独フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級スポーツカーメーカーであるポルシェと独プレス機械大手のシューラーは9月4日、折半出資で合弁会社を設立する契約を締結した。新合弁会社では、最新技術を活用した「スマートプレスショップ」を使い、車体部品を製造する。アルミニウム製の外装部品や小規模生産に重点を置いている。欧州連合(EU)の欧州委員会は8月半ばにすでに同計画を認可しており、他の競争当局の認可を経て、両社の合弁事業はスタートする。
新合弁会社は独立した有限会社となる。両社は合弁会社にそれぞれ数千ユーロを投資する計画で、従業員数は100人を超える見通し。拠点は未定だが、車体部品の輸送距離が短く、二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減できる拠点を選択する方針。
ポルシェは同合弁を通して、金属成形工程におけるノウハウを向上させる。特に生産データのネットワーク化、機械学習の導入により、予測メンテナンスや高度な生産制御を可能にし、より柔軟で効率の良い生産工程の構築を目指す。
ポルシェはグループ内のデザイン、開発、車体設計、金型製造、生産現場の連携強化により、ポルシェ製スポーツカーの品質を向上させる取り組みを進めている。同取り組みの一環としてポルシェは2015年には、独産業ロボット・機械設備大手のクーカから金型部門を買収している。
買収の対象となったのは、ドイツのシュヴァルツェンベルクとスロバキアのドゥブニツァの2拠点で、買収後は、ポルシェの100%子会社ポルシェ・ヴェルクツォイクバウ有限会社としてとしてポルシェグループに統合した。
[提供元/FBC Business Consulting GmbH]