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江戸時代からの町並みが残る角館の武家屋敷とは?
江戸時代に蘆名氏、佐竹氏の城下町として発展した角館。その当時に建築された町並みが今も残り、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
見どころは、武家屋敷と黒板塀が続く武家屋敷通り(内町)、商家などの町並みが続く田町武家屋敷通り(外町)の2つのエリア。半径2kmほどの歩いてまわれる範囲内にまとまっているため、ゆったりと散策しながら楽しめます。
角館へのアクセス
角館までのアクセスを紹介します。
秋田駅から角館へのアクセス
秋田駅から角館駅に行くには、秋田新幹線こまちが便利です。乗り換えなしで約43分。
新幹線を利用しない場合は、秋田駅から奥羽本線で大曲駅へ(乗車時間は約52分)。大曲駅からは田沢湖線で角館に行きます(乗車時間は約19分)。
乗車時間 | 料金 | 乗り換え | |
---|---|---|---|
新幹線 | 約43分 | 3,000円 | なし |
普通列車 | 約1時間20分 | 1,340円 | 1回 |
※新幹線の料金は通常期・指定席
2022年12月調べ
秋田空港からの角館へのアクセス
秋田空港から角館までは、リムジンバスと電車を乗り継いで出かけます。秋田空港からリムジンバスで秋田駅まで。秋田駅からは秋田新幹線こまちか、普通列車で奥羽本線と田沢湖線を利用して角館駅へ。
秋田空港から角館まで、一番楽なのはエアポートライナーです。予約制の乗り合いタクシーで、乗車時間は約1時間。料金は1人4,000円です(2022年12月現在)。ただし、こちらは2名以上での予約となります。
秋田エアポートライナー
乗車時間 | 料金 | 乗り換え | |
---|---|---|---|
リムジンバス +新幹線 | 約1時間46分 | 3,950円 | 1回 |
エアポートライナー | 約1時間 | 4,000円 | なし |
※新幹線の料金は通常期・指定席
※2022年12月調べ
東京から角館への高速バス
東京から角館への夜行バスは、羽後交通のレイク&ポート号があります。こちらのバスは運行日が年末年始などに限られているので注意してください。
高速バスを利用する場合は大曲行きのバスに利用し、大曲駅から電車や路線バスで角館に行くのが良いでしょう。
大曲駅から角館駅までは、田沢湖線で約19分、大曲駅から路線バスを利用する場合は、乗車時間38分です。どちらも本数が少ないので、待ち時間が長くなる可能性があります。
乗車時間 | 料金 | 乗り換え | |
---|---|---|---|
レイク&ポート号 (期間限定運行) | 約9時間 | 8,600円 | なし |
高速バス(大曲行き) +路線バス | 約10時間 | 5,510円 | 1回 |
※2022年12月調べ
角館武家屋敷の見どころ
角館武家屋敷通りの見どころを紹介します。
手軽に見どころを知りたい方は、動画をご覧ください。
武家屋敷通り
道幅11mと広い通りは、曲がり角1つまで、町が造られた江戸時代のまま残っています。しだれ桜やモミの大木と黒板塀の道を歩いていると、まるでタイムスリップしたかのよう。
レンタル着物店もあるので着物で歩くのもおすすめです。人力車でまわると、さらに情緒が増しますよ。通り沿いには武家屋敷6軒が現存し、屋敷内の見学もできます。
(1)小田野家(市指定史跡)
母屋は明治33年(1900年)の大火で焼失し、現在は火災後に建てられたものです。もみの木や紅葉などの樹木にクマザサなどの植物を配した前庭は、京都庭園作法の伝統植栽法を取り入れたもの。幕末期武家屋敷の一様式が伺えます。
小田野家
(2)河原田家 (市指定史跡)
こちらのお屋敷も庭の美しさで定評があります。屋敷内には様々な樹木が植えられ、苔で覆われた地表に石組みが点在。枯山水庭園となっています。
河原田家
0187-55-1500 4月~11月 9:00~17:00、12月~3月 9:00~16:30 年中無休
入場料 大人(高校生以上)300円、小・中学生 150円
(3)岩橋家(県指定史跡)
庭に植えられている、樹齢300年前後と推定される天然記念物のカシワの木は、武家屋敷通りのシンボルとなっています。切妻造り、木羽葺き屋根は、かつては萱葺き屋根でしたが、明治30年(1897年)頃に葺き替えられました。
屋敷の間取りは、角館の中級武士の家屋として典型的な形を残しています。岩橋家では、映画「たそがれ清兵衛」の撮影が行わました。
岩橋家
(4)松本家(県指定有形文化財)
メインストリートから少し離れた場所にある、かつての下級武士の住居。主屋は茅葺き屋根。離れに寝室がある屋敷の建築年代は、幕末ごろと言われています。こちらも映画「たそがれ清兵衛」の撮影場所です。春から秋、座敷ではイタヤ細工の実演を見られます。
松本家
(5)青柳家(県指定史跡)
3,000坪の広い敷地内には草花であふれ、格式高い薬医門で知られている、角館を代表する上級武士の屋敷。屋敷内には展示コーナー、実演コーナー、体験コーナーと見どころも満載です。レトロなカフェやお食事処もあり、ひと休みするのにもおすすめ。
青柳家
0187-54-3257 4月~11月 9:00~17:00、12月~3月 9:00~16:00 年中無休
入場料 大人500円、中学生・高校生300円 小学生200円
Webサイト
(6)石黒家(市指定史跡)
武家屋敷通りの一番北側にある格式高い上級武士の屋敷。主屋、門、塀、土蔵など、江戸時代そのままの姿で保存されています。屋敷を囲うのぞき窓を付けた黒板塀は、現存する武家住宅の中でも最も古いもの。直系の子孫が今も住み続けているため、随時部屋に上がり、説明を聞けます。
石黒家
0187-55-1500 4月~11月 9:00~17:00、12月~3月 9:00~16:00
入場料 大人500円、中学生・小学生300円
Webサイト
田町武家屋敷通り
武家屋敷通りの南、商家町であった通りにも約80旗の武士が住んでいました。重要伝統的建造物群保存地区からは外れていますが、田町武家屋敷通りと呼ばれているこの通りにも、ぜひ立ち寄りたいスポットがあります。
(1)西宮家 母屋
西宮家には明治から昭和にかけて建てられた5つの蔵があり、それぞれレストランやギャラリー、古布や陶磁器、和紙などを販売するショップになっています。母屋ではおしるこなどもいただくことができ、武家屋敷のお屋敷に比べると、親しみやすい雰囲気です。
西宮家 母屋
(2)安藤醸造
嘉永六年(1853年)創業、無添加・天然醸造の味噌・醤油・漬物を製造販売している醸造元。角館町指定文化財となっている、明治時代中期に建てられたレンガ造蔵座敷は、無料で見学可能。蔵の中は明治で時間が止まっているかのようです。
店頭ではお出汁や味噌の試飲もできるのですが、お湯に溶いただけでおいしいお味噌汁になる味噌は感動もの! 角館のおみやげにもおすすめです。
安藤醸造
季節の見どころ
角館は春のしだれ桜が有名です。320年前、京都のお姫様が角館にお嫁入りしたときに持ってきた、3本のしだれ桜が始まりと言われています。角館にある450本のしだれ桜のうち、162本が国の天然記念物に指定されているのは驚きですよね。
黒板塀と薄いピンクの桜の美しい景色が江戸時代から変わらないものと思うと、感動もひとしおです。
山々に囲まれた角館は紅葉の美しさでも知られています。10月下旬~11月中旬にかけて武家屋敷通りの木々も赤や黄色に彩られ、春とはまた違った情緒のある風景となります。
青紅葉が鮮やかな新緑の夏、雪に覆われ墨絵のようなモノトーンの世界になる冬と、どの季節に訪れても見ごたえのある角館。春と秋は武家屋敷のライトアップも行われます。
角館武家屋敷の観光モデルコース
JR角館駅からは武家屋敷通りまでは約1kmほど。歩くと15分弱です。JR角館駅から駅通りをまっすぐ進み、最初に武家屋敷通り(外町)を散策。その後、田町武家屋敷通り(内町)を見学し、お土産などを購入して帰りましょう。
武家屋敷通り、田町武家屋敷通りと、歩いて散策するだけなら1時間30分ほどでまわれます。武家屋敷の中を見学したり、お昼を食べたりと、ゆっくりまわるなら3~4時間ほどでしょう。
桜の季節や紅葉シーズンは観光客も多く訪れます。1泊して人の少ない夜や早朝に散策するのもいいですよ。誰もいない早朝の武家屋敷通りは、ひとり江戸時代にタイムスリップしたかのような体験ができます。
春は桧内川沿いが桜のトンネルとなります。全長2kmのソメイヨシノは量感もあり、武家屋敷のしだれ桜と共に秋田を代表するお花見スポット。武家屋敷と一緒に散策すると5km前後歩くことになります。体力に自信のない人は、武家屋敷までタクシーを利用しましょう。
角館のグルメ
角館のランチでは、稲庭うどんや比内地鶏を使用した親子丼が人気です。
古泉洞
稲庭うどんは、どのお店で食べてもおいしいですが、古泉洞の建物は角館で一番歴史があると言われる、江戸時代の藩の寺子屋を移築したもの。江戸の風情を楽しみながら、稲庭うどんがいただけます。
古泉洞
- 住所
- 仙北市角館町東勝楽丁9
- TEL.
- 0187-53-2902
- 予算
- 朝昼¥1,000~¥1,999夜-
- 営業時間
- 9:00~16:30
- 定休日
- 無休
土間人 角館店
土間人の「安藤さんちの味噌焼きピザ」は、今までに食べたことのない斬新な味! 安藤醸造の味噌を使用したクリスピーなピザ生地に、たっぷりの葱と甘めの味噌、そしてとろ~りチーズ。言葉を失うおいしさです。テイクアウトで、さめてもおいしい!
土間人 角館店
- 住所
- 仙北市角館町下中町30
- TEL.
- 0187-52-1703
- 予算
- 朝昼¥1,000~¥1,999夜¥2,000~¥2,999
- 営業時間
- 11:00~23:00 ランチ 11:00~15:00(L.O.14:00) 夜 17:00〜23:00 (L.O.料理・デザート22:00 飲み物22:20)
- 定休日
- お盆・年末年始
REGAL RITZ
スイーツが食べたいなら、モンブランスイーツ専門店 REGAL RITZ(レガール リッツ)へ。角館は実は300年以上の歴史がある栗の郷なんです。
蔵をリノベーションした店内では、目の前でマロンクリームを絞ってモンブランを作ってくれます。人気商品のため、早々に完売することも。確実に食べたいなら午前中を狙いましょう。
REGAL RITZ
- 住所
- 仙北市角館町下新町34
- TEL.
- 0187-49-8285
- 予算
- 朝昼~¥999夜-
- 営業時間
- 定休日
角館を楽しむバスツアーは?
角館にはバスツアーで訪れる人いて、出かけたときもたくさんのツアー客が武家屋敷通りを散策していました。歩き疲れても、バスの中で休めるのがいいですね。
東京からのツアーでは、田沢湖、乳頭温泉も一緒にまわるツアーがあります。特に人気なのは、桜の時期や秋田で開催される全国花火競技大会「大曲の花火」の時期です。角館観光とお花見、花火鑑賞を楽しめます。
(さとちん)