ここ数年で健康促進のために、ウォーキングやランニングを始めたという人もいると思いますが、以前よりも体が動くようになると、ちょっとした挑戦をしてみたくなりますよね。その挑戦として富士登山を考えている人もいるかと思います。
ただ、富士山は一般的な山とは違った難しさがあり、しっかりと事前にトレーニングをしておく必要があります。そこで今回は、準備期間1~2ヶ月でできる富士登山のためのカラダづくりのポイントをご紹介します。
富士登山では低酸素の環境を10時間以上歩く
テレビ番組などで芸能人が富士登山しているのを見ると、自分も同じように登れるのではと思ってしまいますが、富士登山は想像以上に大変な登山になります。どのコースを登るのかにもよりますが、人気の吉田ルートで往復約17.4kmもあります。
吉田ルートの標準コースタイム は約10.5時間となっており、山頂でお鉢巡りなどをすれば、さらに長い時間歩くことになります。それも酸素が薄い環境ですので、平地を17.4km歩くのとは比較にならないくらい体力を消耗します。
このため、楽しみながら富士山を登りたいのであれば、事前にそれなりの体力をつけておく必要があります。ただ、体力というのは一朝一夕でつくものではなく、ある程度は時間をかける必要があり、少なくとも富士登山の1ヶ月前からトレーニングを始めてもらいたいところです。
とはいえ、トレーニングとして何をすればいいのかわからないという人もいるかと思いますので、誰でも手軽に始められるトレーニング方法をご紹介していきます。
スクワットと踏み台昇降で体の土台づくり
富士登山のためのカラダづくりは2つのアプローチで行います。まずは山を無理なく登るための体をつくるのに、1週間に2回ほど筋トレをしましょう。必ずやってもらいたいのが、スクワットとランジ、踏み台昇降運動です。
スクワットにはいくつも種類がありますが、まずはノーマルスクワットとスプリットスクワット、ランジの3種類を、それぞれ10~15回を3セット行ってください。最初は回数やセット数が少なくても構いません。筋力アップに合わせて増やしていければOKです。
踏み台昇降も山登りの筋肉をつけるのに適しており、階段などを使って行えるので、ちょっとした隙間時間にトレーニングできるといったメリットがあります。1回10分を3セット、インターバル1分が理想ですが、最初は1分もきついかもしれません。無理のない範囲で行いましょう。
スクワットも踏み台昇降もYouTubeにトレーニング方法の動画が公開されていますので、そちらを参考にしてください。
荷物を背負ったウォーキングで持久力を高める
筋力があれば転倒などのリスクが減り、登りでも必要以上に体力を消耗しなくなりますが、それだけで10時間以上も動き続けられるわけではありません。毎日ウォーキングをして持久力を高めましょう。
まったく運動をしていないという人は、まずは1日1~2km歩くことからスタートです。通勤時などに数駅手前で降りて、毎日歩くように習慣づけてください。慣れてきたら歩くときに積極的に階段を使うのもおすすめです。
1~2kmは問題ない状態になってきたら、次は歩く時間を徐々に延ばしていきましょう。目標は6時間歩けるようになること。ポイントは富士登山と同じ荷物の量で歩くこと。荷物を背負って6時間歩けないようですと、富士登山ではかなり苦労することになります。
平地で問題なく歩けるようになったら、低山でもいいので富士登山で履くシューズを着用し、荷物を背負って6時間程度の山登りをしてください。持久力と筋力アップに繋がり、さらには道具に慣れることもできます。富士登山の1~2週間前までここまでやっておけば安心です。
トレーニング期間中は十分な睡眠を心がけよう
富士登山を楽しむためにはトレーニングが必須ですが、このとき忘れられがちなのが休養です。真面目な人ほど「きちんと積み重ねなくては」と思って、眠る時間を削ってまでトレーニングしてしまいますが、トレーニングと睡眠はワンセットです。
回復環境のない状態でのトレーニングは、体にとっては疲労が溜まるだけで逆効果。人間の体は高負荷を受けることで損傷し、そこから回復するときに成長します。睡眠時間が足りていないときちんと回復しないので、トレーニング効率が低下します。
筋トレは1週間に2回、それも連続で行うのではなく2日ほどリカバリー期間を入れてください。ウォーキングも6時間歩いた翌日は、完全にトレーニングなしにするか、1~2km程度のウォーキングだけにして、できるだけ回復に努めましょう。
大事なのは継続すること。トレーニングによる疲労でケガをしたのでは意味がありません。日々のトレーニングが富士山頂につながっていると信じて、無理のない範囲でコツコツ積み上げていきましょう。