自分は当たり前だが軍人ではなく、しかも実は伊達という名字ですらないのに、なぜか「伊達軍曹」なる珍妙な筆名を名乗って中古輸入車に関するモロモロを書き始めたのが、たしか6年前。最初の頃は、当たりハズレが多い中古車販売店のなかから「当たり」を引くためのテクニックのようなことを主に書いていた。
凡庸な弁当が「旨そうな弁当」に変身する理由
しかし最近はその手のことをほとんど書いていない。初期の頃に書き尽くしてしまったから……という理由もあるが、それ以上に「最近は、以前と比べて当たりの中古車販売店とハズレの販売店とを見分けるのが難しくなってきたから」という理由のほうが大きい。
や、自分はさすがにこの道20年以上の大ベテランゆえ、今でも店舗さえ見れば、いや店舗に行かずとも半径70mぐらいまで接近するだけで、その販売店の質を見抜けてしまうという特殊技能を持っている。
しかし一般の方にとっては、昨今のサーカムスタンスは少々コンプリケである。つまり「状況が複雑になっている」ということで、そんなコンプリケな状況下で、「お店のココをこう見れば、当たりかハズレかを判断できますよ」というシンプルでナイーブな原稿はなかなか書けないのである。
では中古車販売店界の何がどう複雑になってきているのか? ということをご説明するため、寓話的な例として2枚の写真をお見せしよう。
1枚目は下のコレ。
自分は最近弁当男子ならぬ「弁当中年」として華々しい活躍をしているのだが、これはある日作成した自分用の弁当である。料理のプロから見れば甘い点もあろうが、素人が作った弁当としてはなかなか旨そうでステキなのではないかと、我ながら思う次第である。
しかしこの写真には仕掛けがある。そこで見ていだきたいのが下の1枚だ。
これが加工を施す前のオリジナル画像である。……特に不味そうには見えないはずだが、これを見て「すっごくおいしそうですね!」などという者は大嘘つきだ。「ごく普通」としか評しようのない凡庸な弁当である。