冬は寒いからキャンプをしないという人も多いかと思いますが、冬のキャンプでしか見ることができない景色があります。そのひとつが満天の星空。数え切れないほどの星が夜空を照らし、私たちを非日常の空間へと連れて行ってくれます。
ただし寒さが厳しいのも事実で、何も用意していないとテントの外に出ることすらできずに帰ってくることになります。そこで今回は、冬キャンプで星空観察するための寒さ対策と、キャンプ場選びのポイントについてご紹介します。
冬キャンプで星空観察をおすすめする理由
自然の中にあるキャンプ場は、1年を通して星空を満喫できますが、やはり冬の空は特別です。冬は大気中の水蒸気が少なく、空気の透明度が上がるため他の季節よりもたくさんの星を見つけることができ、しかも明るい一等星が多いこともあり、空がきれいに輝きます。
そして何よりもキャンプ場に人が少なく、夏のように夜遅くまで騒いでいるような人はほとんどいません。他の人の焚き火やランタンの灯りも少なく、落ち着いた雰囲気の中で星空をゆっくりと堪能できます。
さらに寒さもおすすめする理由のひとつです。星空観察をする環境として、凍えるような寒さは好条件とは言えませんが、強烈に寒かったという記憶が残ります。その記憶とこれまでに見たこともない星空が合わさって、忘れられない思い出になるというわけです。
寒さに負けないコツは重ね着にあり
思い出になるとはいえ、寒さに耐えるのにも限界があります。このため、冬のキャンプで天体観測をするときには、しっかりとした寒さ対策を行いましょう。
キャンプでの寒さ対策として定番なのは焚き火ですが、星を見るとなると焚き火は明るすぎるのでNGです。視線が上になるので、足元が不注意になって衣類を燃やしてしまう可能性もあります。このため焚き火はできるだけ小さくしておく必要があり、暖を取るのには使えません。
そうなるとできることは寒くない服装を心掛けることです。このときのポイントは厚手のウェアを選ぶのではなく、薄手のウェアを重ね着することです。そうすることで、服と服の間に空気の層ができて、体温を奪われにくくなります。
1枚目に吸湿性と保温性の高いインナーウェアを着て汗で体が冷えるのを防ぎ、その上にダウンやフリースなどを2枚重ね着します。そしてその上から防風効果のある冬用のジャケットを着用すれば、大抵の寒さはしのげます。
足はそこまで寒さを感じませんので、下半身はタイツとトレッキングパンツの重ね履きで十分です。大切なのはボトムスよりも足元。できるだけ保温性の高いソックスを選び、防寒ブーツを履けば寒さを軽減できます。
空が開けている都市部から離れたキャンプ場を選ぼう
星空を満喫するにはキャンプ場選びも重要です。選ぶときのポイントは次の3つ。
● 空が開けている
● 都市部から離れている
● 夜に暗くなる
星空を見るわけですから、頭上が樹木に覆われている林間のキャンプ場はNGです。高原などの高台にあるキャンプ場を選びましょう。また、都市部の市街地が近いと街の明るさで星空がきれいに見えなくなってしまいます。できるだけ都市部から離れてください。
ただし山間部に行くと、路面が凍結している可能性があります。そのような環境での運転経験がない人は、温暖な地域のキャンプ場がおすすめです。
また設備がしっかりしすぎているキャンプ場では夜も安全のために外灯があり、キャンプ場そのものが明るくなってしまうこともあります。そのようなキャンプ場は便利ではありますが、星空を見るのには適していないので、選ぶときに気をつけましょう。
星空観察は月が暗い日を選ぶこと
冬のキャンプで星を見るのに、もうひとつ気をつけなくてはいけないことがあります。それが月の存在です。満月のような明るい状態になると、小さな星の存在をかき消してしまいます。月には月の美しさがありますが、星空観察とはあまり相性がよくありません。
キャンプの計画を立てるときに、アプリなどで月齢をチェックしておきましょう。理想は新月のタイミングですが、その前後数日でも構いません。星空をしっかりと楽しみたいなら、少なくとも満月前後は避けましょう。
また、いくら新月でも曇り空だと星は見えませんので、tenki.jpの星空指数も参考にしてください。月の満ち欠けだけでなく、天気も考慮して天体観測に適しているかを数値化していますので、新月を選んだのに星が見えないなんてことを回避しやすくなります。
もっともキャンプ場に行って、寒い思いをしながらも星空が見れなかったというのも、後になれば笑い話になります。星空指数は参考程度にして、あとは運任せで冬キャンプの予定を組んでみるのもおすすめです。
星空指数|tenki.jp