作品は、多くの若い人や子供たちを引き込むだけでなく、クルマ好きでいるための「心の種火」を長く炊き続けてくれます。これらの作品を継続的に出し続けてくれるメーカーさんは、実は自動車業界やクルマ趣味界隈の維持に最も貢献している、縁の下の功労者ではないかと思っています。
一方、個人でできることは限られています。多感な年頃は押しつけや差し出がましいまねに敏感で、そう感じた対象にはかえって反発するものです。消極的ではありますが、乗っているクルマを綺麗にし、危険な運転や迷惑な運転はしないという当たり前の行為を続け、若い人や子供たちに格好悪いところを見せないことが、個人で行える「できること」ではないでしょうか。
最初に「クルマは危険で迷惑」といったネガティブな印象を抱いてしまったら、もう「好き」になってもらえないかもしれません。
個人的でできることは、いつまでもクルマが好きでもらえるようフォローを続けること
クルマに興味を持ってくれた若い人や子供たち。そのままクルマが好きな大人になってもらうには、「興味」や「好き」という気持ちの維持を手助けする、あるいは他の事柄に興味が移っても、心のどこかでくすぶり続けてもらえるようフォローを続けることが大切なのだと考えます。
「興味」や「好き」という気持ちを持ち続けたまま免許証を取得し、自身のクルマでどこにでも出かけられるようになれば、晴れてクルマ趣味仲間の誕生です。もちろんスポーツ、ドレスアップ、アウトドアと方向性は違うかも知れませんが、彼らが使ったお金は巡り巡ってクルマ趣味界隈全体の賑わいに繋がります。