今回のテーマは「土鍋」です。土鍋といえば、おでんや寄せ鍋など、まさに『鍋もの』が真っ先に浮かびますが、それとは少し趣向を変えたメニューをご提案します。ぜひ、試してみてください。
「土鍋」の良さとは?
土鍋は土で作られた陶器製の鍋です。最近では低価格な1人用サイズなども販売されており、色やサイズ・形なども様々で、冬の時期には重宝する調理器具のひとつです。便利なアイテムではありますが、割れることを心配してキャンプに持って行くのを避ける方もいるかもしれませんね。
簡単に持ち出す方法として、バスタオルなどで包んだのち、しっかりと八の字に紐をかけておけば、よほど重いものを上に乗せたり、どこかに強くぶつけたりしない限りはなかなか割れることはありません。また、使用前・使用後の手間を感じる方もいるかもしれませんが、そこはダッチオーブンとあまり差異はありません。ダッチオーブンとの違いは、ダッチオーブンは蓋に重さがあり、しっかり密閉されることで無水調理ができますが、反対に、土鍋の蓋には穴があり、適度に水蒸気を逃してくれます。この水蒸気の上がり具合で熱加減を見ることができ、また適度に水分が減り旨みが凝縮されます。土鍋を扱う上で注意することは、『空焚きをしない』『底が濡れている状態で火にかけない』ということです。ご自宅と同様に、これさえ気をつけておけば、土鍋は様々に重宝する、美味しさを作る調理器具かと思います。ぜひ、たくさん使ってくださいね。
土鍋で冬のパエリアを!
パエリアはスペインの料理で、本来は、専用のパエリア鍋で野菜や魚介類、肉などの具材をたっぷり入れ、旨みとともに炊き上げる米料理で、ピラフやリゾット、炊き込みご飯に近しいものです。炭火で作る場合のポイントは、土鍋内への加熱を急に変えるのは難しいので、白米を入れて沸騰させる時に最も火力を強くして、沸騰後は少し弱めの火加減になるように鍋の場所や炭を配置すると、焦げ付かずにうまく作れると思います。
<材料>
白米 2合
*お好みの豆類(水煮) 1カップ
*お好みのキノコ類 100g
たらの切り身 4切
ごぼう 1/4本
玉ねぎ 1/2個
パプリカ(赤) 1個
にんにく 2片
トマト 1個
赤唐辛子 1/2本
オリーブ 6個
ローリエ 1枚
オリーブオイル 大さじ3
水 1カップ
白ワイン 1カップ
サフラン ふたつまみほど
塩 小さじ1/2
パセリ 少々
*豆類は、ひよこ豆やいんげん豆などがおすすめです。キノコ類は、マッシュルームやしいたけ、エリンギ、まいたけなどがおすすめです。
<作り方>
1. キノコ類は石突きを落として食べやすい大きさにします。たらの切り身は水分をよく拭っておきます。身が大きい場合は、適当な大きさに切り分けてください。ごぼうは5mm程度のいちょう切りにして、水に晒してからしっかりと水分を拭います。玉ねぎ、パプリカ、にんにく、パセリはみじん切りにします。トマトはざく切りにします。赤唐辛子は輪切りにします。サフランは白ワインに漬けておきます。
2. 空焚きにしないよう、土鍋にオリーブオイルを鍋肌にもしっかりと馴染ませておきます。にんにく、赤唐辛子を入れて、弱火にかけます。
3. 香りが立ってきたら、玉ねぎ、オリーブ、ごぼう、キノコ類を加えて炒めます。
4. しっかりと炒めたら、豆類、白ワイン、ローリエを加えて沸騰させます。
5. 白米、トマト、水、塩を加えてざっとひと混ぜしたら、たらの切り身が浸かるように並べます。蓋をして、強めの中火程度で加熱します。
6. 沸騰したら、弱火にして、10分ほど加熱を続けます。
7. 水分がなくなったら、火から下ろして、バスタオルなどで包んで余熱や保熱効果を利用して10~15分蒸らします。
8. 蓋をとって、仕上げにパプリカとパセリを散らせば完成です。
旬の果物で簡単な煮込みはいかが?
これからの時期、旬を迎えるりんごを使った煮込み料理をご紹介します。シンプルですが、それゆえに素材の味が楽しめるかと思います。
<材料>
りんご 2個
鶏手羽中 500g
玉ねぎ 1/2個
サラダ油 大さじ2
水 400cc
粒マスタード 大さじ4
しょうゆ 小さじ1
塩 少々
こしょう 少々
ピザ用チーズ 50g
<作り方>
1. りんごは皮を剥いて、芯を除き、12等分に切り分けます。玉ねぎは薄くスライスします。
2. 土鍋にサラダ油を入れて、鍋肌にも馴染ませ、りんご、鶏手羽中、玉ねぎを入れて、弱火〜中火程度で加熱します。
3. 土鍋にくっつかないようにしながら、塩、こしょうを加えて炒めていきます。
4. 玉ねぎがしんなりして、半透明になったら、水を加えて蓋をし、10分ほど煮込みます。
5. 粒マスタード、しょうゆを加えて、味が混ざるように、底から具材を返すようにして混ぜ合わせます。
6. チーズを振り入れて、蓋をして火から下ろし、3分ほど、蒸らしたら完成です。
お家で食べてももちろん美味しいですが、景色や環境が違うと、さらに温かいものが沁みますよね。作っている時の湯気や香りも、普段よりも敏感になったりしませんか?
寒さ対策、しっかりしてお出かけくださいね。