※ウィラー「ニュープレミアム」は、J156便 (関東発→関西行き)2020年1月14日出発便と、J261便(関西発→関東行き)2020年1月13日出発便をもって、定期運行を終了することとなりました
WILLER 「ニュープレミアム」の販売終了につきまして
ざっくり、ウィラー「ニュープレミアム」はこんなバス
- 快適なふわふわシートで腰がラクチン
- 電動+手動の2段階でリクライニングを調整! 体勢が自由自在
- トイレがなくてもこまめな休憩で心配なし
首都圏と関西をつなぐ、WILLER EXPRESS(ウィラーエクスプレス)の夜行バス「ニュープレミアム」に乗車してきました。
こちらはウィラーの3列シートの中でも、やや高級で、ゆったりめのシートが魅力。広々としているので大きなお尻でも安心です。腰がまったく痛くならないという驚きの乗り心地でした。
バスタ新宿から初乗車! イスがたくさんある待合室で座って乗車待ち
関西へ遊びに行こうと思い立ち、やってきましたバスタ新宿。
今回選んだのは、ウィラーの「ニュープレミアム」という車両。座席が2列と1列に分かれた3列シートの夜行バスです。
バスタ新宿に着いたら、まずは乗車便が詳しく書かれたモニターをチェック。筆者が乗る便は予定通り、B6ゲートから出発するようです。
B6はたくさんのイスが並んだ待合室から、直接乗車できるゲート。待合室内にあるファミリーマートで買い物を済ませたら、ゆったり座って待つことができました。
21時の定刻5分ほど前に、見覚えのあるウィラーのロゴが付いたピンク色のバスが到着。自動ドア前に並んで、乗車します。
割り当てられた座席番号「5C」は、1列の並び。1列席はトイレ休憩の際、外へ出やすいのが嬉しいです。
期待のニュープレミアムシートはやわらか〜♪ 腰にもフィット
いざ、期待のニュープレミアムシートに座ってみます。
ニュープレミアムシートは、部位により硬さの違うクッションを使っており、ソファのような座り心地が最大の特長。評判通り、普段のシートとは違う、沈み込むような柔らかさです。
また、一般的な高速バスのシートと比べ、腰の部分が硬めで押し返すような感触がありしっかりフィットします。筆者は普段、毛布を丸めて腰に当てることが多いのですが、ニュープレミアムはただ座っただけで腰がラクでした。これは今までの高速バスでは経験したことがない快適さです。
広々としていて、座ってみるとかなり余裕がありました。座面幅が50cmもあるのだとか。一般的な4列シートと比べ5〜8cmほど大きいことになります。
筆者はかなりお尻が大きく、一般的な4列シートだとぎゅうぎゅうなのですが、このシートならゆったり。ただ、お尻が規格外のサイズなのか、体勢によっては左側にあるシートベルトの金具が当たる時がありました。
とはいえ、右寄りに座れば問題は解決。シート幅が広いと、体勢が自由に選べるので本当に快適です。
シートの首あては上下に15cmほど動かすことができます。しっかり頭をホールドしてくれるので、持参してきた首用のクッションは使わずに済んでしまいました。
上着を掛けられるハンガーがうれしい
座席の備品は毛布、木製ハンガー、説明書が2枚。高速バスでたまにある、使い捨てスリッパ・アイマスクはなかったので、必要な場合は持参する必要アリです。
使い捨てマスクとゴミ袋はバスの前方に置かれており、だれでも自由に使うことができます。
ハンガーは服を掛けたら持ち手に吊るし、下にあるバンドで裾を固定します。これで前の人が座席を倒しても、上着が足に乗ってきません。
カーテンは、1席ごとにかかっています。上部だけメッシュになっていて、乗客同士の目線は通りません。
このほか、前方にはフットレストが、右側のひじ掛けにはテーブルが格納されています。また、90度ひねって差し込むタイプの100Vコンセントは1口。(コンセントは座席により左右が異なります)
左手すりにはドリンクホルダー、リクライニングのレバー、レッグレストのレバーなどがあります。
いずれも使い方は説明書に詳しく書かれていますので、最初に目を通しておくことをおすすめします。筆者は最初に読まなかったせいで、大事な機能に途中まで気が付きませんでした。
2列+1列の3列シートはバス会社の配慮でトイレに行きやすく
バタバタとシートの機能を試していると、バスは静かに出発していました。
座席の埋まり具合は6割程度。乗客は少し女性が多いでしょうか。スーツ姿のサラリーマンや、旅慣れた姿の女性がほとんどで、年齢は30代〜60代と比較的高め。そのせいか車内はとても静かです。気になったのは、真ん中のB列に空きが目立つこと。
次の停留所、川崎駅に停まり、2〜3人が乗ってきました。関西まで向かう乗客がそろい、運転手さんから休憩についてアナウンスがありました。
休憩は関西までの間に3回。海老名SAに23時ごろ、静岡SAに24時55分ごろ、滋賀甲南PAに4時10分ごろに到着予定とのことでした。
トイレなし車両なので、2〜3時間おきにトイレ休憩があります。また、緊急時には運転士さんにお願いすれば、近くのSA・PAに止まってくれるそうです。それを聞いてほっと一安心。
さらに「満席なので、座席の移動などはしないように」と説明がありました。しかし、見たところB列の埋まり具合は半分以下。「おかしいな?」と思いましたが、おそらくウィラーの配慮である程度空けてあるのでしょう。
やはり2列シートの奥側だと、SA・PAでの休憩の際に、隣の席の人にどいてもらわなければいけないため、気を使ってしまいますもんね。
発車したら即座席をMAXに倒されてびっくり! でもその快適さに納得
川崎を出て間もなく、22時20分ごろ車内は消灯。同時に、前席の年配女性がググっと座席を倒してきました。ふと見ると、前方の席はみんな背もたれをググっと倒してゆったりムード。
前の人のリラックスぶりを見てうらやましくなり、筆者もさっそく真似してみました。後ろの方に声をかけ、まずは手動で背もたれを倒します。
かなり楽な姿勢になりましたが、前の人と比べるとまだ背もたれの角度が違います。説明書を読むうちに、左の手すりにあるレバーに気づきました。これで「電動ゆりかごリクライニング(素敵な名前ですね)」の操作が可能です。
さっそく電動式のリクライニングを試してみます。レバーを引くと、お尻の下が動く気配があり、座席がやや前方にスライドしました。背もたれの角度もより深くなり、ググっとラクに。
最大限倒すと、腰がしっかり支えられていることもあって、予想以上に「ごろりと横になる感覚」があじわえました。座席の膝側が少しせり上がり、背もたれもより深く倒れます。
一般的な4列シートは120度程度しか倒せないことが多いのですが、ニュープレミアムはなんと最大146度までOK。これが、ちょっとお高めな3列シートの実力なんですね。奮発した甲斐がある快適さです。
ただ、前後の人が電動ゆりかごリクライニングを使うと、座席間がかなり狭くなってしまいます。トイレ休憩でうまく降りられるか心配でしたが、前の席の人はSA・PAでは背もたれを起こしてくれたので大丈夫でした。気遣いに感謝です。
再度ニュープレミアムに乗る機会があれば、乗り降りの際に邪魔にならないよう、手荷物は棚の上に乗せておくようにしようと思いました。
トイレなし車両でも3回のトイレ休憩で安心
23時前に最初の休憩地である「EXPASA海老名(海老名SA)」に到着。消灯後ですが到着時には車内が明るくなり、到着のアナウンスが入ります。
海老名SAは建物の左右にトイレがあるので、どちらに向かっても大丈夫。中はとてもキレイです。車いす対応の多目的トイレもあります。
フードコートやATM、コンビニは24時間営業なので、軽い食事なども可能です。
休憩は約20分間。出発の時刻はバス前方に掲示されています。海老名SAを出発した後は、トイレ休憩前のアナウンスはないので、ちゃんとチェックしてからバスを降りましょう。
0時52分、やや早めに静岡SAに到着。休憩は約20分間。トイレは広々キレイで一安心です。
こちらも、フードコートがまだ営業中。また、売店では静岡県だけに地元のイチゴが売られていました。「きらぴ香」は静岡生まれのプレミアムイチゴです。
都内よりは安く売られていたこともあり「買って帰ればよかった!」と後から後悔しました。
乗車7時間でもむくみ少なめ&腰の疲れなしの快適旅
4時過ぎには、滋賀県の滋賀甲南PAに到着。約20分の休憩です。こちらは小規模のPAなので、お店は閉まっています。トイレは広く、こうこうと明るかったので、安心して使用できました。
ここまで約7時間座っていますが、座席全体がかなり倒れるせいか足もそこまでむくんでいません。そして、圧倒的に楽なのが腰!
普段の夜行バスでは途中で何度も姿勢を変えるのですが、ニュープレミアムのシートは姿勢を変える回数が3分の1以下です。腰が常に背もたれに支えられている感じがあるほか、高さのある首あてで首の座りの悪さも感じずに済みました。
時間通りに京都到着! まだまだ座っていたい快適シートにさようなら
最後の休憩から間もなく、4時45分に車内の照明が点灯。あと10分で最初の降車地・南草津に着くとアナウンスがありました。
そこから1時間後、5時40分に京都駅八条口(ホテルセントノーム前)に到着。7割くらいの人が下車したでしょうか。
停留所から8分ほど歩くと、JR京都駅の八条口前に到着。ここから旅が始まります。
奮発して乗車を決めたウィラーのニュープレミアム。2列+1列の3列シートは初体験でしたが、混みすぎない車内で安心して旅ができました。不安だったトイレ休憩も、車両内にそこまで人数がいないせいか乗降はスムーズ。
また、3列シートの中でもやや値が張るためでしょうか、利用者の年齢層が高く車内が静か。食べ物のにおいが気になることもなく、落ちついて旅ができました。
なにより、ソファ風の座席は本当に腰がラク! 腰の痛みやだるさがなく、朝からの移動や観光も問題なく過ごせました。
費用対効果を考えると、かなりコスパが高いと感じました。特に座席は、体格の良い人や4列シートでは足がむくみやすい女性、腰痛をかかえる人にぜひ試してほしい快適シートです。
※取材協力/WILLER EXPRESS
(青葉みお)