ざっくり、こんな移動
- 信頼のJRバス運行による格安夜行便
- 幅広4列シートにコンセント、トイレを完備
- 最安片道3,000円台! JR乗り継ぎの約3分の1以下!
座り心地も快適な4列ワイドシートの車内
「青春ドリーム信州号」は、西日本JRバスとJRバス関東が共同で運行する夜行高速バス。両社とも全国各地で多くの高速バスを運行しており、長年の実績と信頼があるバス会社として有名です。
運行は全区間ワンマン(1人乗務)ですが、途中の中央自動車道小黒川パーキングエリアが乗務員交代地点になっており、大阪・京都~小黒川間は西日本JRバスの乗務員が、小黒川~長野・小諸間はJRバス関東の乗務員がそれぞれ運行を担当します。
今回乗車したのは、西日本JRバスの大阪発「青春ドリーム信州1号」。力強さとスピード感をイメージした、同社の新しい車体カラーリングがひと際目立ついすゞガーラHDが充てられていました。
早速、車内を見てみましょう。
車内は、ブルーとオレンジの模様が入った4列ワイドシートが並びます。座席定員は40名ですが、このうち一部の座席は女性専用席として販売されています。
4列ワイドシートです。通常の4列シートよりもシート幅が広く、腰回りがゆったりとしています。シート幅は約45cm、リクライニング角度は約130°を誇ります。
ひじ掛け下(窓側席はシート横)のレバーを引いてシートをフルに倒してみます。数字以上に深く倒れている印象を受けました。
このシートには、全席に大型フットレスト(足置き台)を装備。靴を脱いでくつろぎたいという方にとってはありがたい装備です。
携帯電話やスマートフォンの充電に便利なコンセントは、ひじ掛け下(窓側座席は座席横)に装備されています。
車内ではWi-Fiサービスも提供されています。使用の際は、シートポケットに入っているリーフレット記載の設定方法に従って設定します。
各座席にはテーブルを装備。消灯前や起床後の飲食やちょっとした作業などに重宝します。
読書灯は、エアコンダクト付近に設置されています。明かりが散乱するため、消灯時は必要最小限の使用に留めたいものです。
トイレは、車内最後部に設置。途中、深夜と早朝に休憩停車がありますが、いざという時にうれしい設備です。
なお、このバスには毛布(ブランケット)、スリッパが備えられていません。必要な方は事前にブランケットや使い捨てスリッパなどを用意しておくとよいでしょう。
以上、「青春ドリーム信州号」の車内を紹介しましたが、格安タイプの夜行バスにしてはハイグレードな印象を受けました。
因みに、今回私が指定した座席は、こちらの最後部窓側「11D」という席でした。
「エンジン音がうるさい」「ほかの座席と比較して少し暑い」というデメリットもありますが、この車両の最後部座席は、車両の特性上、ほかの座席よりも足元がゆったりとしており、快適に過ごせるのです。
「ゆったりと足を伸ばして過ごしたい」という方には、ぜひとも最後部座席をおすすめします。
旅の始まりはあの一大テーマパークから!
「青春ドリーム信州号」の運行ルートは、下記の通りです。
大阪・京都発
時刻 | 停留所 |
---|---|
21:30 | ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(R) |
22:20 | 大阪駅JR高速バスターミナル |
23:30 | 京都駅烏丸口 |
↓ | ↓ |
翌朝6:09 | 長野駅(ホテルメトロポリタン長野) |
6:49 | 千曲川さかきバスストップ |
7:10 | 上田駅(お城口) |
7:32 | 東部湯の丸バスストップ |
7:53 | 佐久平駅(蓼科口) |
8:16 | 小諸駅 |
小諸・上田・長野発
時刻 | 停留所 |
---|---|
20:20 | 小諸駅 |
20:50 | 佐久平駅(蓼科口) |
21:10 | 東部湯の丸バスストップ |
21:40 | 上田駅(お城口) |
22:01 | 千曲川さかきバスストップ |
22:50 | 長野駅(ホテルメトロポリタン長野) |
↓ | ↓ |
翌朝5:31 | 京都駅烏丸口 |
6:43 | 大阪駅JR高速バスターミナル |
7:23 | ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(R) |
大阪側の始発は、国内有数の一大テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(R)」。夜遅くまで遊んだあとに、そのまま夜行バスに乗車して目的地へ移動できるのも、このバスの特長のひとつです。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(R)の発車場所は、バスターミナル4番のりばです。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(R)を発車したバスは、30分程で大阪駅JR高速バスターミナルに到着し、乗車扱いを行います。JR各線や大阪メトロから乗り継いで利用される方は、こちらからの乗車が便利です。
大阪駅JR高速バスターミナルへの詳しいアクセス方法は、以下のリンクを参考にするとよいでしょう。
夜行バスに乗り大阪から各地へ向かう人達で、バスターミナルは賑やか。乗り間違いや乗り遅れのないように注意しましょう。
大阪駅JR高速バスターミナルは、乗車券カウンターや待合室、トイレが完備されているほか、コンビニ(ファミリーマート)もあります。乗車前の飲食・買い物は、あらかじめこちらで済ませておくとよいでしょう。
大阪駅JR高速バスターミナルにて乗車改札中の「青春ドリーム信州号」です。
大阪駅JR高速バスターミナルを発車したバスは、約1時間かけて京都駅へ。京都駅烏丸口のJR高速バスのりばで最後の乗車扱いを行います。
京都駅烏丸口にも、待合室と乗車券カウンターが入った建物があります。待合室内にはパン屋さんもありますよ(営業時間は6:30~22:00)。
京都駅烏丸口の乗車場所は、「JR3」のりばとなっています。
京都駅烏丸口への詳しいアクセス方法は、以下のリンクを参考にするとよいでしょう。
途中休憩は2回! ひと眠りすると信州長野は目の前に
23:30定刻に京都駅烏丸口を発車したバスは、名神高速道路~東名高速道路~中央自動車道~長野自動車道~上信越自動車道を経由し、信州長野へと向かいます。
途中の開放休憩は、深夜と早朝の各1回実施されます。
深夜の休憩場所は、名神高速道路の多賀サービスエリア(滋賀県)。こちらでは0:30から20分間停車しました。
多賀サービスエリアは、トイレや自販機、売店、フードコートを完備している大きなサービスエリア。深夜時間帯でも売店やフードコートが営業していますので、ちょっとした食事やお土産の購入などにも便利です。
ただし、停車時間は20分と長くありませんので、乗り遅れのないよう、トイレや洗顔、買い物などは早めに済ませましょう。
発車時刻は、出入口付近に掲示されます。外へ出る際は、事前に発車時刻を確認しておきましょう。
多賀サービスエリアに停車する「青春ドリーム信州号」です。
多賀サービスエリアでの開放休憩が終わったこところで、バスは発車。その後、車内は完全消灯されます。消灯後は、早朝の休憩場所到着まで下車することができません。
早朝の休憩場所は、長野県の上信越自動車道松代パーキングエリア。こちらでは5:03から20分間停車しました。
松代パーキングエリアも、トイレや自販機、売店、フードコートを完備しているパーキングエリアですが、深夜~早朝時間帯は売店とフードコートが閉店しています。また、停車時間も20分と長くありませんので、トイレや洗顔、飲み物の購入は早めに済ませておきましょう。
松代パーキングエリアに停車する「青春ドリーム信州号」です。
長野県内各所に停車、終点の小諸駅へ
松代パーキングエリアを発車したバスは、上信越自動車道を北上し、10分程で長野インターを通過、長野市内へ入ります。
最初に停車したのは、長野駅に隣接する「ホテルメトロポリタン長野」の正面エントランス前。やはり、大阪・京都~長野間の利用が一番多く、こちらで半数以上の乗客が下車しました。
JR北陸新幹線やJR在来線、しなの鉄道、長野電鉄への乗り換えは、こちらの停留所を利用すると便利です。
その後、千曲川さかき、上田駅(お城口)、東部湯の丸と停車し、新幹線の停車駅でもある佐久平駅(蓼科口)に到着したのは、定刻よりも早い7:35。そして、しなの鉄道やJR小海線が乗り入れる終点の小諸駅には、8:06に到着しました。
4列シートの格安夜行バスということで、ある程度の覚悟はしていましたが、シートの座り心地がよかったからか、思っていたほど疲れずに快適に移動できたのは幸いでした。
大阪~長野間最安3,000円! 最大でJRの半額以下で寝ながら移動!
大阪~長野間をJRで移動する場合、新幹線と在来線を乗り継ぐ必要がありますが、片道普通運賃と新幹線特急料金(東海道新幹線「のぞみ」利用)、在来線特急料金(特急「ワイドビューしなの」指定席利用)の合計金額は11,920円です(いずれも2020年1月現在)。これに対して、夜行高速バス「青春ドリーム信州号」は、大阪・京都~長野・小諸間の片道普通運賃が3,500円~9,000円です。
さらに、JR高速バスの予約サイト「高速バスネット」でクレジット決済すると2%引になる「ネット割」が適用されるほか、「青春ドリーム信州号」には、早期購入割引運賃「得割」が設定されており、これを活用することで、大阪・京都~長野・小諸間を最安3,000円弱で移動できるのです。
JR新幹線と比較すると、最安時は約3割の運賃で移動でき、しかも宿泊費が節約できること、さらには高速バス以外に乗り換えなしの直通交通機関がないことから、「青春ドリーム信州号」のコストパフォーマンスは相当高いといえるでしょう。
「青春ドリーム信州号」は週末や繁忙期を中心に満席になることが多いので、乗車の際はできるだけ早めの予約・購入をおすすめします。
まとめ
今回は平日の月曜日に利用しましたが、運賃が安いということもあってか、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(R)帰りの若い方や女性の利用が目立った印象を受けました。
4列シートの夜行バスで多少の不安はありましたが、ゆったりとした4列ワイドシートに、コンセント、Wi-Fiなどの車内設備のおかげで、思っていたよりも快適に過ごせました。
この路線のセールスポイントは、やはり「格安な運賃」だと思います。大阪・京都~長野・小諸間最安3,000円弱という運賃は、移動費をできるだけ抑えたいという方には魅力に映るはずです。
しかも、車内にはトイレやコンセント、Wi-Fiが付いており、必要最低限な車内装備はひと通りそろっています。
・少しでも安く、しかも快適に移動したい
・乗り換えなしで移動したい
という方に、「青春ドリーム信州号」はおすすめのバスだと感じました。
「青春ドリーム信州号」の運行情報
(バスとりっぷ編集部)