東京~博多「オリオンバス」はざっくり、こんなバス
- 日本最長距離を走るバス! 移動時間は約15時間50分
- 快適なのびのびシートプラスは長距離移動の強い味方
- 乗っている時間が長いので、睡眠がたっぷりとれる!?
日本最長距離を走るバスに乗りたいかー!
おー!
乗りたいかー!
おー!
すっごく乗りたいかっていうと微妙ですが、「最長」と聞けば一度は乗ってみたい……気もする……ってことで、東京から博多へ。走行距離約1,100キロ、移動時間約15時間50分。日本で最長の夜行バスに乗ってきました!
日本最長の距離を走る「オリオンバス」が東京駅鍛冶橋駐車場に姿をあらわした!
現在、東京~博多のバスはオリオンバスと西日本鉄道の2社が運行しており、今回乗ったバスはオリオンバス。4列シートの「8021便 のびのびプラス」で、豪華バスの西日本鉄道「はかた号」より料金はだいぶ安く、通常料金8,500円~10,500円(日によって変動、GWなど除く)です。
ちなみに快適度の高い新幹線は、東京から約22,000円で5時間ほど。そのほか飛行機は、LCCの登場以降、セール時や平日の早朝便などをうまく駆使できれば、成田空港からびっくりするくらい安く行くことができるようになりました。羽田空港発のスカイマークの便が10,000円前後で搭乗できます。
そういった安い便をうまく利用できるなら、夜行バスより飛行機に軍配は上がってしまいそうなものですが、飛行機は価格変動が大きく「高いときはとても高い」という問題が。休みの時期などは、20,000円越えが当たり前です。
今回はちょうど春休みの最中だったため、飛行機と比較するとオリオンバス「8021便 のびのびプラス」が最安値。春休みは宿も高いので、車内で一泊できると思えば、さらにお得な状況でした(そのため人気で、1週間前にはほとんどの便が満席になっている事態に!)。
東京駅の八重南洲口を出て徒歩8分ほどにある「東京駅鍛冶橋駐車場」が乗車場所です。
トイレをすませて待っていると、これから16時間近くお世話になるバスがやってきました。
オリオンバス のびのびプラス! 4列のびのびシートプラスはこんな感じ!
車内に乗り込むと、座席をぎりぎりまで倒した状態でスタンバイ。たいていのバスは各々が後ろの人に一言かけて倒すようになっていますが、それだとどこまで倒していいのか気を使うわけで、最初から倒れているのは、たいへんありがたいのです。
また「のびのび」というだけあって、足もそこまで窮屈ではなくて、これなら長時間も耐えられそう。
ちなみにオリオンバスは、今回乗車した「のびのびプラス号」のほか、GWや夏休み期間などに限り「のびのびシート号」を東京〜福岡間で運行する場合があります。
「のびのびプラス号」との違いは、「のびのびシート号」はバスタ新宿に停車しないところと、座席幅&シートピッチ(座席間隔)。
のびのびプラス号が備えている座席は、座席幅46.5cm・シートピッチ96cm・リクライニング角度128度の「のびのびシートプラス」です。これに対して、のびのびシート号は、座席幅42〜45cm・シートピッチ94cm・リクライニング角度130度の「のびのびシート」を備えています。
リクライニング角度は2度浅いものの、座席幅が1.5〜4.5cm・シートピッチが2cm広くなったのびのびシートプラスは、のびのびシートのパワーアップバージョンという位置付けです。(今回掲載の画像はすべて「のびのびシートプラス」)
東京から乗り込んだのは5人ほど。「最長を体験!」ってわたしは東京からにしましたが、通常は少しでも乗車時間を短くしようと、新宿から乗ろうと考えるのかもしれません。
定刻の20時20分に出発すると、ここで軽く運転士さんから注意事項が。車内でカップラーメンなど香りの強いものを食べたり、飲酒するのは禁止。最初の休憩は静岡SAとのことでした。
バスは都内を順調に走行して、20時45分に「バスタ新宿」に到着。満席になって、定刻の21時に出発しました。ここで丁寧な乗車案内が、車内のモニターで放送されます。後方の人が見やすいように、5列目後ろからテレビがするすると降りてくるというハイテク仕様です。
道中は、15分~30分ほどの休憩が2、3時間に1度あります。博多まで大幅な遅れなどがなければ、SAやPAで合計6回の休憩があるもよう(新山口で降りる人は5回)。
せっかくなので、全部の休憩場所で降りてみることにしました。
オリオンバスの休憩時間はこんな感じ! 道中のSA・PAをご紹介
静岡県「静岡SA」(新東名高速道路)
23時20分に到着して、20分ほど休憩です。
とりあえず待ちに待ったトイレへ。それから、小腹がすいたので「寝る前におにぎりでも食べよう」と思って「ヤマザキデイリーストア」に入ったら……。
「おにぎりは人気だから乗車前に買っておけ」という教訓を得て、この休憩後、消灯となりました。
三重県「湾岸長島PA」(伊勢湾自動車道)
ナガシマリゾート直営のレストランや足湯がある珍しいパーキングエリアらしいのですが、深夜なのでなんにもわかりません。
兵庫県「三木SA」(山陽自動車道)
西日本最大のサービスエリアらしいのですが、まだ薄暗くって閑散としています。そしてとくにやることがない……。
広島県「八幡PA」(山陽自動車道)
「もみじ饅頭」の旗を見て、広島まで来ていることがわかりました!
山口県「富海PA」(山陽自動車道)
気づけばもう山口県まで来ているじゃないですか!
このPAの手前で「おはようございます」のアナウンスと共に、カーテンを開けてもよいとのアナウンスがありましたが、誰ひとり開ける者はおらず、また座席のリクライニングを上げる人もいません。車中の過ごし方は「ひたすら寝る」一択! といった感じです。
しかし、これが意外といい! 普段寝るのが遅いわたしは、夜行バスの消灯時間は早い、そして朝も早い。やっと眠くなって寝入ったと思ったらもう着いちゃった~。睡眠はこれからなのに、つらい……といった状況になることが多々あるわけですが、博多へは着くのが昼過ぎです。
いくら深夜から寝始めたって「ちょっともういいかげん寝られないよ……」ってな気持ちになるくらい、長々と乗っていることができる。長さがつらいだろうとばかり思っていましたが、「飽きるくらい眠れる」と前向きに考え直せば、車中の時間が意外と贅沢なものに感じられるのです。
山口県「壇ノ浦PA」(山陽自動車道)
小1時間ほどで「新山口」に到着して数人が降りたのち、さらに1時間で次の休憩場所である「壇ノ浦PA」に着きました。「ここから関門橋を渡って九州へ上陸するのか。ついにここまで来たのだ」という気持ちがむやみに高まります。ただ、乗って寝てただけなんだけど……。
※便によっては「新山口」に停車しない場合あり
いよいよ博多に到着! ぐっすり眠れて元気いっぱい!
そんなわけで、それから1時間半ほど。通路側の座席だったため、車窓もなにも見ないまま、どうやら「小倉」に着き、さらにうとうとしていると、きっちり定刻の12時10分頃、「博多」へ到着していました。
着いたどー!! ひたすら寝てたら着いたどー!! 感慨もひとしお……(?)。よく寝て元気いっぱいなので、はやく動きたい気持ちです。
※博多側の乗降地は2018年12月に「HEARTSバスステーション博多」になりました
オリオンバスのバス便
(かとうちあき)