5月後半は、二十四節気で言うと立夏から小満へと移ろいゆく季節。5月は五月晴れというイメージもありますが後半にかけ雨も多い時季でもあります。
旧暦4月15日~7月15日では、僧侶が90日間外に出ず修道のため一室に籠り精進修行してきました。これを夏籠り(夏安居 げあんご)といいます。冬籠り夏籠りは暑さ寒さをしのぐという意味もありますが、安居は梵語の雨期の意です。もともとは、万物が生長・発育するのを妨げたり殺生しないようにするという釈迦の教えによるものだそうです。私たちの自粛もあとひと踏ん張りでしょうか?
連休明け早々に梅雨入りする地域もありますが、庭木や公園では色とりどりの草花を楽しめる時季です。草木が成長するようなイメージで深呼吸しながら眺めてみるのもよいかもしれません。今回は5月が見頃といわれている個性的な花木に注目してみました。
なんじゃもんじゃの木(ヒトツバタゴ)
なんじゃもんじゃの木はヒトツバタゴの通称です。希少種としても有名で、環境省が発行するレッドリストでは絶滅危惧II類(VU)に指定されているほか、国および一部の県では天然記念物として指定されています。
日本国内の自生地域は主に2箇所で、長野県・岐阜県・愛知県にまたがる「木曽川流域」と長崎県の「対馬市」の限られたエリアのみだそうです。
4月下旬から初夏にかけて、雪が積もったような白い花を咲かせるので「あの木はなんの木じゃ?」ときく人が多く、転じて「なんじゃもんじゃ」となったという説もあります。
自生は少ないのですが、花の美しさにひかれて、愛好家が多く栽培株をとりよせ庭木で楽しむ方は多く、お近くの庭で鑑賞することができるかもしれません。
参照
ミツモア|ナンジャモンジャの木ヒトツバタゴを育てよう!
ハンカチの木(ハンカチノキ)
ハンカチノキは4月下旬から5月に、白いハンカチのような姿の花を咲かせます。しかし、ハンカチノキの白い部分は花びらのように見えますが、苞と言われる葉の変形したもので、花弁はなく、たくさんの雄花と1個の雌花が1つの球形をつくり、大型の2枚の苞に抱かれるような形で開花します。花は真ん中のコロンとした丸い部分です。花は始めは赤く締まっていますが、雄しべ群が開いていきます。
参照
みんなの趣味の園芸(NHK出版)|ハンカチノキの育て方
ブラシの木(ブラシノキ)
ブラシノキの最大の特徴は花の姿で、ビンを洗うためのブラシそっくりの姿です。マキバブラシノキ(カリステモン)属は、オーストラリア全域からニューカレドニアに30種が分布する低木から高木の常緑性花木で、オーストラリアのご家庭では定番の植木のようです。
日本では5月に見頃を迎えます。赤くて元気なブラシが次々と咲きますが、白花のものもあるようです。
参照
みんなの趣味の園芸(NHK出版)|ブラシノキ
強い紫外線、朝夕の気温差、雨天の日などがあいまって、疲れがでてきやすい時季です。自分がどんな状態か感じつつ、微調整していきましょう。どうぞ健やかにお過ごしください。