ニットやセーターは、秋冬の寒さ対策に大活躍するアイテムですが、ほかの素材に比べると生地がデリケートなので、洗濯には十分な注意を払う必要があります。特に洗濯後の干し方を誤ると、お気に入りのニットをだめにしてしまう可能性がありますので、あらかじめ正しい干し方を覚えておきましょう。
今回は、ニットやセーターを洗濯した後の正しい干し方や注意点について解説します。
ニットやセーターを洗濯した後の干し方 2つの基本
まずはニットやセーターを洗濯した後の基本的な干し方のポイントをご紹介します。
■ニット・セーターは平干しするのがベスト
ニットやセーターの素材は伸縮性に富んでいますが、長時間にわたって同じ方向に強く引っ張られると、生地が伸びて型崩れしてしまいます。ニットは1度型崩れすると、元に戻すのが困難ですので、床に平置きした状態を保ったままで干す「平干し」をするのがベストです。以下では、ニットやセーターを平干しする代表的な方法をご紹介します。
・1. 平干しネットを使う
最もおすすめの方法は、ホームセンターなどで販売されている平干しネットを使用することです。名前の通り、平干しのために作られたアイテムで、円盤状になった薄いネットが3~5つほど縦に並んだ形のものが多いです。平干しネットを使用して洗濯物を干すときは、1層のネットごとに1枚のニット・セーターを平らにのせるだけでOKです。平干しネットにはフックがついているので、ハンガーのように物干し竿やベランダの手すりなどに引っかければ、ニットやセーターを型崩れなしで簡単に乾かすことができます。
・2. ハンガーを組み合わせて使う
2本のハンガーを少し間をあけて物干し竿にかけ、ニットやセーターの胴体部分をハンガーの穴に通せば、水平の状態を保ったまま洗濯物を干すことができます。袖の部分は物干し竿にかけるか、あるいはもう1本ハンガーを追加して穴に通しておきましょう。袖を下に垂らすとバランスが取りにくくなり、洗濯物が落ちてしまう可能性があるので要注意です。
・3.ピンチハンガーの上にのせる
ピンチハンガーとは、複数の洗濯ばさみ(ピンチ)がぶら下がっている定番の洗濯用品です。通常は洗濯ばさみに靴下やタオルなどをはさみ、吊り下げるようにして干しますが、天面部分にセーターやニットを広げてのせれば平干しにも活用できます。洗濯ばさみに干渉しないので、いつも通り小物も干せて一石二鳥ですが、干すときや取り込むときは洗濯ばさみに生地を引っかけないよう、慎重に扱う必要があります。
また、ピンチハンガーは天面部分が汚れていることも多いので、平干し用に使うときはあらかじめ布巾などできれいに掃除しておきましょう。
・4.バスタオルハンガーの上にのせる
自宅にバスタオルハンガーがある場合は、ハンガーを広げた状態でセーターやニットをのせれば、平干しネットの代用にできます。袖をたらすと地面についてしまう可能性がありますので、胴体部分に重ねるようにして干しておきましょう。
■竿干しする
竿干しとは、物干し竿に直接洗濯物を掛けて干す方法のことです。折りたたんだ状態で干すので、平干しに比べると乾くまでにやや時間がかかりますが、伸びや型崩れの心配はないので、自宅に平干し用のアイテムがない場合に便利です。
上下二つ折りにして干すのが基本ですが、ロングカーディガンやワンピースのように丈の長いニットは水分の重みで伸びてしまうおそれがありますので、左右二つ折りで干した方が無難です。
ニットやセーターの絶対NGな干し方
ニットやセーターを干すときに、絶対に控えたいNGな干し方を2つご紹介します。
■1. ハンガーにそのまま掛ける
ニットやセーターをそのままハンガーに掛けると、肩や首の部分が横に伸びてしまうことがあります。特に体にぴったりフィットするタイプのニットは型崩れしやすいので、ハンガーにそのまま掛ける干し方は絶対に避けましょう。なお、同じハンガーを使った方法でも、以下の干し方なら型崩れを防ぐことができます。
手順1. ニットを縦に2つ折りにする
手順2. 脇を中心にVの字型にニットを置き、その上にハンガーを置く。このときフック部分は脇部分から出るようにする
手順3. Vの字を折りたたむように袖と胴体部分をハンガーに掛け、そのまま物干し竿に掛ける
二重、三重に折りたたむので乾燥効率は悪くなりますが、ハンガー1本でニット・セーターを干せるので、省スペースで洗濯物を干したいときに便利です。
■2. ピンチではさんで干す
ニットやセーターはデリケートな素材なので、ピンチではさんで干すと、生地に跡が残ってしまう可能性があります。洗濯物を取り込むときにうっかり引っかけると、生地がほつれたり破れたりするおそれもありますので、ピンチではさんで干すのはやめましょう。
ニットやセーターを洗濯する日はあらかじめ洗濯指数をチェックしておこう
ニットやセーターは干し方によっては、型崩れしたり、跡がついたりしやすいデリケートなアイテムなので、水平の状態を保ったまま乾かす平干しを行うのがベストです。ハンガーやピンチハンガーをうまく活用すれば、自宅にあるものだけで平干しすることも可能ですが、専用の平干しネットを使った方が乾燥効率が高く、短時間で乾かすことができるでしょう。
ただ、ニットやセーターを着用する時季は気温が低く、天気によっては薄手のニットでも乾きにくい場合があります。洗濯物が乾かないと生乾き臭の原因になりますので、ニットやセーターを洗濯する際は、事前に天気予報をしっかりチェックしておきましょう。
日本気象協会が運営する天気予報専門メディア「tenki.jp」では、洗濯の乾きやすさを表した「洗濯指数」を毎日公開しています。当日だけでなく、10日先までの情報をチェックできますので、ぜひニットやセーターを洗濯する日の参考にしてください。