目次
舞鶴フェリーターミナルへは神戸三宮・大阪から直行バスで行ける!
舞鶴フェリーターミナルから乗船! 出航は23:50
船内の客室タイプは全部で5種類
船内での過ごし方は? ~食事編~
船内での過ごし方は? ~くつろぎ編~
20:45 小樽フェリーターミナルで下船
新日本海フェリーで優雅に京都~北海道旅!
北海道を発着する優雅な船旅! そんな夢をリーズナブルなお値段で叶えるのが、京都・舞鶴~北海道・小樽間を結ぶ新日本海フェリー「あかしあ」と「はまなす」。
北海道行は23:50発~翌日20:45着、関西行は23:30発~翌日21:15着の約21時間の航路です。お値段なんと11,100円~乗船できるのです。
※2023年11月現在
本州~北海道は高速バスではアクセス不可、でも新幹線や飛行機で移動すると交通費が高額になりがち。ですが新日本海フェリーなら、北海道へも格安旅行が叶うのです。しかも車やバイクも乗船可能。
とはいえ21時間の航路となると、ぶっちゃけ長すぎて退屈するのでは? 食事はどうする? 船内は揺れない? などなどあれこれ気になりますね。そんな疑問を解決するべく、京都から北海道まで今回実際に乗船してきました!
舞鶴フェリーターミナルへは神戸三宮・大阪から直行バスで行ける!
新日本海フェリーの京都側の港は、舞鶴フェリーターミナル(FT)です。こちらへのアクセスは、神戸三ノ宮バスターミナル(BT)と大阪なんばOCATバスターミナルから出発する連絡バスが便利!
フェリー運航日に1日1本のみ、フェリー乗船時間に合わせて運行しているのです。所要時間はそれぞれ神戸三ノ宮BTから約130分、OCATから約140分。私は今回神戸三ノ宮からバスで向かいました!
舞鶴FTへの連絡バスは完全予約制。私も事前に予約し、当日に神戸三ノ宮BTのフロントでチケットを受け取りました。
私の乗車日は平日でしたが、舞鶴へのバスの座席は8~9割が埋まっていましたよ。乗車したバスは3列独立シート。神戸三ノ宮BTを20:00発、舞鶴FTへ22:10着の、約2時間のバス旅です。
車窓から外の景色も眺められましたが、20:00発では外はほぼ真っ暗。なので呑気にうつらうつらとしているうちに、22:10定刻、バスは舞鶴FTに到着!
舞鶴フェリーターミナルから乗船! 出航は23:50
FTへ入ると、窓口には手続きを待つ乗客の列が。車やバイクを乗船させる人や、事前手続きをしていない人、当日変更がある人たちの手続きのようでした。
ちなみに事前にe乗車券を自宅でプリントアウトしておけば、当日の乗船手続きは不要。私もしっかりe乗車券を用意していたため、列には並ばず待合所へ直行できましたよ。
この日の旅客の乗船開始時間は23:15、乗用車とバイクは23:25。FTでお土産ショップなんかも覗いちゃおーかなと思っていたのですが、22:10到着ではお店も食事処もすでにクローズ! ちょっとがっかりしつつ、出発までこちらの待合所で待機です。
待っている間、どうせなら…とちょっと外に出てみると、フェリーはもう到着済み。着々と出航準備が進んでいるんだと思うと、ワクワクしますね! ちなみに私の乗船は「あかしあ」。
23:15の乗船開始時間となったら、タラップを通っていざ乗船! 船内エントランスは明るくきらびやかで、「ここから船旅だ~~~」とテンションが上がります!
乗船したら、乗客はまず予約した部屋へ入ります。荷物を置きたいし、そもそももう23時を過ぎているから、すぐに寝る準備をしたいですもんね。
そうして乗客全員を乗せ、23:50の出航時にはアナウンスが。「ただいま、あかしあは、舞鶴フェリーターミナルを出航いたしました……」
えっ、今? ほんと? と窓の外が動いているのをわざわざ確認してしまったほど、揺れもなくスムーズな出航でした。
船内の客室タイプは全部で5種類
ここでちょっと船内の客室をご紹介しますね。はまなす・あかしあの客室は大きく分けて5種類、「ツーリストA」「ツーリストS」「ステートルーム」「デラックスルーム」「スイートルーム」です。ステートルームとデラックスルームには、それぞれ洋室・和室のバリエーションがあります。
ツーリストA:格安旅行に嬉しい!
私が今回利用したのが、最も安価に乗船できる「ツーリストA」! 2段ベッドの相部屋で、1人1ベッド分のスペースが使えます。男女相部屋と女性専用部屋がありますよ。
ツーリストAの2段ベッドは上段・下段の出入口が互い違いに分かれているため、宿泊客同士が顔を合わせることがなく使えるのが特徴。相部屋内に個別の鍵はなく、ベッドはカーテンで仕切られます。ベッドの大きさは200cm×75cm。寝具のほかに、読書灯・コンセント・荷物掛け・簡易荷物棚が備え付けられています。
ベッドサイドの棚は使いやすく、特に中段はベッドから棚に置いたものが取りやすいようになっていて便利! ちなみに今回の私の持ち込み荷物は機内持ち込み可サイズの小型スーツケースだったのですが、ベッドサイドの棚の下段にちょうどぴったりでした。
ツーリストS:相部屋なのに個別TV付きで嬉しい
ツーリストAの2段ベッドが、1段ベッドに進化したのがツーリストS。カーテンで仕切られる相部屋なのは変わりませんが、ベッドだけでなくベッド脇のスペースもプライベート空間となり、個室感がグンとアップします。
さらに、ツーリストAと違い、ツーリストSには個別TVが登場! ベッドに横になったまま見られますよ。船内では携帯の電波は繋がらないことがありますが、BSやフェリーの観光ビデオは安定して楽しめます。
ステートルーム:洋室・和室・2段ベッドなどバリエーション豊富
ツーリストルーム以外の部屋は、鍵のかかる個室仕様。中でもバリエーションの多いのがステートルームです。個室はすべて洗面台とクローゼットが部屋の中についており、机の上にはポットや茶器なども用意されていて、ホテル泊のように滞在できますよ。
ステートルームのバリエーションは、洋室ツインベッド(定員2名)、和室(定員2~3名)、洋室2段ベッド(定員4名)。ツインベッドタイプには、車椅子でも使いやすいバリアフリーの部屋もあります。ちなみに別途、バリアフリーのお風呂も借りられますよ。
デラックスルーム:テラス付きの部屋で大海原を独り占め!
デラックスルームはテラス付きのラグジュアリーな部屋! 洋室ツインルームと和室があり、ステートルームの設備に加え、バスとトイレ(ユニットバス)・冷蔵庫・ドライヤーなどが加わります。
窓から続くテラスの外は、もちろん一面の海! ゆったりと潮風を浴びれば、船旅の情緒が思いきり実感できますよ。ただし強風や荒天の際はご注意を。
スイートルーム:オーシャンビューの浴室も楽しめるラグジュアリールーム
船内で最上級ラグジュアリーが堪能できるのが、スイートルーム。広い室内にはベッドエリア・机エリア・リビングエリアがあり、お風呂からは窓の外の海が眺められます。
また、スイートルームのみグリルレストランでの朝・昼・夕の食事が料金に含まれており、ホテルシェフ監修の本格的なコース料理をいただけますよ。
船内での過ごし方は? ~食事編~
船内の消灯は、出航40分後となる0:30。客室でゆっくり眠ったら、朝が来るのはすぐ! 朝7:50には船内アナウンスが入りました。レストランの朝食営業は8:00~9:00、同じく8:00からは大浴場もオープンとなるので、寝過ごしのないようアナウンスしてくれるのですね。
船内の食事は、スイートルーム泊の場合以外は、基本的に別料金のフリースタイルです。船内で食事ができる場所は、レストラン・カフェ・グリルレストランの3カ所。ただしカフェとグリルレストランは、航海によって開いていない場合もあります。
レストラン
船内の食事処のメインとなるのが、レストラン。朝8:00~9:00・昼12:00~13:00・夜18:00~19:00と、朝食・昼食・夕食の時間帯にそれぞれ1時間ずつオープンします。
私もレストランで朝食をいただいてきました!
私が伺ったのは8:00少し過ぎ。先客は何組もいましたが、まだ座席は選び放題でした。船なんだからやっぱりこの席でしょ! と海の見える窓際席を陣取り、朝ごはんをオーダー。
モーニングセットや和風プレートセットなどもある中、私はお粥セット(500円)をいただきました!
お会計は1食ごと。現金のほか、クレジットカード利用もOKです。
レストランのメニューは朝・昼・夕ですべて変わるため、食べたいメニューがある時は事前にチェックがおすすめです。ちなみに私は夕食時にもレストランを利用し、今度は北海道味噌バターコーンラーメン(800円)をいただきました。北海道へ到着前に、北海道の味覚を先取りです!
カフェ
船内にはカフェもあり、軽食やドリンクがいただけます。私の乗船時には、9:30~11:00/14:00~15:00にオープンしていましたよ(航海により、カフェは営業しない場合あり)。
軽食とはいえ、「新日本フェリー特製オリジナルビーフカレー」や「ミートソーススパゲティ」などは食事に充分なボリューム。コーヒーやジュース、生ビールなどもいただけます。
グリルレストラン
グリルレストランは、予約のみ・フルコース料理のみの高級レストラン。昼食時と夕食時にオープンします。
季節ごとに変化するフルコース料理のメニューは、寄港地である北海道の食材を活かしたものもたくさん。お子様向けのランチやディナープレートもオーダーできますよ。
フリースペース
レストランやカフェを利用せず、客室内やフリースペースで購入した品や持参のお弁当などを食べるのもOK! 5Fの窓沿いにはフリースペース「プロムナード」がありますよ。船内のショップや自動販売機では、カップラーメンなどの軽食やお菓子が購入できます。
船内での過ごし方は? ~くつろぎ編~
朝食を食べたら、いよいよ船内でのくつろぎタイム! なにせ小樽FTへの到着は20:45、時間はたっぷりあります。なお船内にWi-Fiサービスはなく、携帯の電波状況は、出航から数時間は繋がっていたけど後はほぼ不通という状態。これはゆっくり船内を楽しむのが正解!
まずは気になっていた、大浴場へ! オープンは8:00~18:00。でも混む時間もありそうだなあ…と心配になり、食事時を狙って行ってみたら、これが大正解! 窓から海を眺めながら悠々とお風呂に入れましたよ。
それから、清々しいオープンデッキへも。こちらは船の後方、レストランの奥にあります。気持ちいい~~~!!
10:00過ぎには、姉妹船はまなすとのすれ違いも! あかしあ・はまなすは毎日それぞれ小樽・舞鶴から交互に出航しているので、航路の途中ですれ違うのです。「ボォーーーーー……」と汽笛を鳴らし合いながら行き交う様子は、船旅の旅情たっぷり! 館内放送でもタイミングを教えてくれますよ。
なお、船の前方にはフォワードサロンもあります。取材日には強風のためすべてカーテンが下りていましたが、カーテンが開いている日はそちらから景色を楽しむのもおすすめ。
そのほか、館内には映画が見られるコンファレンスルームやゲームコーナーも。有料のビデオルームやマッサージルームもあり、時間を忘れて楽しめます。ちなみに船内のどこで過ごしていても、1時間半~2時間ごとに船内放送が入り、もうすぐクローズ・オープンする船内施設の情報などを教えてくれるので安心!
なお、船旅中の「ちょっと小腹が空いた」「到着地の観光情報雑誌とか見たいな」「乗船記念のオリジナルグッズとかあったら欲しーい!」などのちょっとした要望が出た時に、しっかり頼りになるのが船内のショップ。
軽食やドリンク、雑誌やゲーム類、寄港地のお土産品や、新日本海フェリーオリジナルグッズまで扱っています。購入は現金のみなのでご注意くださいね。
ちなみに取材日は海が穏やかだったこともあり、船内の揺れはほとんど気になりませんでした。スタッフさん曰く、海の状態や季節に左右されるとのことで、海が特に穏やかでおすすめなのは夏の頃だそうです。夏にはオープンデッキでジンギスカンイベントが行われることもあるそうですよ。
20:45 小樽フェリーターミナルで下船
船内でたっぷり遊び、ついでにお昼寝もしたりして、のんびりくつろいだ船旅タイムも夜には終了。19:55には、「ただいま小樽港近くを走行しており、あと50分ほどで小樽フェリーターミナルに到着いたします。接岸時には船が揺れることがありますので…」と船内放送が入りました。ちなみに船内放送によると、小樽の気温は12度とのこと。
えーもう着いちゃうの、もう1泊くらいしたいなあ……なんて思いつつ、モコモコと長袖を重ね着して、下船の準備。定刻20:45の15分前くらいにエントランスに行くと、同じく下船の準備をして待機している人たちがたくさんいましたよ。
あかしあ、お世話になりました!
下船した小樽フェリーターミナルは、船の模型や写真もたくさんあるきれいなビル。今まさに船を下りたところなのもあって、時間があればいろいろ見てまわりたいところでした。次回に期待!
なお下船後は小樽駅へ移動し、そのまま札幌入りした私。終電には充分間に合う時間だし、小樽から札幌へは電車で約30分なのです。とはいえ他の乗客の方々とちょっとお喋りしたところ、下船のその日はそのまま小樽泊の方が多いようでした。夜ですもんね。
ほぼ丸1日かかった舞鶴~小樽航路。大浴場に入って映画も見てお昼寝もして、北海道ラーメンも食べてと、船内はかなりのくつろぎタイムでした! 体感としては船で旅をひとつ楽しんだ感じです。そして、体は全然疲れないまま小樽へ到着。これは嬉しい!
出発日は乗船早々に眠っているので、約21時間の航海時間も、体感では朝~夕くらい。しかも飛行機や新幹線と違い、荷物を部屋に置いたままお風呂や食事に過ごしていられるので、体の負担がだいぶ楽なのです。
そして、最安値11,100円! 料金は乗船日程などでも変わりますが、飛行機や新幹線よりはるかにリーズナブル! これは格安旅行にめちゃめちゃおすすめです。時期によっては、お得なプランやツアーが登場することもありますよ。
ではでは、新日本海フェリーでぜひ北海道・京都旅を楽しんでくださいね。
※取材協力/新日本海フェリー
(陽月よつか)