書籍や新聞などを読んでいると「あれ、これってどう読むんだっけ?」という場面に多く出くわします。プライベートの時ならさして問題ないですが、ビジネスシーンで読めないと赤っ恥をかくことも…。常識ある大人として後輩たちから尊敬されるためにも、今回はこれだけは知っておきたい“読めそうで読めない漢字”たちをまとめました。
集る
読み:たか(る)
意味: 一つところによりあつまること
ついつい「あつまる」と読んでしまいがちですが「あつまる」の表記は「集まる」です。「宝くじに当たったら友人に集られた」など、マイナスなシーンで使用されることが多いですね。
侮る
読み:あなど(る)
意味:相手を軽く見てばかにすること
「侮」の字が「悔」と似ているため「くいる」と読んでしまいがちですが、「悔いる」と「侮る」では意味が全く変わってくるので注意が必要です。
穿る
読み:ほじ(る)・ほじく(る)
意味:穴を掘るようにつつく・つつき回して中の物を出す
「鼻をほじる」や「かさぶたをほじくる」など日常でよく耳にしますが、漢字で書かれると意外と読めないものですね。
肖る
読み:あやか(る)
意味:影響を受けて同様の状態になること
「あの人の強運にあやかりたい」など、日常会話でもよく登場する「肖る」。「肖像画」などにも使われている通り“肖”の字には「ものの外見」という意味があります。
悄気る
読み:しょげ(る)
意味:失望する。予期せぬ事に出会って元気がなくなる
「テストの点が良くなくてしょげる」など、結構多くの場面で頻出する言葉ですが漢字で書かれると読めませんよね。ちなみにSNSなどで目にする「しょぼん…」は、小雨が降り続く様を表した「しょぼしょぼ」から派生しているので、「しょげる」とは似て非なるものです。
弁える
読み:わきま(える)
意味:物事の違いを見分けること・物事の道理をよく知っていること・弁償する
「立場をわきまえなさい!」と言われればすぐにわかりますが、「立場を弁えなさい」と文字にされると一瞬止まってしまいますよね。
与する
読み:くみ(する)
意味:仲間入りする・賛成して味方になること
会議の場などで「○○さんの意見にくみします」といった発言を聞くことがありますよね。割と読めない人が多いですが、「組する」とも書くのでこちらとセットで覚えておくと良いと思います。
唆す
読み:そそのか(す)
意味:相手によくない行動をするようにすすめること
特に難しい漢字ではないのですが、意外に読めそうで読めないですよね。「知人に犯罪を教唆(きょうさ)する」など、熟語で覚えておくと連想しやすくなるかも。
徐に
読み:おもむろ(に)
意味:動作が静かでゆっくりしている様子
自動車やバイクを運転する人なら「徐行(じょこう)」という言葉は知っているはず。徐行がどういう状態かをイメージできれば「おもむろ」は覚えやすいと思います。ちなみに徐行を「除行」と書くのは典型的な間違いなので注意。
序に
読み:ついで(に)
意味:間がない様
パッと見で「じょに」と読んでしまいそうですが、正しくは「ついでに」。「序章」などの熟語で使われているように、「序」という字自体は“本来あるものに含まれている”という意味を持ちます。よく「○○へ行くのだったら、ついでに◎◎を買ってきて」なんて言葉を耳にしますが、本来は「追加する」や「付け足す」といった意味はありません。
直向き
読み:ひたむ(き)
意味:一つの物事だけに心を向けているさま
「直」を「ひた」と読むのは意外と知られていないかもしれません。同じように「直隠す」を「ひたかく(す)」と読める人も少ないのではないでしょうか。
目眩く
読み:めくるめ(く)
意味:めがくらむ、めまいがする
「めくるめく早さで…」や「めくるめく時間」など、良く耳にする言葉ですが、文字で読むことは少ないですよね。文芸作品などで見かけることがあります。
読めそうで意外と読めない漢字をいくつかご紹介しましたが、これらはほんの一部に過ぎません。また「蝸牛(かたつむり)」や「案山子(かかし)」など、“読めそうで読めない名詞”もたくさんあるので、また別の機会に「読めそうで意外と読めない漢字 名詞編」をお送りしたいと思います。