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流氷が見られる場所と時期
日本で見られる流氷は、中国とロシアの国境を流れるアムール川の淡水が、オホーツク海に流れ込み、シベリアの寒気で氷結。大きくなりながら日本に流れ着いたものです。海岸に押し寄せる流氷を見られるのは、北海道の東側、網走、紋別、知床ウトロ・羅臼の3カ所となっています。
流氷が着岸するのは毎年1月下旬から3月の間ですが、もっとも流氷観察に適しているのは2月。それでも、風の向きによっては流氷が沖に流され、見られない場合もあります。
私は過去、2月上旬に紋別へ行きましたが、1週間前まで見られたという流氷は30km沖合に流されてしまい、残念ながら海岸から見ることが叶いませんでした。
でも、帰りの飛行機の窓からは、しっかりオホーツク海に浮かぶ流氷を眺められました。
流氷観光船に乗って海の上から流氷を見よう!
網走、紋別、羅臼では、それぞれ流氷を見るための観光船が出ています。
【網走】流氷観光砕氷船おーろら
大型観光船・おーろらは、船の重みで流氷を砕きながら進んでいきます。大型船なので流氷のある沖合まで出られ、船の揺れも少なく、広い船内で快適に過ごせます。定員は450名と多くの人が乗船でき、電話やインターネットで事前に予約できます。3月15日以降は前日までの予約数が各便15名以下の場合、運休になることがあります。
おーろら号乗り場の「道の駅 流氷街道網走」までは、女満別空港から空港連絡バスで約40分、JR網走駅からは直通バスで約10分です。
【紋別】流氷砕氷船ガリンコ号
先端にある2つのドリルが分厚い氷を砕きながら進んでいくガリンコ号。ガリガリと氷を粉砕する音も迫力です。船底が低めのため、海面に浮かぶ流氷を見られます。
完全予約制で2日前までに電話かWEBで予約します。定員はガリンコ号2は195名、ガリンコ号3 IMERUは235名。最少催行人数の10人に満たない場合は運休になります。料金は時期によって異なり、流氷が見られなかった場合は割引があります。
ガリンコ号乗り場までは、オホーツク紋別空港から無料送迎バスで約8分、紋別バスターミナルからはバスで約15分です。それぞれ、バスの運行期間は例年1月上旬から2月下旬まで。土日祝のみ運行の期間もあるため事前にご確認ください。
【羅臼】流氷バードウォッチングクルーズ
観光船エバーグリーンで至近距離から流氷を眺める「流氷バードウォッチングクルーズ」。オオワシ、オジロワシなど希少な動物も間近で見られます。空席がある場合は当日でも乗船可能です。最少催行人数は5人以上となっているので、こちらもまず予約しておきましょう。
羅臼流氷船乗り場までは、中標津空港から車で約1時間15分です。また、中標津バスターミナル~羅臼本町停留所(乗船場まで徒歩約5分)までは阿寒バスで約1時間半です。
網走、紋別、知床ウトロ・羅臼へのアクセス
網走、紋別、知床ウトロ・羅臼の中で鉄道の駅があるのは網走だけ。紋別、知床ウトロ・羅臼へは車で出かけることになりますが、慣れない雪道の運転はなるべく避け、バスを利用することをお勧めします。それぞれのエリアへのアクセスを紹介します。
網走
女満別空港から市街地までは車で30分。女満別空港へは東京、大阪、名古屋・札幌から飛行機の直行便が出ています。
電車で向かう場合は、札幌駅から釧路駅経由で旭川駅へ。旭川駅からはJR石北本線が網走駅との間を結んでいます。バスは、札幌から都市間バス「ドリーミントオホーツク号」などが利用できます。
紋別
オホーツク紋別空港から紋別の市街地までは、無料の空港連絡バスで約10分。羽田空港からオホーツク紋別空港へは、1日1往復直行便が出ています。
飛行機の便数が多く、冬でも就航率が高い旭川空港からは、紋別まで都市間バスで1時間ほどなので、旭川空港を利用するのも良いでしょう。
バスは札幌、旭川、遠軽、名寄から紋別までの都市間バスが出ています。
知床ウトロ・羅臼
飛行機の場合、羅臼へは中標津空港から車で約1時間15分。空港から路線バス利用で約1時間半です。空港からはひがし北海道エクスプレスバスも利用でき、所要時間は羅臼まで約1時間15分です。
ウトロへは女満別空港から車で約1時間半。空港からバスを利用する場合は空港から約2時間です。
ウトロまでは、札幌から夜行バスも利用できます。
鉄道があまり通っていない道東エリアを旅行するとき便利なのが、冬の期間限定で運行する「ひがし北海道エクスプレスバス」。2022年は1月29日~3月6日まで運行します。ただし一部路線では運行期間が異なります。
事前に予約が必要で、網走、紋別、知床、阿寒、川湯、釧路、層雲峡などの道東内の主要観光地を走ります。
「ひがし北海道トラベルラボ」ひがし北海道エクスプレスバス 2022 冬
ひがし北海道エクスプレスバスや地域の都市間バス20路線が乗り放題になる、お得な「乗り放題パス」も発売されています。3日間9,800円・4日間13,800円・5日間17,800円の3種類があり、こちらも事前予約が必要です。
アクセスの難しい道東エリアをリーズナブルに移動でき、あれこれプランを考えるのも楽しく、旅慣れた人にお勧めです!
「ひがし北海道トラベルラボ」ひがし北海道 乗り放題パス 冬
慣れない雪道の運転に自信のない人は、バスを上手に利用して観光しましょう。
ツアー利用で楽々流氷見学
流氷見学ツアーは、各旅行会社からいろいろ発売されています。ツアーを利用すると、気軽に流氷を見に行けます。東京や全国の主要都市からは、飛行機と宿泊、流氷鑑賞がセットになった団体ツアーが出ています。団体で行動するのはちょっと…という人は、個人向けに往復の飛行機+現地バス+ホテル+流氷船乗船券がセットになったツアーもあります。
もしくは、北海道までの往復交通手段や宿泊は自分で手配し、北海道でバスツアーを利用するのも便利です。
人気があるのは、札幌発の流氷見学バスツアー。札幌までの交通費を足しても、東京や主要都市からの流氷パッケージツアーに比べ、比較的安く流氷を鑑賞できると思います。船の乗り場は公共交通機関ではアクセスが大変なところも多いので、バスツアーを利用するとそのあたりの手間も省けます。初めての流氷観光なら、ツアーを利用すると周辺観光も楽しめるのでお勧めです。
流氷鑑賞の注意点
最後に流氷を見学に行くときの服装についてのアドバイス。とにかく想像以上に寒いです! なので、防寒対策は忘れずに! ただし、室内やバスの中は温かいので、脱ぎ着しやすい服装がベストです。
また、手袋は必須です。転んだ時とっさに手が付けないと大けがをしてしまうので、ポケットに手を入れて過ごせばいいやなんて、甘く考えるのは絶対にやめたほうがいいです。
足元も注意が必要です。慣れない雪道は想像以上に滑ります。滑り止めのついた靴、もしくは着脱式の滑り止めを忘れないようにしてください。
国内渡航便遅延保険に入っておくと、飛行機が欠航した時に助かります。私が紋別に出かけたとき、悪天候のため飛行機が欠航になったのですが、ツアーに国内渡航便遅延保険がついていたので、延泊分を保険で補えました。個人で出かけるときも、入っていると安心なので検討してみてください。
(さとちん)