喉ごしが良く涼やかなゼリーやババロアは、初夏にぴったりのおやつ。ゼラチンなどの凝固剤を溶かしてから固めるという、作りやすさも魅力です。
今回は、好みの口当たりや質感にするために、知っておきたい3つの凝固剤の違いについてご紹介します。
透明感が際立つ「アガー」。季節の果物でカラフルに
このところ注目されているアガーの特徴は、水のようにクリアな透明感。表面はつるりとなめらかで、美しい光沢があります。喉ごしが良く、寒天とゼラチンの間くらいのプルンとした食感。原材料は、海藻やマメ科の種子の抽出物です。
冷蔵庫で冷やす必要はなく、30~40℃の常温で固まります。一度固まると溶け出さず型崩れもしにくいため、持ち運びにも便利。透明度を生かした水ゼリーや、季節の果物を使ったフルーツゼリーにすると色味が映えます。
◆アガーの扱い方
90℃以上の熱湯で溶かします。沸騰すると凝固力が弱まるので注意しましょう。粒子が細かくダマになりやすいため、液体を混ぜながら徐々にアガーを加えます。砂糖を使う場合は、あらかじめアガーと砂糖を混ぜておきます。常温で固まるので、粗熱がとれたら早めに型に流し込むのがコツ。果汁など酸味の強いものは、一緒に煮立てると固まらなくなることも。
とろけるような口どけの「ゼラチン」。乳製品と好相性
牛や豚の骨や皮に含まれているコラーゲンから作られるゼラチンは、生クリームや牛乳などの乳製品とよく合います。体温で溶けるため、口のなかでとろけるような食感が特徴。色は透明に近く、わずかに黄みがかっています。
20℃以下で固まり、25℃くらいで型崩れするため、夏場は冷蔵庫で保管しましょう。果物のピューレと生クリームを合わせて作るムースは、ゼラチンならではの口どけの良さを楽しめます。
◆ゼラチンの扱い方
粉ゼラチンは、量の調節がしやすくスピーディーにムラなく溶かすことができるため初心者にもおすすめ。50~60℃のお湯で溶かして使います。生のパイナップルやキウイ、いちじくなどのタンパク質分解酵素を含む果物は、ゼラチンを固まりにくくします。加熱してから使うか、缶詰を利用しましょう。
食物繊維が豊富な「寒天」。ほろりと崩れる食感が特徴
寒天はテングサやオゴノリなどの海藻から作られており、食物繊維が豊富なことで知られています。色味はやや白濁しており、歯切れ良くなめらかな食感が特徴。アガーやゼラチンと比べて凝固力が強く、わずかな量で多くの水分を固めることができます。
常温で固まり、溶け出すことはありません。杏仁豆腐や水ようかんなどにおすすめ。抹茶やほうじ茶を使った寒天は涼やかな味わいで、蒸し暑い日のデザートにぴったりです。
◆寒天の扱い方
粉末寒天は、ふやかしたり裏ごしする必要がなく便利。水に振り入れてから中火にかけ、沸騰したら弱火にして煮溶かします。砂糖や牛乳を入れる場合は、寒天が完全に溶けてから加えます。果物や果汁、果物の缶詰など酸味のある食品は、あら熱が取れてから入れましょう。
初夏に作りたいゼリーやババロア、寒天のおやつ。季節の果物や好みのお茶を使って、涼やかな喉ごしや食感を楽しんでみませんか。
・参考サイト
TOMIZ(富澤商店)
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