年末を迎えるにあたり、妻や家族から「大掃除のときくらい少しは処分すれば?」とチクチク責められるクルマ好きは少なくないはず。頭の中では「整理したほうがいいな」と思っていても、いざやってみると、結局捨てるものがほとんどないまま新年を迎える場合が多いことでしょう。そこで今回は、処分が苦手なクルマ好きのための「断捨離」をあえて提案。クルマ趣味をより充実させるための断捨離について考えてみます。
ミニマリストとは対極にいるクルマ好き
クルマ好きが嵩じてくると、どうしても増えてくるのがクルマ関連アイテム。自動車専門誌やカタログ、サービスマニュアルなどの冊子から、ミニカーなどのコレクターズアイテム、あるいは所有している車両のスペアパーツまで、その種類は千差万別。なかにはレストアのために部品取り用の車両まで保管している方もいらっしゃることでしょう。
そんなクルマ好きの方々にとって、鬼門ともいえるのが「断捨離」という価値観。巷では物を捨てる基準として、「使えないもの、壊れているもの」「1年以上使っていないもの」「2個以上あるもの」などが謳われています。
しかし、それをクルマ好きに当てはめると、ほぼすべてのモノを処分しなければならなくなります。
例えば、草ヒロ状態で保管しているクルマとか部品取り用の車両なんて、クルマに興味がない人からすればゴミ以外の何物でもないでしょう。また実車のスペアパーツは、1年どころか10年経っても日の目を見ないのが当たり前。むしろ一回も出番が来ないことが望ましい性質のものです。しかも、「もう使わないから」と思って処分したようなパーツに限ってその後必要になり、結局パーツ探しに奔走することになるのです。
ファッションやインテリアグッズとは違い、多くのクルマ関係アイテムは流行に左右されることが少なく、使い減りしたので処分するという性質のモノは少数派です。むしろ長期間理想的な状況で保管しておけば、購入時よりも高い金額で売れるようなアイテムもあるため、2個買いはコレクターにとって必須の条件なのです。
このようにクルマ趣味の世界には、一般的な断捨離の基準はまったく当てはまりません。クルマ好きの方々に不用品の処分を要求すること自体、もはやナンセンスであるともいえます。