2018年9月16日(日)に開催されたバスの日イベント「北海道バスフェスティバル2018」に参加してきました。
複数のバス会社が合同でイベントを行う形式になってから、今年で4年目を迎えましたが、北海道では2018年9月6日(木)未明に最大震度7の北海道胆振東部地震が発生し、余震や計画停電の実施によっては中止の可能性もありうるとアナウンスされたため、開催されるか心配されました。
ところが、その後、計画停電の実施がなくなったことなどから、イベントは予定通りに開催。
イベント当日はあいにくの曇り空でしたが、会場内は展示車両・イベントを楽しむ家族連れや各種グッズを買い求めるバスファンなどで大変賑わっていました。
車両展示は大人気! 4社のバス車両に長い行列
イベント会場では、北海道中央バス、じょうてつ、沿岸バス、ジェイ・アール北海道バスの4社がバス車両を展示。車内も見学できることから、各車両とも長い行列ができていました。
1) 北海道中央バス「まき太郎」
道内最大手の北海道中央バス(本社:小樽市)は、代燃車を復元したバス「まき太郎」を展示しました。代燃車とは、ガソリンの代わりに木炭や薪をたいて走る車両のことで、日本では第二次世界大戦前後の1930年代末期から1940年代後期にかけて活躍。
車体後部のボイラーのようなものがガス発生装置になっています。同社の創立50周年記念事業の一環として1993年に復元され、トヨタ製のガソリンエンジンやシャーシをベースに、車体や内外装、シート、枕木式の方向指示器(ウィンカー)に至るまで、忠実に再現しています。
自家用登録されており、公道も走ることができるそうですよ。
2) じょうてつ 最新型ノンステップバス
札幌市南部地域で路線バスなどを運行するじょうてつ(本社:札幌市)は、川沿営業所所属の最新型ノンステップバス「日野新型ブルーリボン」(2PG-KV290Q2)を展示しました。
広いノンステップスペースと優れた低燃費・環境性能が特長で、札幌駅~定山渓温泉・豊平峡温泉、真駒内駅~定山渓温泉など各路線で活躍しています。同社が東急グループに属していることから、車体のカラーリングは東急グループの貸切カラー「マーキュリーカラー」をアレンジしたものになっています。
なお、同車は「バスの乗り方教室」の教材としても使用されました。
3)沿岸バス「夢海鳥」(ゆめみどり)
北海道北部の日本海沿いをエリアとする沿岸バス(本社:羽幌町)は、レトロ調バス「夢海鳥」(ゆめみどり)を展示しました。フロントエンジンのマイクロバス「いすゞ・ジャーニーQ」をベースにしており、これまで神戸市、釧路市、上川町層雲峡で活躍してきました。
沿岸バスには2007年から在籍していますが、旅客輸送からは既に退いており、現在は年2回(北海道バスフェスティバルとクリスマスのサンタバス)のみの運用となっています。
「夢海鳥」(ゆめみどり)の前では、小学生以下のお子さまを対象にお菓子の当たる無料抽選会も実施。多くの家族連れで賑わっていました。
4)ジェイ・アール北海道バス「ファイターズ号」
JR北海道グループのジェイ・アール北海道バス(本社:札幌市)は、プロ野球チーム「北海道日本ハムファイターズ」の選手輸送用車両「ファイターズ号」(日野セレガSHD QRG-RU1ESBA)を展示しました。
「ファイターズ」のロゴを大きくあしらった車体デザインが特徴で、ファイターズの選手が乗るバスという珍しさもあってか、乗車を待つ長い行列ができていました。主に選手輸送用として活躍していますが、通常の貸切バスとしても利用できるそうで、乗車定員は54名となっています。
クイズラリーやCGシュミレーション、パネル展示、ステージショーも
会場内ではクイズラリーを開催。4問のクイズを会場内のヒントをたよりに回答し、すべて正解するとガラポン抽選に参加できるというもので、抽選参加の長い行列ができていました。
バス型ふわふわ遊具です。数多くの小さなお子さまが遊んでいました。
こちらは、バス運転士の仕事を紹介するパネル展示と北海道のバス事業を紹介するパネル展示のコーナーです。道内各バス会社の配布用時刻表やパンフレットも置いてありました。
NASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)のブースです。自動車運転CGシュミレーションが体験できるとあって、こちらも多くの方が訪れていました。
ステージではバス博士クイズ大会やバルーンアートショーが催されており、特にバルーンショーは小さなお子さまに大人気でした。
50人以上の行列も? 熱かったグッズ販売コーナー
バス車両展示エリアと並んで賑わっていたのが、バス会社オリジナルグッズ販売のブースでした。
今年は、北海道中央バス、じょうてつ、ジェイ・アール北海道バス、道南バス、沿岸バス、十勝バスの6社が参加。各社ともオリジナルグッズやバス廃品部品などを販売していましたが、中でも賑わっていたのが、廃品部品をメインに販売していた道南バスのブースと、萌えっ子キャラが人気の沿岸バスのブース。
特に、沿岸バスのブースは、最高で50人以上の人が並ぶほどの賑わいぶりでした。
販売されていたグッズをいくつか紹介しましょう。
北海道中央バスのブースは、オリジナルグッズをメインに販売。トミーテック製のバス模型「ザ・バスコレクション」も2種類販売していました。
道南バスのブースは、バス廃品部品をメインに販売。目玉は、写真の夜行高速バス用シートでした。
20,000円で販売していましたが、無事に売れたそうです。
品揃えで圧倒していたのが、沿岸バスのブース。
萌えっ子キャラを配したオリジナルグッズやバス模型はもとより、「えびみそラーメン」「マスカットサイダー」などの地元特産品やバス関連の同人誌も販売するなど、財布のひもが緩むこと間違いなしの充実ぶりでした。
まとめ
震災直後ということもあり、人出の少なさが心配されていた今年の「北海道バスフェスティバル」でしたが、いざ蓋を開けてみると、会場は家族連れを中心に多くの来訪者で賑わっており、感覚的には昨年以上の人出であった印象を受けました。
バスという乗り物に親しんでもらい、多くの方にバスを利用して貰うことが、この手のイベントの最大の目的。イベントを通じてバスという乗り物の良さをしっかり伝えていくことの大切さを改めて感じました。
来年はどのようなイベントになるのか…今年以上に楽しいバスの日イベントになるよう、一バスファンとして期待しております。
(須田浩司)