トヨタ「ヤリス」は数多くあるトヨタ車の中でも特に人気がある1台で、日本の道路事情に適したサイズ感と走りの良さ、そして優れた燃費性能と、生活実用モデルとしてバランスが取れたコンパクトカーといえます。
ヤリスはそれまでのコンパクトカーの概念を変えたといわれる1999年デビューの「ヴィッツ」の4代目モデルにあたります。ヴィッツはもともとグローバル市場においてはヤリスの名称で販売されていたため、ヴィッツが3代目から4代目へフルモデルチェンジするタイミングで日本国内でも名称がヤリスに変更されました。
ヤリス、そしてヤリスの旧型であるヴィッツの中古車市場の相場についてご紹介します。
ヤリス現行型:2020年2月~現在
現行型のヤリスは、コンパクトカー向けのTNGAプラットフォーム(GA-B)を初採用したモデルで、軽量・高剛性化、かつ低重心化し車としての基本性能を向上させています。
また新世代のハイブリッドシステムを採用、ハイブリッド車世界トップレベル(2024年1月時点、トヨタ調べ)の低燃費を実現しているのが特徴です。
ヤリスはまだ新しいモデルであるため、現行型ヤリスとして最も古い年式である2020年式で90万円程度からが相場といえます。
なお、GRパーツやMODELLISTAパーツでカスタマイズしている場合は高額になる傾向があり、200万円以上が相場になってきます。
そのほか、「パノラミックビューモニター」や、「ブラインドスポットモニター」といった先進安全技術のオプションが追加されているヤリスも高く、非搭載の車両と比較すると10~20万円程度高くなります。
ヴィッツ130系(2010年~2020年)
ヴィッツとしての最終モデルであり、燃費性能において当時のクラストップを実現しています。
さらに世界で初めて紫外線を約99%カットするスーパーUVカットガラスをフロントガラスとして採用するなど、日常での快適さや使い勝手に磨きをかけました。
モデルライフは10年と比較的長く、2014年と2017年にマイナーチェンジを受けています。2014年の1回目のマイナーチェンジ以前の年式は20~50万円程度が相場であり、比較的安く手に入ります。
2014年以降、2017年までの年式は若干相場が上がり、45~85万円程度です。2017年のマイナーチェンジ以降は60万円を切るものは減り、66~105万円程度が目安になります。
130系で最も高い相場で流通しているのは、GAZOO Racingが手掛ける限定モデル「GRMN」で、300万円を超えるものも。また、メッキ加飾を装着して華やかで個性的なスタイルとしてグレード「Jewela」も人気が高く、120~140万円程度で推移しています。
ヴィッツ90系(2005年~2010年)
2代目となる90系では、プラットフォームを一新してより広い室内空間と高い積載性を実現しました。また新開発のサスペンションやCVTを採用し、走行性能にも磨きをかけています。
90系は10年落ち以上になるので全体的な相場は130系よりもかなり安くなり、40~60万円程度がボリュームゾーンといえます。
70万円以上の比較的高額な価格帯のものはスポーツグレードのRS、そしてワークス系ブランドのTRDパーツを装着したもので、TRDモデルが100万円を超えるケースがあります。
ヴィッツ10系(1999年~2005年)
初代ヴィッツである10系は、安いことが最重要視される傾向があったそれまでのコンパクトカーの概念を変えた、といわれ世界的な評価も高い1台です。
洗練されたデザインや優れた燃費性能、居住空間の広さ、爽快な走りなど、当時としては全方向にハイレベルな1台です。
10系は生産終了から20年程度が経過していることもあり、90系や130系よりも流通台数はかなり少なくなります。
全体的な相場としては20~40万円台後半が中心価格帯といえるでしょう。
RSは90系においても比較的高額で、60万円以上するものもあります。
*2024年5月30日の相場
※この記事は、2024年6月時点の情報で制作しています