フロントガラスに傷が付いてしまった場合、運転中に気になったり、視界が遮られたりして危険であることから、すみやかに対処する必要があります。
しかし、フロントガラスの交換や修理にはどのくらいの費用や時間がかかるのでしょうか。
また、傷以外にもフロントガラスで気になりやすいのが汚れであることから、汚れの落とし方についても説明します。
傷・汚れそれぞれの原因もご紹介するので、効果的な対応の仕方を見てみましょう。
- フロントガラスを交換する場合、10万円程度が、修理の場合、数万円程度が必要
- フロントガラスの傷のサイズや位置などによって、交換するか修理で済むかが異なる
- フロントガラスの汚れは、汚れのタイプによって対応が異なる
フロントガラスの交換・修理に必要な費用
フロントガラスの交換や修理には、どのくらいの費用と時間がかかるのでしょうか。
交換や修理は、一般的にはディーラーや整備工場に依頼しますが、修理の場合は自分で行えるケースもあります。
作業を依頼する場合と自分で行う場合のそれぞれの費用や時間をチェックしておきましょう。併せて、自分で修理を行う場合の手順もご紹介します。
ディーラーや整備工場で交換・修理する場合の費用と時間
ディーラーや整備工場でフロントガラスを交換する場合、フロントガラス自体の費用も含めて全体で10万円程度になることが多いでしょう。作業時間は、新しいフロントガラスの接着剤が乾燥する時間を入れて3~4時間程度かかります。
修理の場合は、20,000~40,000円程度で済み、作業時間は30分から1時間程度です。
なお、ディーラーに依頼すると高額になる傾向があるものの、メーカー純正品を使用するため、品質の点で安心できるでしょう。交換するか、修理するかの判断に悩む必要がないメリットもあります。
一方、整備工場では交換部品は非純正が多いため安い傾向があり、費用を抑えやすくなります。
自分で修理する場合の費用と時間
傷が小さいなどの場合、自分でフロントガラスを修理することも可能です。修理に必要な道具は、ホームセンターなどに行けば数千円程度で購入できるでしょう。一般的に時間は1時間から数時間程度です。
ただし、個人の判断で修理するので補修が不十分になり、場合によっては車検に通らなかったり、後で傷が広がったりしてしまい、最悪の場合、交換することになる可能性もあります。不安なようなら、業者に任せたほうが安心です。
自分で修理する場合の手順
自分でフロントガラスを修理する際の基本的な手順を説明します。細かい部分は使用するキットの説明に従いますが、基本的には下のような流れになります。
なお、修理キットには、修復可能な傷のサイズや状態が記載されています。必ず目を通し、修理可能かどうかを確認しましょう。
1. 傷の部分の、ゴミや汚れ、水分を取り除く
2. 傷の部分に補修液(UVレジン)を注入する
3. 日光(紫外線)に当てて補修液を固める
4. 補修液が固まったら、余分な補修液をカミソリなどで削って取り除く
フロントガラスを修理後の車に
長く乗らない方へ
フロントガラスにひびが入ってしまったうえ、長く乗っている車で修理してもそれほど長い期間乗らないかもしれない場合、車を乗り換えるのも方法のひとつです。
とはいえ、車を買い替えるのは多額の資金が必要で、ローンを組んだとしても頭金が心配かもしれません。
そのような場合におすすめの方法があります。初期費用が不要であり、なおかつ月額10,000台から利用できるので、まとまった資金を用意することなく新車に乗り始められます。
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フロントガラスの交換するケースと修理できるケース
フロントガラスの交換費用と修理費用では、修理費用のほうがかなり安くなるため、できれば修理で済ませたい方もいるでしょう。
一方で、フロントガラスは車を安全に運転するうえで重要な役割を担っているため、無理やり修理で済ませてしまうと、事故につながるおそれもあります。
フロントガラスの役割を踏まえて、どのような場合に交換が必要で、どのような場合は修理でよいのか、見てみましょう。
そもそも、フロントガラスの役割は?
フロントガラスは、視界の確保や、飛び石や事故の際の被害軽減、紫外線や走行時の外部音の遮断などの役割があり、ドライバーや同乗者が車内で快適かつ安全に過ごすために重要です。
保安基準も設けられており、割れても破片が飛び散らないなど多くの工夫がなされています。
そのため、フロントガラスが破損した場合には、迅速な対応が求められます。
フロントガラスを交換するケース
傷のサイズが500円玉よりも大きかったり、位置がフロントガラスの上部や左右の端から10~20cm程度だったりする場合、交換になる可能性が高いでしょう。傷は修理しても多少は跡が残ることから、傷が運転者の視界を妨げる位置にある場合も、交換になることが多いといえます。
また、温度変化によって傷跡が割れる可能性があることから、フロントガラスの曇りを除去するデフロスターの風があたる位置に傷があるケースも交換が必要です。
飛び石がフロントガラスを貫通している場合、傷のサイズに関わらず、交換が必要です。
フロントガラスを修理するケース
傷が500円玉よりも小さいサイズだったり、傷の位置がフロントガラスの上部や左右の端から10~20cm以上離れていたりする場合、修理できることが多いでしょう。デフロスターの風があたらない位置に傷があるときも、修理が可能なケースが一般的です。
フロントガラスに傷がついたときの応急処置
フロントガラスに傷がついた場合、すぐに修理ができない状況もあるでしょう。そのような場合、応急処置を行うことで、傷が広がるのを一時的に防ぐことができます。
応急処置として、セロハンテープなどの透明なテープでひび部分を保護します。これにより、傷が広がったり、傷にゴミや汚れが入り込んだりするのを防ぎます。ただし、あくまで一時的な処置であるため、早めに交換や修理を行いましょう。
なお、視界を妨げる状態や大きな傷の場合は事故につながるリスクがあるため、運転を中止し、ロードサービスを利用しましょう。
フロントガラスの傷の原因と予防方法
フロントガラスの傷の原因はさまざまあり、それぞれの原因を知ることで、傷ができやすい状況を避けられる可能性があります。 どのような理由でフロントガラスに傷ができるのか、対策はあるのかをチェックしておきましょう。
飛び石による傷
飛び石は、高速道路や未舗装路で特に多く発生します。前方車両のタイヤによって巻き上げられた小石がフロントガラスに当たり、傷がついてしまいます。
飛び石を防ぐためには、前方車両と十分な車間距離を保つことが重要です。
凍結による傷
寒冷地では、凍結によるフロントガラスの損傷が発生しやすくなります。
凍結したガラスをこすったりして無理な力が加わる、熱湯をかけることで急激な温度変化が起こるなどすると、変形したり割れたりする恐れがあります。
凍結した場合は、エンジンをかけて暖気し、溶けるのを待つ、専用の解氷スプレーを使用するといった方法がおすすめです。
また、凍結を予防するには、凍結防止シートで覆ったり、撥水材でコーティングしたりするのがいいでしょう。
ワイパーによる傷
ワイパーブレードに砂利や砂が付着したままワイパーを動かすと、フロントガラスに細かな傷がつきやすくなります。ワイパーが劣化していないか日頃から確認し、1~2年程度でワイパーブレードを交換するようにしましょう。
フロントガラスの汚れの原因
傷はついていないけれど、フロントガラスの汚れが気になる、という方も多いでしょう。
フロントガラスの汚れには水性のものと油性のものがあります。また、汚れの原因はフロントガラスの外側と内側で異なります。それぞれの原因をチェックしておきましょう。
水性の汚れの原因
フロントガラスの外側の場合、汚れの原因は砂や泥、ほこりなどです。一方、フロントガラスの内側の汚れの原因はほこりのほか、たばこのヤニなどです。
油性の汚れの原因
フロントガラスの外側の場合、雨水や運転中にはね上げた油分、経年劣化したコーティング剤などが原因として挙げられます。一方フロントガラス内側の場合、触った際の手垢などが原因です。
フロントガラスの汚れの落とし方
フロントガラスの汚れを効果的に落とす方法を知ることで、クリアな視界を保つことができます。水性の汚れと油性の汚れに分けて、それぞれの対処法を紹介します。
水性の汚れ
フロントガラスの外側は、まずは水洗いして落とすのがいいでしょう。水洗いをしても落ちない場合、カーシャンプーを使用し、最後に水で泡ごと洗い流します。このとき、表面に水分が残らないように拭き取ります。
内側の汚れは、ガラスクリーナーなどを使用して拭き取ります。その後、マイクロファイバークロスで拭き取ります。
油性の汚れ
油性の汚れは、水洗いでは落としにくいでしょう。 フロントガラスの外側の場合、専用の油分除去クリーナーを使用し、ガラスの表面をしっかりと拭き取ります。除去し終わったら、油膜除去剤による研磨を行います。
内側は水性の汚れ同様、ガラスクリーナーを使用できます。また、消毒用エタノールを使用しても油性の汚れを落とすことができます。
フロントガラスの汚れを防ぐ方法
フロントガラスができるだけ汚れないようにしておくと、清掃の手間が省けます。
一般的に、フロントガラスにコーティングを施す方法があり、中でも撥水タイプを選んでおくと、水滴が玉状になりやすく、流れ落ちたり、走行時の風圧で飛んでいったりしやすくなります。水滴に含まれる汚れも一緒に除去されるので、フロントガラスをきれいに保ちやすくなるでしょう。
なお、コーティング前に油膜や水分をしっかり除去しておくことが重要です。これらの除去が不十分だと、走行時に日光や街灯の光でフロントガラスが乱反射し、対向車のヘッドライトなどをまぶしく感じることがあります。
※この記事は2024年5月時点の情報で作成しています