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突如現れた神社の輪っか、アレはなぁに?


湿度も高まり、何となく鬱陶しい気持ちになっていませんか?そんな時は、古くから行われている、この時期ならでは行事に出掛けてみてはいかがでしょう?お出掛けで、紫陽花の優しげな色や、瑞々しい緑に出会えるかも。気持ちもリフレッシュして、晴れ晴れするかもしれません。


あの輪っか、なぁに?

1年の半分が終わろうとしている時期に行われるのが、「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」という神事です。京都が有名ですが、全国の神社で広く行われています。地域によっても差がありますが、多くは人形(ひとがた)や形代(かたしろ)を使って川に流したり、お焚き上げをしてもらうことでお祓いをします。神社によりますが、入り口近くに設置されている大きな輪っかは「茅の輪」と呼ばれます。これまでの無事を感謝して茅の輪をくぐることで、穢れを祓い、そしてまた、これからの無病息災を願うためのものです。「茅の輪くぐり」や「茅の輪神事」と呼ばれたりもします。この『茅の輪』とはチガヤというイネ科の植物で編んだ大きな輪です。チガヤは日本では古来親しまれてきた植物で、生命力強く繁殖し、「世界最強の雑草」との別名もあるほど。槍の先のように尖った葉は、邪気を防ぐと信じられていました。乾燥させた茎葉は屋根を葺(ふ)く際に使用されたり、穗は火をつける際の火口(ほくち)として使われたりしています。根は生薬にもなります。また、「夏の大祓」とともに「茅の輪」は夏・晩夏の季語にもなっています。


由来の昔話

昔々、旅の途中に宿が見つからずに大変困っている神様がいました。神様は2人の兄弟に宿を貸して欲しいと頼みました。弟は、裕福な暮らしをしていたにもかかわらず断りました。兄は貧しい暮らしをしていましたが喜んで宿を貸し、またもてなしたそうです。神様は兄にお礼として「もしも疫病が流行した時には、茅の輪を腰に着ければ逃れられるでしょう。」と教えを授けました。数年後に地域で疫病が流行し、教えの通りに、腰に茅の輪を着けた兄の家族だけは助かりました。
この旅人の神は「スサノオノミコト」であった、とも言われているそうです。


くぐり方

地域や神社ごとに作法がある場合もあるようです。訪れた神社の作法を知ることもよい機会になるかと思います。「夏の大晦日」とも言われる「夏越の祓」。何よりも「清めていただいて、また今年の後半を、新鮮な気持ちで迎えて過ごしていこう」という気持ちが大事かもしれませんね。

一般的な茅の輪のくぐり方
1. 一礼する
2. 左足から茅の輪をくぐり、左に回り正面へ戻る
3. 再び、一礼する
4. 右足から茅の輪をくぐり、右に回り正面へ戻る
5. 再び、一礼する
6. 再び、左足から茅の輪をくぐり、左に回り正面へ戻る
7. 再び、一礼し、茅の輪をくぐって、神前へ進む

※神社にくぐり方の説明や指示があれば、そちらに合わせてください。


他の楽しみも…

夏越の大祓に際して、出店などの夏祭りの雰囲気がある神社もあります。他にも夏越の祓には、この時期ならではの「水無月」という和菓子を食べる風習も残っています。削った氷に見立てた生地に、邪気払いの小豆が乗っています。暑気払いとして食されています。

暦では残暑ですが、まだまだこれから、暑い時期が続きます。夏の行事として、取り入れてみてはいかがでしょうか。

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