枕は頭や顔が直接触れる場所なので、寝汗やフケ、皮脂汚れなどが付着しやすいアイテムです。
長時間汚れを放置していると、枕カバーをしていても、その下の枕にまで雑菌や汚れが浸透し、ダニやカビの原因となることもあります。場合によっては肌や髪のトラブルにつながることもありますので、定期的にお手入れすることをおすすめします。
今回は、枕を洗濯機で洗うときの手順と、手洗いする方法をご紹介します。
枕を洗濯しても大丈夫?
枕はこまめにお手入れしたほうが良いと説明しましたが、自宅で洗濯できるかどうかは使われている素材によって異なります。一般的に、自宅で洗えるのはポリエステル製の綿を使った枕や、ビーズ枕、パイプ枕などです。
一方、そばがらや低反発ウレタン、羽毛などを使った枕は家庭で洗うことができません。そばがらは洗濯するとカビの発生リスクが高くなりますし、ウレタンや羽毛は洗濯すると反発力やふんわりした弾力が失われてしまう可能性があるからです。
なお、洗える素材についても、一部製品は洗濯不可となっているものもあります。そのため、枕を洗濯する際は「◯◯だから大丈夫」と安易に判断せず、必ずタグに記載された洗濯表示を確認しましょう。
洗い桶に数字やアンダーラインが入ったマークが記載されているものであれば、基本的に家庭用洗濯機で洗濯することが可能です。[注1]
洗い桶に手のマークが描かれているものは、自宅で洗濯可能ですが、洗濯機ではなく手洗いでお手入れする必要があります。
洗い桶に×マークがついている場合は、洗濯方法にかかわらず自宅で洗うことができませんので、クリーニング店などプロの業者にお手入れを依頼しましょう。
[注1]消費者庁:家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規定の改正について-衣類等の洗濯表示(取扱い表示)が変わります- p5
枕を洗濯機で洗うときの手順
枕を家庭用洗濯機で洗うときの手順をご紹介します。
■1. 枕カバーを外す
枕カバーを使っている場合は、あらかじめ本体からカバーを取り外しておきます。枕カバーをつけたまま洗濯すると、洗剤が中まで浸透しにくく、枕そのものの汚れが落ちにくくなるので要注意です。
■2. 洗濯ネットに入れる
枕本体のファスナーがしっかり閉じられていることを確認してから、枕全体がすっぽり収まるサイズの洗濯ネットに入れます。
とくにビーズ枕やパイプ枕などは、中身が飛び出して洗濯槽の隙間などに入り込むと洗濯機の故障につながりますので、綻びや穴がないかどうかも確認しましょう。
■3. 手洗いコースやソフトコースなどで洗う
洗濯ネットごと枕を洗濯機に入れたら、中性洗剤を投入し、手洗いコースまたはソフトコースといった弱水流モードで洗濯します。
なお、枕を洗濯機に入れる際、ぎゅうぎゅうに詰まって洗濯槽がうまく回らないようであれば、手洗いに切り替えましょう。
■4. 中身の偏りを整える
脱水まで終わったら、枕の表面を手のひらで叩いて中身の偏りを整えます。中身が偏ったまま乾燥すると型崩れの原因になるので注意しましょう。
■5. 形を整えた状態で干す
4で整えた枕の形が崩れないような状態で干します。ピンチで吊り干しすると重力に従って中身が偏ってしまうので、平干しネットを使うか、角ピンチなどの天板に載せて平干ししましょう。
枕全体を挟んで干す枕干しがあれば、物干し竿に吊り干ししても型崩れを防げます。
枕を手洗いするときの手順
洗濯表示で手洗い指示がある、または洗濯機に枕が入らない場合は、以下の手順で手洗いしましょう。
■1. 枕カバーを外す
洗濯機のときと同じく、枕カバーをあらかじめ外しておきます。
■2. 汚れが目立つところは部分洗いする
手洗いは洗濯機に比べるとやや洗浄力が落ちるため、目立つ汚れがある場合はあらかじめ部分洗いしておきましょう。
液体洗剤を汚れの部分に直接塗布し、少し置いて汚れを浮かせておくと、簡単に落ちやすくなります。
■3. 容器にぬるま湯を張って洗剤を溶かす
枕全体が入るような大きめの容器にぬるま湯(40℃以下)を張り、適量の中性洗剤を溶かします。適当な容器がない場合は、浴槽で代用しても構いません。
■4. 枕を押し洗いする
枕をぬるま湯につけ、優しく押し洗いします。強くこすったり、乱暴にもみ洗いしたりすると中身が偏って型崩れの原因となるので注意しましょう。
途中で水が汚れたら新しいものに交換します。
■5. 汚れをすすぐ
容器に水を張って、洗剤の泡と汚れをよくすすぎます。すすぎ水から泡が出てこなくなるまで、何度か水を交換しながらよくすすぎましょう。
■6. 水分を拭き取る
バスタオルなど大判の布で枕を挟み、軽く押すようにして水分を吸い取ります。枕が洗濯槽に入る場合は短時間だけ脱水にかけてもOKです。
■7. 枕を干す
洗濯機を使って洗った場合と同じように、手で形を整えてから平干しします。
枕は自宅で洗濯できる!こまめにお手入れしてきれいにしておこう
ポリエステルやパイプ、ビーズなどの素材が使われている枕であれば、自宅で洗濯することが可能です。ただ、製品によっては洗濯機が使えない場合もありますので、あらかじめ洗濯表示を確認し、適切な洗い方をチェックしておきましょう。
枕は洗濯すると型崩れしやすいので、手洗いコースやドライコースを選択し、ある程度形を整えてから平干ししましょう。
枕を計画的に洗濯したい場合は、天気予報専門メディア「tenki.jp」の「洗濯指数」を確認し、ベストなタイミングや適切な干し方をチェックすることをおすすめします。