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EUが重量車の排出規制、近く始動へ


欧州議会と欧州連合(EU)加盟国は3月26日、EU域内で販売されるトラックやバスなど重量車の新車について、二酸化炭素(CO2)排出量と燃費のモニタリングと報告を義務付ける規則案の内容で基本合意した。欧州議会と閣僚理事会の正式な承認を経て、近く新ルールが導入される。欧州委員会は重量車に対する規制の第2段階として、5月中にCO2排出量の規制値を提案する方針を示している。


重量車の排出規制、近く始動へ


EUでは域内で販売される乗用車と軽商用車について、2020年を達成期限とするCO2排出目標を定めて規制を実施しており、さらに欧州委は30年までにCO2排出量を21年比で3割削減することをメーカーに求めている。一方、重量車は用途によって形状やサイズなどが異なるため画一的なルールを適用することができず、これまで法制化が見送られてきた。欧州議会と加盟国が基本合意した今回の規則案は、規制の第1段階として重量車からの排出実態を把握することを目的に、欧州委が14年に提案していた。


規則案によると、EU加盟国は域内で販売された重量車の新車登録データを一括管理し、自動車メーカーはEUが開発したシミュレーションモデル「VECTO」によるCO2排出量と燃費の測定・モニタリング・報告が義務付けられる。欧州委はメーカーからの報告を受けて各種データを公表し、報告を怠ったり、虚偽の測定値を報告したメーカーに対する罰則を設ける。さらに今後実施される路上走行試験の結果を監視・報告するシステムを構築する。


欧州委によると、EU域内を走行する重量車は道路輸送におけるCO2排出量の約4分の1を占め、1990年からの20年間で排出量は36%増加した。EUは2050年までに輸送部門からの温室効果ガス排出量を90年比で60%削減するとの目標を掲げているが、新たな政策を動員しなかった場合、重量車からの排出量は50年まで現在と同じ水準が維持される見通しで、目標の達成が困難になる。欧州委のカニェテ委員(気候行動・エネルギー担当)は「重量車から排出されるCO2の抑制に向けた透明で信頼できるモニタリング・報告システムの導入により、排出規制を次の段階に進めることができる」とコメントした。


[提供元/FBC Business Consulting GmbH]


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