雪の季節。毎年、豪雪地帯では多い所で積雪が4mから5mに達し、積雪がようやく0cmになるのは5月頃。実は積雪の表現に「積雪0cm」と「積雪なし」という表現があるのはご存じでしょうか。今回はその違いをお伝えします。
積雪の表現 「積雪0cm」と「積雪なし」の違いって?
雪の季節。毎年、豪雪地帯では多い所で積雪が4mから5mに達し、積雪が「0cm」になるのは5月頃と、およそ半年も雪に覆われます。一方、東京など雪の少ない地域では、雪が降っても数日ほどでとけて、長く積もっていることはほとんどありません。
ところで、積雪の表現に「積雪0cm」と「積雪なし」という表現があるのはご存じでしょうか。どちらも雪がない状態をイメージしますが、実は厳密に表現の仕方が違うのです。
「積雪0cm」というのは、観測を行う場所(露場と言います)の地面の半ば以上を雪が覆う現象のことです。つまり、観測の柱の所に積雪がなくても、その場所にまだ雪がある時は積雪「0cm」と表現されます。
そして「積雪なし」は、露場の地面に雪が全くないか、もしくは半分以上を覆っていない状態のことを言います。つまり、「積雪0cm」といっても、実は雪が全く無くなったわけではないのです。
なお、東京都心などの「目視観測」を行っている地点では、このように「0cm」と「積雪なし」の区別がありますが、無人観測所である「酸ヶ湯」などでは、「0cm」と「積雪なし」の区別がなく、雪が完全に解けた夏季でも「0cm」の表記となっています。※この場合の「0cm」は"観測所周辺の地面が半分以上雪に覆われている、という意味にはなりません。
東京都心の例
東京都心の過去の例を見てみましょう。
2019年2月上旬、南岸低気圧の接近に伴い、東京都心を含む関東地方でも降雪・積雪がありましたが、この2月9日・10日・11日の日最深積雪をみると「0cm」となっています。
その他の日付の積雪深を見ると「--」(積雪なし)となっていますので、この3日間では「0cm」の積雪があり、12日にはその「0cm」の積雪が解け、「--」(積雪なし)になったと読み取ることができます。
豪雪地帯は半年も雪に覆われる
昨シーズン(2021~2022)豪雪地帯として知られる、青森県八甲田山系の酸ヶ湯では、11月中旬から雪が降り始め、11月下旬から本格的に雪が積もり始めました。最も深い積雪を観測したのは、2022年2月7日に観測した439cmでした。それがようやく「積雪0cm」になったのは、2022年5月19日15時でした。
また同じく豪雪地帯の山形県大蔵村肘折も、2021年11月下旬から雪が積もり始め、2022年2月7日に331cmまで達しました。その後、4月30日午前2時に、ようやく「積雪0cm」になりました。いずれも半年ほども雪に覆われていたことになります。
今シーズン、これからもまだまだ雪の季節が続く見込みです。「積雪0cm」や「積雪なし」になるのはまだまだ先になりそうです。