整備された道を歩くハイキングなら、普段履いているスニーカーでも歩けないことはないのですが、登山をするなら専用の登山靴を用意しましょう。ただ登山靴にもいろいろな種類があり、初心者だとどれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、初心者の登山靴選びをサポートするために、選び方のノウハウをわかりやすく解説していきます。登山を楽しくできるかどうかは、シューズ選びが大きく影響しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
登山靴とスニーカーの違いはソールの硬さにあり
まずは登山靴とスニーカーがどう違うのかについて説明します。登山靴はスニーカーと比べて下記のような特徴があります。
● ソールが硬く曲がりにくい
● アウトソールに凹凸があり滑りにくい
● 防水性が高い
他にも細かい違いはありますが、長時間歩くことを想定しており、ソール(靴底)が硬くてスニーカーのようには曲がりません。そして登山靴の靴底には凹凸形状に加工されたゴム底を採用しています。これにより、滑りやすい路面でも、しっかりと地面を掴んでくれます。
また防水性が高いのも、登山靴の特徴のひとつです。スニーカーは濡れると雨が染み込んでくるため、登山中に雨が降るとマメや靴擦れが発生します。ところが登山靴は多くのモデルに防水機能が備わっており、雨が降っても快適に歩くことができます。
登ろうとしている山の路面がしっかりと整備されていて、かつ雨の日や雨の直後には登山しないというのであればスニーカーでも登山はできますが、いざというときに備えておくのが登山の基本です。ハイキングではなく登山をするのであれば、最初から登山靴を購入しておきましょう。
ソールが程よく硬いトレッキングシューズがおすすめ
登山靴にはアルパインブーツとトレッキングシューズの2種類があります。岩場などのある本格的な登山に使うのがアルパインブーツと呼ばれるシューズで、ソールが硬くてほとんど曲がりません。雪の上を歩くためのアイゼンを取り付けることもできるなど、機能性も高いといった特徴があります。
ただし岩場のない土の路面は歩きにくく、初心者には取り扱いが難しいという特徴もあります。このため、最初に購入するシューズとしては、ソールが程よく曲がり比較的歩きやすいトレッキングシューズを選ぶとよいでしょう。
高さは「ミドルカット」がおすすめです。ハイキングや里山程度ならローカットのほうが動きやすいものの、しっかりとした山登りには適していません。かといってハイカットのトレッキングシューズは重いので、筋力が低いと歩くだけで疲れてしまいます。
また、捻挫防止のために、しっかりと足を固定して守るという意味ではハイカットのほうが優れていますが、登山靴に慣れないうちはある程度動きに自由度がないと歩きにくくなるので、まずはバランスのよいミドルカットを選んでおけば間違いありません。
ネットショップではなく必ず店舗で試し履きをしてから買う
登山靴を購入するときに気をつけてもらいたいのが、必ず試し履きをするということです。試し履きをせずにネットショップで購入すると、自分の足に合わなくて登山中に痛くなって歩けなくなる可能性があります。
実際に試し履きをするときのポイントがこの3点です。
● 登山で履く靴下で試し履きをする
● つま先まで入れて踵に指1本分の余裕がある
● 履くだけでなく少し歩いてみる
まず大事なのは靴下。普段履いている靴下ではなく、登山用の厚みのある靴下で試し履きをしましょう。登山靴は登山をするときに履くわけですから、そのときに使う靴下でフィット感を確認しないと意味がありません。
サイズ感はつま先に少し余裕があるくらいが理想です。ただ、シューズを履くとつま先の状態が見えませんので、紐を緩めた状態でつま先に当たるまで深く履いて、踵に指が1本入るくらいの空間が空いているのを確認してください。その後、フィッティングをするときには、その空間を潰すように踵をシューズに当てて履いてください。
履いたら店内を歩いてみましょう。初めての登山靴だと歩きにくさを感じるかもしれませんが、それはあまり気にしないでください。くるぶしや小指の付け根、親指の先、足の甲などがシューズに擦れたり強く当たったりしないかを確認して、少しでも違和感があるなら別の登山靴を試しましょう。
また、登山専門店で購入するというのも、とても重要なポイントです。専門店なら登山に関する正しい知識を持ったスタッフが対応してくれます。わからないことは気軽に質問して、自分に最適な1足を選ぶためにアドバイスしてもらいましょう。