5月6日は56(ゴム)の語呂合わせで「ゴムの日」です。ゴムと聞くと輪ゴムや自動車のタイヤを思い浮かべる人も多いかと思いますが、実はスマートフォンや靴、水道管など様々なところで私たちの生活を支えている、なくてはならない素材のひとつです。
あまりにも身近すぎて、その存在を忘れてしまいがちなゴム。そこで今回はゴムの日にちなんで、誰かに話したくなるゴムの豆知識についてお話します。母の日のプレゼントにもぴったりなゴムに関するアイテムも合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
天然ゴムと合成ゴムの違い
私たちの生活を支えているゴムには、天然ゴムと合成ゴムの2種類があります。ゴムの木の樹液を使って作られているのが天然ゴムで、石油(ナフサ)などを原料にして人工的に作られているのが合成ゴムです。それぞれに特長があり、用途に合わせて使い分けされています。
天然ゴムは弾性や強度が高く、車のタイヤなどに使われています。ただしゴムの木は育つ地域が限定されていて、なおかつ天然素材ということもあって品質が安定しにくい傾向にあり、さらには持続的な供給が難しくなっているといった問題も抱えています。
もっと入手性を高めて、品質も安定させるために作られたのが合成ゴムです。合成ゴムの機械的性能は天然ゴムに劣るものの、耐熱性や耐油性、耐老化性などを高めた様々な種類のゴムがあり、用途に合わせて利用されています。
それでも天然ゴムのニーズは高く、現在は天然ゴムと合成ゴムの生産量比率は47:53でわずかに合成ゴムが高いだけ。ほぼ同じくらいの量の天然ゴムと合成ゴムが生産されています。
【参考】
解説!天然ゴムと合成ゴムの違い|興和ゴム工業
【業界図鑑】ゴム製品業界 ~ 天然ゴムへの需要が価格を下支え|岡三証券
天然ゴムの90%が東南アジアで生産されている理由
合成ゴムは工場で作ることができますが、天然ゴムのほとんどが東南アジアのプランテーションで生産されています。現在は需要と供給のバランスがとれている状態にあるのですが、困ったことにこれから起こることが予想されている天然ゴムの需要拡大に対しての課題があります。
天然ゴムの多くはパラゴムノキを原料としていますが、この木は熱帯気候帯でしか育ちません。このため栽培できる地域が限られているのですが、熱帯雨林の保護を考えたときに、単純にプランテーションを広げることができないという問題があります。
だったら他の地域で栽培すればいいじゃないかと思うかもしれませんが、パラゴムノキには南米葉枯病という病害があり、単純に他の地域に持っていくことができません。実際にパラゴムノキの原産地であるブラジルでは壊滅的な被害があり、現在ではほとんど栽培されていません。
もちろん東南アジアでも安全というわけではありません。東南アジアでは根白腐病という病害が問題視されており、さらに南米葉枯病のリスクもあるため、いつ天然ゴムの生産ができなくなってもおかしくない状態にあるといわれています。
そうなったときに自動車のタイヤを生産できなくなるということもあって、ゴムの木の保護と合わせて、合成ゴムを使った自動車タイヤの開発も行われています。
【参考】
タイヤ、天然ゴム使わずに ブリヂストンが新素材|日経新聞
意外と身近なところにあるゴムの木
パラゴムノキは熱帯気候帯でしか育たないとお伝えしましたが、私たちの身近なところに「ゴムの木」があります。あまり知られていませんが、観葉植物として人気が高いベンジャミンはゴムの木の一種で、別名でベンジャミンゴムノキとも呼ばれています。
他にも観葉植物として様々な種類のゴムの木が販売されており、こちらは温暖な気候の日本でも手入れが簡単で育てやすいということでインテリア用として人気があります。また、丈夫で生命力が強いこともあって、ゴムの木には「永久の幸せ」という花言葉が付けられています。
この花言葉は母の日のプレゼントにぴったりだと思いませんか?「永久の幸せ」を願って、ゴムの木やベンジャミンを贈れば、きっと喜んでもらえるでしょう。リラックス効果や空気清浄効果なども期待でき、部屋が明るくなって居心地のよい空間になりそうですね。
ただし、ベンジャミンは環境の変化があると葉を落としてしまう可能性があります。できるだけ日当たりの良い乾燥しにくい場所に置いて、そこからはあまり動かさないようにしておきましょう。「永久の幸せ」が枯れてしまったのでは困りますから。
3,000円程度の小さな木から、1万円以上する立派な木まで幅広く売られていますので、予算に合わせて気に入ったデザインのゴムの木をプレゼントしてください。もちろん自分用に購入するのもOK。おうち時間の癒しに、ゴムの日に合わせてリビングにゴムの木を置いてみてはいかがでしょう。